25no12 blog-美容医療の話題とネイチャーフォト

美容医療や医学一般の話題、野良猫や野鳥の写真など、とりとめもなく綴ります

朝の光は青い-メラノプシンの働き

2009年02月01日 | 美容医療

写真をやっていると気づくのですが、朝、太陽の光が地表に届く前の世界は「青い」です。
青い光は波長が短く「曲がりやすい」ため、他の色の光が地表に届かないときでも青い光だけが地表に届くからです。
人間の眼は「色味」を自動調整するので気付きにくいですが、ポジフィルで写真を撮ったり、デジカメでもホワイトバランスを太陽光にして写真を撮ればよく分かります。

さて、人間の眼の網膜には、桿体細胞と錐体細胞と2種類の光受容細胞があって、われわれはこの2種類の細胞で「世界を見ている」わけですが、実は第3の光受容細胞の存在が知られています。
比較的最近の研究で明らかになってきたのですが、網膜の神経節細胞の一部が『メラノプシン』という色素タンパクを発現しており、これが光を受容します。しかし、ここで受容した光はわれわれの視覚には役に立っていません。

では、メラノプシンは一体何をしているのか。
『体内時計』(もしくは『概日リズム』『生物時計』)ということばは聞いたことがあると思いますが、メラノプシンは外の光を感知して、この情報を元に体内時計をコントロールする役割をしています。
(この他、瞳孔の大きさの調節など、ほかの役割もあります)
地表では昼と夜とで明暗のサイクルがあるわけですが、体内時計を明暗サイクルに合わせる役割をするのがメラノプシンというわけです。

メラノプシンは「青い光」に最も反応する(吸収波長のピークがある)色素なので、「朝の光が青い」ことはメラノプシンに好都合で、夜明けとともにメラノプシンが青い光を感知して、体内時計に「朝がきた」ことを知らせることができます。
そういうわけで、「朝の青い光を浴びる」ことが体内時計を調子よく保つために役立ちそうです。

私は朝が苦手で少しでもぱっちりと目が覚めてほしいので、朝の光が入ってくるよう、東(もしくは南東)に窓がある部屋に寝室をおくようにしています。
ま、ほんの気休めですけどね。
(睡眠覚醒のリズムにはほかの要素もいっぱいあるので)

「美容と健康」には「規則正しい生活」は大事な柱の一つですし、夜間は光(とくに短い波長の光)を避けて、明暗のメリハリをつけるようにするのがよいでしょう。
ちなみに、夜間に光を浴びすぎることが乳癌の発症リスクを高める因子になっているという研究もあります(参考文献:Cancer causes control (2006) 17:515.)。これもメラノプシンを介した体内時計の関与(メラトニン)が示唆されています。

結論:夜間は電気を消して、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。



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夜明け前、常念岳の麓の町は青く、静寂につつまれています。↓↓


常念岳・夜明け前

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