『朝鮮雑記 日本人が見た1894年の李氏朝鮮』本間九介著 クリストファー・W・A・スピルマン監修・解説 祥伝社
著者は1869(明治2)年に現在の福島県二本松市に生まれ、1919(大正8)年3・1独立運動の際に命を落とした人物です。
この本は、日清戦争の直前に出版され、その当時の朝鮮半島の文化や風俗について、著者が見聞したことをまとめたものです。
昔からわが国で外国のことを「から」と呼んでいたのは、釜山の近くの金海に都のあった伽羅国が由来であり、「からし」も伽羅食が語源になっているのではないかと著者は語っています。
また現在韓国の国旗となっている太極旗には、天地が混沌として定まっていない意味があり、この国では昔から混沌の図が尊ばれ、地方の役所の門には混沌の図が描かれるのが通常であったようです。
ハングルについて著者は日文に似ていると述べていますが、日文とは漢字の伝来する前に日本にあったとされる文字だそうで、そんなものがあったことを、この本で初めて知りました。
あと日本において佐々良三八郎宿とあわびの貝殻に書いて家の玄関にかけておくと、疫病除けになるという話もこの本ではじめて知りました。
そのほかにも当時の朝鮮の風俗について細かな観察を著者は行っています。
韓国の時代劇ドラマが、現実とはかなり違っているものなんだなと、この本を読んでよくわかりました。