最近流行のレーシック。
メガネもコンタクトレンズも要らなくなる、夢の手術ですよね。
最近は機械の進歩で医師の技術のハードルがとても低くなっているようで、大手の美容外科でもレーシック専門クリニックを開設しているところも増えてきてます。
(別に美容外科系レーシッククリニックの医師の技術がどうこうというわけではありません。きちんと眼科専門医を募集して雇っているようです)
さて、そのレーシックで術後合併症多発のニュースです。
『銀座眼科』で、レーシック手術後の感染症が多発していたそうです。
昨年9月から今年1月まででレーシック手術を受けた639人のうち、67人で感染性角膜炎などの感染症を発症したとのこと。
同クリニックは保健所から診療禁止にされたそうです。
術後感染症なんて、もともと感染症で手術(感染巣を切断・摘出など)するとか、免疫不全などのハイリスク患者でも無い限り、めったに起きないもので、10%以上の症例で術後感染症が発症するのはいかにも多いです。
参考までに、私が勤める診療科では、昨年の手術症例が(日帰りの小さいのを含めて)900件程度ですが、ハイリスク患者を除けば術後感染症なんて一例も経験していません。
(他の医師が経験しているかもしれないけれど、もしあれば話題になっているだろうし、いずれにせよ相当少ないはずです)
『銀座眼科』の感染症発症例では、2例が入院、うち1例は失明のリスクもあるほどの重症というから、結果も重大です。
なんでこんなことになったのか?
保健所の立ち入り検査によると、滅菌器具(オートクレーブ)の不具合があり、滅菌に必要な温度に達していなかったそうです。
オートクレーブには温度計が付いていると思いますけど、一度も見ることが無かったのかな・・・?
私が学生(大学院)のときは安全上の理由で、温度と気圧が上昇した段階で蒸気漏れなど無いか必ず確認せよと教わったので、温度計が121℃に達するのは毎回見ていましたが・・・(機械の前に張り付いていたわけではなく、ときどき確認に行く)。
他にも手袋不着用とか、消毒液を適当に薄めていたとか(ヒビテンか?)、ずさんだったようです。
だいたい、こんなにたくさん感染症例が出る前に、「最近術後感染が多いな」とか気付かないものなのでしょうか。
術後フォローしてなかったのかな・・・。
こういう医師には診てもらいたくないですね-。
ちなみに私自身はメガネが気に入っているので、レーシック手術を受ける予定はありません。
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