なくもの哲学と歴史ブログ

哲学と歴史のブログです。
フォロバはします。気軽にフォローしてください。
西洋、東洋哲学
世界史、日本史
西洋神話

1970年代の日本

2023-10-02 19:21:00 | 日本史

【日本列島改造論】 

 田中角栄元首相は「コンピュータ付きブルドーザー」や「今太閤」などの異名があり、国民に人気がありした。その著作には「日本列島改造論」があります。日本列島改造論とは「新幹線」「高速道路」「飛行機」などの交通網で日本列島を結び、都市の過密と地方の過疎を解決しようとする政策構想のことです。当時の新幹線は、東京岡山間だけしか開通しておらず、高速道路も東名高速道路があるだけでした。日本列島改造論が必要だったのは、戦後、都市部に人口が集中し、工場も多くなったので、公害などの問題が発生したからです。工場を地方へ再配置することによって「人」「物」「金」を巨大都市から地方へ分散させようとしました。しかし、それによって「土地投機」に拍車がかかります。土地の投機は、地方の土地の価格を急上昇させ、インフレーションを引き起こしました。日本列島を結んだのは、交通だけではありません。全国的に情報通信のネットワークが築かれました。東京と地方の情報格差を改善するために、地方に増設したのが民放のテレビ局です。

 【日中共同声明】 

 田中角栄の大きな業績の一つが、中国との国交を回復したことです。1972年、田中首相は、中国の北京を訪問し、周恩来首相との間で「日中共同声明」を調印しました。日中共同声明の内容は、戦争で中国に与えた損害を反省することと、中華人民共和国を中国唯一の合法政府「一つの中国」として承認することです。日中共同声明によって、台湾との国交が断絶され、中国との国交が正常化されました。その友好の証として送られたのが「カンカン、ランラン」という二頭のパンダです。さらに1978年には、日本と中国との平和友好関係を強固にするために「日中平和友好条約」が結ばれました。

 【オイルショック】 

 197379年には、オイルショックと呼ばれる世界的に大きな出来事が起きました。オイルショックとは「第四次中東戦争」の影響で、原油価格が高騰したことで起こった戦後最大の不況のことです。世界経済は、インフレとなり、大混乱に陥りました。特に深刻な影響を受けた国はイギリスです。それに対して、日本は、このインフレからいち早く脱却しました。その理由の一つが、日本は、もともと経営者と労働者の労使一体意識が強く、相互に協力関係にあったからです。また、省エネなどの工夫改善もあったため、うまく乗り切りることが出来ました。

 【風潮】 

 70年代と言えば、ベビーブームの時期です。この時期に生まれ人は、団塊世代の子供だったので、団塊ジュニア世代と呼ばれました。団塊とは、第一次ベビーブーム世代の人たちのことです。70年代後半には、安定成長期に入り、人々に中流意識が芽生えました。その時代を生きた人々を「シラケ世代」と言います。シラケ世代と呼ばれるのは、政治的な問題には無関心となり、シラけた態度をとっていたからです。その代わり、個人的な消費による自己実現を目指す風潮が高まりました。個人主義の影響で、受験戦争が激化したのも、この時期です。また、管理教育の締め付けにより「いじめ」「不登校」「校内暴力」などの問題が深刻化しました。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿