コヨイノサンブン

日記のような、私信のようなもの。あるいは、記憶の記録。

蟹と吹きガラス、晴天の北陸。

2004-12-13 23:26:33 | diary

湾の上をぐるりと旋回しながら、
わたしたちを乗せた機体はぐんぐん上昇してく。
忘れていたけど、どんなに厚い雲も、つっきってしまえばいつも晴天なんだよね。

朝一番のJALに乗って、
福井~金沢へ1泊で行って来ました。
強い陽射しが照り返す穏やかな表情の雲海が
どこまでも続きそうな光景。
知らず寝入ってしまって、
気が付いたら着陸してました。

降りると、北陸の冬にしては珍しく晴天。
わたし、晴れ女なんです。
出張時の晴天率およそ8割5分。というは適当な数字ですが、ほとんど晴れます。
写真が綺麗に撮れるのでありがたいことです。

福井の取材を早々に終えて、美味しい創作蕎麦をいただいて、
特急で金沢入り。
ホテルへチェックインした後また少し眠って、
浅野川沿いのお茶屋街の中の鍋料理屋さんで夕食でした。

河豚に鱈、かわはぎ。
白菜に大根。春菊に銀杏、白滝、竹の子。
仕上げは黍餅、そして雑炊!

旬の越前蟹は食べられなくて残念だったけど、
とってもおいしかった。
着物の上に白い割烹着を着て、小綺麗にお化粧を施したおばさんたち
(というには失礼なほど皆上品)がテーブルに付いて鍋の世話を焼いてくれる。
明治の創業は芸妓さんによるのだという話を聞いてなるほどと思いました。

川を挟んで向かいにあるもう一つの茶屋街、東の茶屋をそぞろ歩こうかという案も出ましたが、さすがに一同疲れが出たのか断念。代わりに鍋屋の2軒隣にある茶屋を改装したバーに入りました。
そこの2階はギャラリーになっていて、
ちょうどその日は地元作家のガラスの器展をしていました。
購入したのは写真の2点。
丁寧に作品の説明をしてくれた青年の手になる吹きガラスのコップ。
旅先での買い物は気分が良いです。

翌日、金沢郊外でもう一件の取材を澄ませ、帰京しました。
仕事にしては楽しい旅でした。
これで最後と思うと少し感慨深かったな。旅中、同行したカメラマンが何度もわたしの退職を惜しむ言葉をかけてくれて、言葉に詰まりました。

帰りの飛行機の中で彼から「お別れのプレゼント」と包みを渡されました。
あけてみると、越前蟹の被り物をしたドラえもんのキーホルダー(笑)
わたしと年令が倍も違うのに、こういうセンスをしているこのカメラマンさん、大好きでした。

なんだか旅日記になってしまいました。体はくたくただけど、
少し気持ちがほっこりしたこの二日間。
なんて余韻に浸る間もなく、締め切りは目の前。
明日からまた原稿との戦いが始まります。