弊社、ベテラン経営コンサルタント小野の連載「技術と経営塾」小野塾 、
「ビジネス仕分けR&D編」Web公開講座 -R&Dマネジメント編第3回-を紹介します。
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その2、開発と言う名の「看板」は、顔の見える顧客相手では必要ない。
こんにちは。
ケーイー・ソリューションズ(株)「技術と経営塾」塾長の小野嘉雄です。
開発と言う名の「看板」を上げた開発部門が、顔の見える顧客に向かっての
活動は、殆ど、そのQCDと仕様の管理が顧客がしてくれるので、”言われたと
おり業務をこなしていれば良い”と考えている企業が多く見られます。
■大手の原料開発や産業の米と言われる部材の開発部門でも、「あなたの顧客
は誰ですか?」と聞いても答えられない開発者が多い事に驚きました。
私は、依頼を受けて訪問しましたが、顧客が判らない開発や市場や顧客を
絞れない開発は、中ー長期いずれにしても経営の問題でもあり、開発と言う
働きを超える課題と考え、「顧客」が判るまでその支援を中断する事としました。
同じ時期に、IBM社では、”R&D投入能力の25%を顧客に使え”と言う
方針が出され実行されていると聞きました。
その話を或る大手の半導体開発部門でしました、それから何ヶ月か後で、
偶然、地方の都市で、出張先のホテルに近い赤提灯の下で、その企業の開発
管理者と出会いました。
何故そこにーと言う話で「内もIBM流を取り込みました」と。
顧客訪問中であるとのことでした。
■関東地区の或る自動販売機を製造している企業では、典型的な「営業下請け
型開発」で、顧客は営業部門で、独自に積み上げた製品原価も、その営業の
販売駆け引きの道具として「売価を下げ」積み上げた原価を破壊し、開発の
意欲を裂き、残るのは「営業と言う顧客のやり方」を恨むだけとなるーと言う
事です。
これらの事例から、共通している課題は、「開発」と言う看板は上げているが、
「営業任せの、顧客知らず」が多くの開発の実態のような気がします。
1項の「機能組織」の問題に繋がります。
次回は、”その3、顧客を間違えた日本の家電メーカー”についてお話します。