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赤塚不二夫保存会/フジオNo.1

『ギャグ21世紀』(『にっぽん笑来ばなし』改題)

『ギャグ21世紀』(『にっぽん笑来ばなし』改題)
「2001」1983年11月21日・1号~1985年11月21日・25号

連載回数/掲載誌/サブタイトル/単行本
1/「2001」1983年11月21日・1号/カレーなる一族(もしも……食糧危機がきたら!!)/①②
2/12月21日・2号/親たちに寿命はない(もしも……平均寿命が200歳になったら!!)/①②
3/1984年1月21日・3号/病気よ、さらば(もしも……日本に病気がなくなったら!!)/①②
4/2月21日・4号/シューズにおまかせ(もしも……しゃべるクツができたら!!)/①②
5/3月21日・5号/超能力者と結婚する方法(もしも……超能力者が結婚したら!!)/①②
6/4月21日・6号/市民ホケーン(もしも……こんな保険ができたら!!)/①②
7/5月21日・7号/欲望という名の国鉄(もしも……こんな国鉄になったら!!)/①②
8/6月21日・8号/愛と哀しみのロボ(もしも……こんな腕ロボットができたら!!)/①②
9/7月21日・9号/ロシアより領士をかけて(もしも……こんなオリンピックになったら!!)/①②
10/8月21日・10号/大巨人軍の陰謀(もしも……巨人がこれ以上負け続けたら!!)/①②
11/9月21日・11号/血の影武者(もしも……血の好きなヤクザがいたら!!)/①②
12/10月21日・12号/子親のガンマン(もしも……日本人に挙銃所持が許可されたら!!)/①②
13/11月21日・13号/ワリカン文書(もしも……ワリカン法”ができたら!!)/①②
14/12月21日・14号/浮気発見薬グレムリン~珍種誕生~(もしも……浮気発見ができたら!!)/①②
15/1985年1月21日・15号/機械じかけのオレの字(もしも……”国民総ワープロ”になったら!!)/①②
16/2月21日・16号/ザ・デイ・あたふた〜!(もしも……こんな"爆弾”ができたら!!)/①②
17/3月21日・17号/ブリキの太鼓持ち(もしも……“ブリキ”を馬鹿にしたら!!)/①②
18/4月21日・18号/ネバーエンディングストーリー・イン・ヤクザ/①②
19/5月21日・19号/ポリスバカデミー〜全員逮捕だ!~(いまなぜ MP なのか!!)/①②
20/6月21日・20号/クジラが出てきた日!!/①②
21/7月21日・21号/2001年 ヒラリーマンの乱/①②
22/8月21日・22号/誰がためにカモは増える(こんな雑誌が出るカモね)/①②
23/9月21日・23号/バイオテクノロジー クジラシックパーク(バイオテクノロジー・ロマン 目くじらたてるな!)/①②
24/10月21日・24号/星の精子さま あるいは「見上げてごらん 空の星を」/①②
25/11月21日・25号/2010/未収録
※カッコ内には、初出掲載時の原題を記載した。

・解説
1971年より女性誌「微笑」を発行していた祥伝社は、1983年にその男性版を狙った月刊誌「2001」を創刊した。表紙には「明日が見える男の雑誌」とのキャッチフレーズが躍ったが、新世紀を迎えられず、25か月・25号であえなく廃刊となってしまった。

そんな「2001」の時事漫画枠を担当したのが赤塚不二夫だ。彼が時事漫画家としての実力・評価を確立した『ギャグゲリラ』(「週刊文春」1972年~1982年)以降、同様の原稿依頼が「オール読物」「週刊宝石」「小説新潮」などの総合誌から殺到していた。ホームグラウンド「週刊少年サンデー」での連載が途絶え、少年漫画の第一線を退いた70年代末~80年代半ばの赤塚の主なワークは、事件や流行を即興で笑いに転換する「時事漫画」と、鋭いギャグより温かいユーモアの求められる「児童漫画」への原点回帰が2大路線だった。この双方が丁重に「誰もが知るギャグ漫画のベテラン」という評価を共有していたことは言うまでもない。

本作『にっぽん笑来ばなし』は、不良少年対策に親へピストルが支給されたり、長寿化に絶望した中年が自殺するなど、時代精神を発端に一歩先の社会を占うというコンセプトが取られた。赤塚の歴代キャラクターを多用するセンスは斎藤あきらの手によるものだろう。また、しいやみつのりによる作画が目立つ回も幾つかある。

連載終了から15年が経過した2000年、突如として連載誌と同じ祥伝社より単行本化が成される。当時ごま書房から刊行されていた『レッツラゴン』『ギャグゲリラ』と同じ判型(A5判)となっており、出版社が二匹目のどじょうを狙って掘り出して来たのだろう。帯の惹句は「単行本未収録マンガ一挙掲載 わしも忘れていた15年前の傑作なのだ 新世紀を言い当てた24の予言」。赤塚は作品の存在をすっかり忘れていたようだが、新編集と数々の解説記事で鋭い目線と先駆性あるアイデアを称えている。

単行本の見所は以下の通り。タイトルを『ギャグ21世紀』へ変更。「社会環境編」「未来技術編」「治安犯罪編」「SF超能力編」とカテゴライズし収録順を入れ替える。映画をモチーフとした新しいサブタイトルへ変更。欄外に元ネタ解説。赤塚がギャグを詳らかにする編集者との対話コラム。連載当時を振り返るコラム、渡邉定夫東大名誉教授と都市工学について語らう対談。タケカワユキヒデの解説など。

なお、中途半端に1話だけ未収録となった最終回は、社会の崩壊後も仕事を続ける「2001」編集部を描いた内輪ネタだった。

・単行本
①祥伝社・『ギャグ21世紀』・2000年12月20日発行
②小学館・オンデマンド版赤塚不二夫漫画大全集・『ギャグ21世紀』・2005年9月30日発行

・関連ページ
現実的根拠を磐石に据えたペシミスティックな未来像 『にっぽん笑来ばなし』(名和広さんによる『ギャグ21世紀』評)
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