栄養のバランスが取れた食事は、私たちが健康で長生きする秘訣の一つであると、昔から多くの人が信じてきました。
現代人の食事は、カロリーは十分なものの、ビタミンやミネラルが不足気味。
サプリメントは本来、これを補うためのものですが、更なる長寿健康への効果をサプリメントに期待している人も多いと思います。
この原稿を読んでいるあなたは、平均的な日本人よりも、きっと健康に対する関心が高く、サプリメントに対する関心も高いはず。
実際に摂取している人も多いでしょう。
では、実際にサプリメントを摂取している人で、その人が普段の食事でどのくらいの栄養が摂れていて、どの成分が不足していて、どういったサプリメントをどのくらい摂取すれば、その人にとって一番いいのか、知っている人はどのくらいいるでしょうか?
たぶん、いないと思います。
国民栄養調査の結果は知っていたとしても、それはあくまで平均値。参考にはなりますが、自分自身にどのくらい当てはまるのかは全く分りません。
その上、どういう成分をどのくらいの量とると、どのくらいの効果があるのか、これまた判然としないのです。
では、サプリメントを摂取している人たちの健康状態は実際のところどうなっているのか?
驚くべき研究データが、先日、米国医学会の雑誌で発表されました。
Dietary Supplements and Mortality Rate in Older Women: The Iowa Women's Health Study.
Arch Intern Med. 2011 Oct 10;171(18):1625-33.
女性のみ、平均61.6歳(1986年時点)、38,772人のデータです。規模が大きいので信頼性はかなり高いと言えるでしょう。
この女性たちの2008年末までの生存/死亡を指標に、サプリメント摂取(自己申告)の効果を評価しています。
これによると、、マルチビタミン(1.06)、ビタミンB6(1.10)、葉酸(1.15)、鉄(1.10)、マグネシウム(1.08)、亜鉛(1.08)、銅(1.45)、以上のサプリメントを摂取している人たちで、死亡率が上昇しているのです(()内はハザード比)。
ハザード比が1.06~1.45というのはどのくらいの数値なのか。
ある研究で、喫煙者の総死亡リスクが喫煙開始年齢17歳以下で2.93、26歳以上で2.40、喫煙関連癌による死亡のリスクは7.25(いずれもハザード比)となっています。
なので、喫煙するよりはよほど安全と言っていいのですが、、美味しく楽しむ嗜好品でもなく、わざわざお金を払って摂取しているサプリメントで、かえって死亡リスクが上昇してしまうのでは、割に合わないとしか言えないでしょう。
ただし、すべてのサプリメントが危険というわけでもありません。
カルシウムではハザード比が0.91で、逆に死亡率が減少しています。
また、葉酸に関しては、同じ月のJAMAに、妊娠中の葉酸摂取が生まれてくる子供の言語発達障害のリスクを下げる(つまり摂取を推奨する)という報告がされています。
上の葉酸の例のように、摂取が望ましい場合もあるわけですから、男性だとどうなのか、若い人だとどうなのか、また摂取量が少ない場合、多い場合でどのくらい違うのかなど、今後の研究が待ち望まれます。
現時点で言えそうなことは、サプリメントを盲信するべからず、ほどほどにしておくように気をつけるくらいでしょうか。
何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ってことですね。
現代人の食事は、カロリーは十分なものの、ビタミンやミネラルが不足気味。
サプリメントは本来、これを補うためのものですが、更なる長寿健康への効果をサプリメントに期待している人も多いと思います。
この原稿を読んでいるあなたは、平均的な日本人よりも、きっと健康に対する関心が高く、サプリメントに対する関心も高いはず。
実際に摂取している人も多いでしょう。
では、実際にサプリメントを摂取している人で、その人が普段の食事でどのくらいの栄養が摂れていて、どの成分が不足していて、どういったサプリメントをどのくらい摂取すれば、その人にとって一番いいのか、知っている人はどのくらいいるでしょうか?
たぶん、いないと思います。
国民栄養調査の結果は知っていたとしても、それはあくまで平均値。参考にはなりますが、自分自身にどのくらい当てはまるのかは全く分りません。
その上、どういう成分をどのくらいの量とると、どのくらいの効果があるのか、これまた判然としないのです。
では、サプリメントを摂取している人たちの健康状態は実際のところどうなっているのか?
驚くべき研究データが、先日、米国医学会の雑誌で発表されました。
Dietary Supplements and Mortality Rate in Older Women: The Iowa Women's Health Study.
Arch Intern Med. 2011 Oct 10;171(18):1625-33.
女性のみ、平均61.6歳(1986年時点)、38,772人のデータです。規模が大きいので信頼性はかなり高いと言えるでしょう。
この女性たちの2008年末までの生存/死亡を指標に、サプリメント摂取(自己申告)の効果を評価しています。
これによると、、マルチビタミン(1.06)、ビタミンB6(1.10)、葉酸(1.15)、鉄(1.10)、マグネシウム(1.08)、亜鉛(1.08)、銅(1.45)、以上のサプリメントを摂取している人たちで、死亡率が上昇しているのです(()内はハザード比)。
ハザード比が1.06~1.45というのはどのくらいの数値なのか。
ある研究で、喫煙者の総死亡リスクが喫煙開始年齢17歳以下で2.93、26歳以上で2.40、喫煙関連癌による死亡のリスクは7.25(いずれもハザード比)となっています。
なので、喫煙するよりはよほど安全と言っていいのですが、、美味しく楽しむ嗜好品でもなく、わざわざお金を払って摂取しているサプリメントで、かえって死亡リスクが上昇してしまうのでは、割に合わないとしか言えないでしょう。
ただし、すべてのサプリメントが危険というわけでもありません。
カルシウムではハザード比が0.91で、逆に死亡率が減少しています。
また、葉酸に関しては、同じ月のJAMAに、妊娠中の葉酸摂取が生まれてくる子供の言語発達障害のリスクを下げる(つまり摂取を推奨する)という報告がされています。
上の葉酸の例のように、摂取が望ましい場合もあるわけですから、男性だとどうなのか、若い人だとどうなのか、また摂取量が少ない場合、多い場合でどのくらい違うのかなど、今後の研究が待ち望まれます。
現時点で言えそうなことは、サプリメントを盲信するべからず、ほどほどにしておくように気をつけるくらいでしょうか。
何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ってことですね。