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赤塚不二夫保存会/フジオNo.1

『おじさんはパースーマン』

『おじさんはパースーマン』
「小学五年生」1979年4月号~1981年3月号

回数/掲載誌/サブタイトル/単行本
1/「小学五年生」1979年4月号/UFOはいるか!?の巻/①③
2/5月号/だれかがぼくをよんでいるの巻/①③
3/6月号/ジメジメ キノコ男がこんにちはの巻/①③⑤
4/7月号/パパの昆虫採集の巻/①③
5/8月号/竜之進のガールフレンドの巻/①③
6/9月号/人のやらないつりをやれの巻/①③
7/10月号/恐怖のババッチー人間の巻/①③
8/11月号/パパのにちょう大工の巻/①③
9/12月号/落としもの大作戦の巻/①③
10/1980年1月号/人間ストーブの巻/①③
11/2月号/大雪の日のプレイボールの巻/①③
12/3月号/ローラースケートはこりごりの巻/①③
13/4月号/目だとう精神で目だとうの巻/①③
14/5月号/ハナコをハナオにするの巻/①③
15/6月号/ヨーヨーでヨーヨッと!の巻/①③
16/7月号/宇宙料理戦艦ヤマトの卷/①③
17/8月号/自家用プールにご招待の巻/②④
18/9月号/幼な友だちはお化けずきの巻/②④
19/10月号/ちょっとずれたマサおじさんの巻/②④
20/11月号/カレハッパーで忍術騒動の巻/②④
21/12月号/ぶらさがり健康法の達人の巻/②④
22/1981年1月号/お年玉はこわ〜い!!の巻/②④
23/2月号/おへやの中のスケートリンクの巻/②④
24/3月号/荷づくりできたらお引っこしの巻/②④

・解説
『おじさんはパースーマン』は、1979年度と1980年度の「小学五年生」に連載された作品である。この頃の小学館の学年誌では、幼年読者からの支持を得てロングランとなった『まめたん』の連載が始まったり、赤塚漫画の旧作掲載が人気を集めたことで新作読み切り『ハナハダ君』が掲載されるなど、読者と編集部の双方から赤塚不二夫への熱烈なラブコールが巻き起っていた。二年度にわたって連載が継続されたことを見ても、なかなかの好評を得たようだ。

本作が発表された1979年~1981年は、赤塚が誌面を転々としながら描き継いだ代表作『天才バカボン』が一時中断した時期にあたり、名和広氏は『パースーマン』を『バカボン』のセルフパロディーであると評している。パースーマンとバカボンのパパは共通して秩序をわがままに乱すが、それは常に自分を受け入れてくれる家族(妻と息子)の庇護下で発揮されるのだ。コスチュームにおいても、バカボンのパパのトレードマークである鉢巻きと腹巻きが表す逸脱者ぶりを、より大袈裟にしたものが、パースーマンの風呂敷を首元に巻いたマントとイニシャル「P」が印刷されたシャツだとみていいだろう。

テレビアニメ『天才バカボン』のファースト・シーズンにおいて、番組スポンサーの意向により、勤労意識にとらわれないバカボンのパパに社会性を持たせようと“植木屋”という職業が与えられた。ならば、その社会性なるものに背を向けた存在こそが、向かうところ敵なしの超人を気取りながらも、その能力を公共に還元しようとせず、隣人や友人を冷やかしてばかりいるパースーマンなのではないだろうか?この「パースーマン」という気の抜けたような響きだけ取っても、赤塚らしいナンセンス精神が強く感じられる。

そんなパースーマンの息子として登場するのは、赤塚スターシステムで本官さんに次ぐ登場頻度を誇る竜之進だ。常に鼻水を垂らしつつも、児童読者と同じ目線でパースーマンの奇行を楽しんだり、してやられたり、つっこんだりの役目をこなしている。おおらかでのんびりとしたバカボンの目線も性格に確と内包されているようだ。

連載中は幾度も旧作『天才バカボン』とのダブル掲載があった。同時期連載に藤子・F・不二雄『ドラえもん』、藤原栄子『とびだせ!姫子』村田ヒロシ『もとすけくん』(以上、1979年度)、藤子不二雄Ⓐ『怪物くん』、室山まゆみ『ハッピー・タンポポ』、すがやみつる『発明たんていヒント』(以上、1980年度)など。

1982年に双葉社の100てんランドコミックスより単行本化され、二分冊で全話が収録。第2巻には「どっかんⅤ」に連載の『ちびママ』全6話が併録された。

・単行本
①双葉社・100てんランドコミックス・『おじさんはパースーマン』第1巻・1982年2月14日発行
②双葉社・100てんランドコミックス・『おじさんはパースーマン』第2巻・1982年2月14日発行
③小学館・オンデマンド版赤塚不二夫漫画大全集・『おじさんはパースーマン』第1巻・2005年9月30日発行
④小学館・オンデマンド版赤塚不二夫漫画大全集・『おじさんはパースーマン』第2巻・2005年9月30日発行
⑤筑摩書房・ちくま文庫・『赤塚不二夫のだめマンガ』・2019年9月10日発行

・関連ページ
『天才バカボン』のセルフパロディー超脱力型ナンセンス 『おじさんはパースーマン』(名和広さんによる『おじさんはパースーマン』評)
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