発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

125.もうすぐ節分(3)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

125.もうすぐ節分(3)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所 

 「節分」と題して、中身は「算数」のお話となりました。今日もさいごに、算数への展開をもうひとつ致します。「豆の残りの数」、ひきざんのお話です。豆を前にしても落ち着けるお子さんであれば、どうぞ試みてください。食べることやパラパラとあそぶことに夢中でしたら、時機を待ちましょう。

 10才未満のお子さんはお皿に豆を10個、10代のお子さんは20個用意しますが、わかりやすいように、用意するものと手順を下に箇条書にしてみます。

用意するもの:
1)豆 10個 (10代のお子さんは、豆20個)
2)お皿 3枚(食器でも、教材用お皿でも、空き容器でも)
3)メモック (名刺サイズくらい、なるべく大きめのもの)
4)水性太ペン(2色)

手順:
1)一緒に数えながら10個(または20個)の豆を1枚目のお皿に取り出しましょう。
2)取り出せたら、「10」(または「20」)とメモックにペンで書いて、お皿を置いた上の方に貼りましょう。
3)「年の数だけ豆を食べるよ。食べる分を、こっちのお皿に入れよう。」と言って、はじめのお皿の右側に2枚目のお皿を置いて、その上の方に年の数を書いたメモックを貼っておきましょう。
4)では、年の数だけ豆を2枚目のお皿に取り出しましょう。「1・2・3・・・・・・」
5)取り出した豆を食べましょう。
6)全部食べたら、「残りは?」と言って、1枚目のお皿に残っている豆を、3枚目のお皿に移して、2枚目のお皿の右に置きましょう。
7)残りの豆の数を数えてメモックに書いて、3枚目のお皿の上の方に貼りましょう。
8)「-」と「=」をメモックに数字とは別の色で書いて、「○-○=○」となるように、先に貼った数字の間に貼りましょう。「ほーら、ひきざんになっちゃった!」と言いながら。

※書くと長くなりましたが、やってみれば大したことはありません。お子さんのいない時に、一度操作をイメージするか、練習しておくとやりやすいですよ!

 さあ、お子さんと順番にやってみましょう。ひと通りプロセスを通過できたら、「こんなお話ができたよ」と言って、お皿を1枚ずつ指差しながら「豆が10個ありました。」「○○くんは、8個食べました。」「残りは、いくつでしょう。」と、文章題ふうにお話してあげてください。リズミカルに、これを何回か楽しく繰り返して言ってあげましょう。繰り返しているうちに、お子さんも一緒に言えたら、もっといいですね。

 実際には、「お皿に節分の豆が10個ありました。○○くんは年の数だけ豆を食べました。○○くんは今8才です。豆は、いくつ残っているでしょう。」と複雑な形で登場してくることもありますが、お子さんには、一番シンプルな形で示してあげましょう。

 文章題の中には、算数の用語意外にも分かりにくいものが含まれています。「年の数だけ豆を食べる」、こんなことも実際に経験していけば少しずつわかってきますが、すぐには難しそうであれば、お子さんの理解の段階に合わせてアレンジしてあげましょう。

 何れにしても、実際に食べて、豆が無くなった、数が減ったということを実感させながら、こういうときは、「引く(-)」をするんだよ、ということをさらっと教えてあげましょう。はじめのうちは、なんとなく「無くなること」や「減ること」と「引く(-)」が結びつき始めればよいのです。

 「たす」も「ひく」も「かける」も「わる」も、子どもの日常語にはない言葉です。いわば、特別な算数用語です。シンプルな例をいくつか具体的に経験しながら、実際の数の変化とそれらの算数用語をイメージとして結びつけていってあげましょう。そんな意味で家庭での営みは、楽しく利用していけば算数の本質的な理解を促す有効なきっかけとなることができるのです。

 算数に限ったことではありませんが、そもそも理解や記憶というものは、経験が伴い、そこに感情が生じることによってよりいっそう確実なものとなります。

 もうすぐ節分、できれば福豆をこんなふうに楽しみながら生かしてみたらいかがでしょう。


造形リトミック教育研究所
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なかのひと
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