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ピロリ菌
除菌訴え 東アジア型、高い悪性度 ノーベル医学生理学賞・マーシャル博士
毎日新聞2016年4月13日 東京朝刊
マーシャル博士
胃がんの原因となるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)を発見した功績で2005年のノーベル医学生理学賞を受賞した豪州のバリー・マーシャル博士(64)が3月に来日し、毎日新聞のインタビューに応じた。世界の状況について、「日本を含む欧米諸国ではピロリ菌感染は減り続けているが、世界全体では人口の半数が感染している」と、対策の必要性を訴えた。
マーシャル博士は日本については、「衛生状態の向上と知識の普及、さらに同居する家族の人数が減る核家族化が進み、感染の機会が減ったことから、ピロリ菌は消えつつある。子どもの保菌者は1〜2%だ」と分析。一方、「40歳以上は保菌者が多く、自然に消滅するのを待つわけにはいかない」と話した。
ピロリ菌に慢性的に感染すると炎症が起きて胃の粘膜が萎縮し、萎縮性胃炎などを起こす。これらによって胃がんの危険性が上がるとされる。
国内ではピロリ菌検診を実施する自治体や企業がある一方、ピロリ菌とがん死亡率減少のデータが十分ではないとして国が推奨する検診に入っていない。
マーシャル博士は「日本や韓国などに多い東アジア型のピロリ菌は悪性度が高い。喫煙者が禁煙するとがんの危険性が下がるように、中高年の保菌者が除菌治療をすれば胃がんの危険性が下がるだろう」と、除菌治療の意味を説明した。一方、ピロリ菌の保菌者はアレルギーやぜんそくになりにくいとの研究結果が出ていることから、「無害化したピロリ菌を摂取して体内の免疫のバランスを整える製品の開発を進めたい」と語った。【須田桃子】
ピロリ菌
除菌訴え 東アジア型、高い悪性度 ノーベル医学生理学賞・マーシャル博士
毎日新聞2016年4月13日 東京朝刊
マーシャル博士
胃がんの原因となるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)を発見した功績で2005年のノーベル医学生理学賞を受賞した豪州のバリー・マーシャル博士(64)が3月に来日し、毎日新聞のインタビューに応じた。世界の状況について、「日本を含む欧米諸国ではピロリ菌感染は減り続けているが、世界全体では人口の半数が感染している」と、対策の必要性を訴えた。
マーシャル博士は日本については、「衛生状態の向上と知識の普及、さらに同居する家族の人数が減る核家族化が進み、感染の機会が減ったことから、ピロリ菌は消えつつある。子どもの保菌者は1〜2%だ」と分析。一方、「40歳以上は保菌者が多く、自然に消滅するのを待つわけにはいかない」と話した。
ピロリ菌に慢性的に感染すると炎症が起きて胃の粘膜が萎縮し、萎縮性胃炎などを起こす。これらによって胃がんの危険性が上がるとされる。
国内ではピロリ菌検診を実施する自治体や企業がある一方、ピロリ菌とがん死亡率減少のデータが十分ではないとして国が推奨する検診に入っていない。
マーシャル博士は「日本や韓国などに多い東アジア型のピロリ菌は悪性度が高い。喫煙者が禁煙するとがんの危険性が下がるように、中高年の保菌者が除菌治療をすれば胃がんの危険性が下がるだろう」と、除菌治療の意味を説明した。一方、ピロリ菌の保菌者はアレルギーやぜんそくになりにくいとの研究結果が出ていることから、「無害化したピロリ菌を摂取して体内の免疫のバランスを整える製品の開発を進めたい」と語った。【須田桃子】