江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「思い込み」の効用

2024-02-13 | 随想
「ビュリダンのロバ」というお話があります。

等しい量の「エサ」が2ヶ所にあって、そのちょうど中間にロバがいると、ロバはどちらの「えさ」も選びとることができないで飢え死にしてしまう!」という話です。
ちなみに、ビュリダンとは人の名前で、自然科学ができ始める前の時代(中世)の人です。

この話は、一方を選びとることができない状況を表す話として有名で、アインシュタインの「自伝的ノート」でも登場します。


ところで近頃は「エビデンス」という言葉がよく使われていますよね。
エビデンス(証拠と言え!)にもとづいた判断を下すことはもちろん大切ですが、それだけでうまくいくのか?というと、問題があります。

はじめて出会った場面では、たいてい誰でも「ビュリダンのロバ」の状況です。
(「えさ」があるのに飢え死にしてもいいのかい?)


そんなときには、自分の判断に「賭ける」しかありません。
根拠なしの「思い込み」です!エビデンスを求めて右往左往する人たちを横目に、はじめての状況を「思い込み」で飛び越えていってください。

大いに期待しています。



<物理科講師 M.I>


※このエッセイは某大学受験学習塾の講師を務める若き友人が、塾生とその保護者に向けて発行されている小冊子に寄せた一文です。
 関係者の許可を得て、三回にわたって連載します。(管理人)

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