ちょうど先週の今日、「台風の爪あと」のお話をしました。先日の台風11号の時、飛行機の欠航や電車の運休のことに関心を示した生徒さんのお話です。1週間待って、その生徒さんとの授業がきのうありました。
「○○くん、先週、台風のお話、しましたね」と切り出すと、「台風、終わった」とのこと。そこで、用意していた新聞の切抜きを並べて示しました。
・1面に載っている天気図(台風情報):8月31日
・雨と強風に煽られて、傘を押さえ込むように差している通行人たちの写真記事:9月1日
・交通機関の欠航と運休の記事:8月31日(現物と拡大版)
写真記事を見ると、台風をリアルに思い出した様子で、「台風~」とあらためて言っていました。がやはり、関心の強いのは欠航と運休の記事です。嬉々として、新聞の文字に見入ります。
「飛行機、欠航、羽田ー福岡、成田ー沖縄 合計22便
鹿島線(千葉県・佐原駅ー茨城県・鹿島神宮駅) 」
これらの文字を見るだけで、気持ちが大きく動くのです。
・「ぼくが言いたかったのは、これだったんだよ!」と分かってもらえた嬉しさ
・とにかく大好きな飛行機や電車に触れられた喜び
・何か出来事があった、ということに対する興奮感
「台風11号 交通機関」とタイトルをつけ、上記の欠航と運休状況をパソコンに入力しました。聞きなれない駅名もありましたが、ミスを訂正しながら根気よく打ち込みました。用紙の右半面には日本地図を大きく出して、欠航・運休区間をそれぞれカラーのラインで結んで示しました。
「鹿島線って、知ってる?」と尋ねると、「聞いたことあるような気もするけど、どこだっけな?う~ん・・・」と、頭の中で路線図か電車の図鑑でも思い描いているような様子でしばらく考えてから、「知らない、乗りたい」との返事でした。
「ふつう」という言い方には大いに御幣がありますが、あえて言うなら本当に青年らしい「ふつうの面持ち」で思い巡らし、返答してきたのがとても印象的でした。こちらもふだんなら、「そうだねぇ、先生も乗ってみたい!」というところを思わず、「そうね、乗ってみたいわね」というリアクションになります。
一人ひとりの精神性にフィットした学習内容を提供することによって、青年には青年らしさを見つけていってあげたいと思います。それぞれの個性と年代にふさわしい、充実した生活を日々営めるように。
さあ、「知らない」と答えていた鹿島線、調べてみると面白いことがいろいろあります。水域の多い水郷遅滞を高架と橋梁の高い技術で貫通した路線である鹿島線は、強風時は速度制限や運休になることが多い・・・とのこと、また来週の授業が楽しみです。
造形リトミック教育研究所
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