ONE OF A KIND

唯一無二

心中宵庚申 (しんじゅうよいごうしん)

2018-03-05 08:00:00 | 文楽 Bunraku

2月26日 国立劇場 文楽 第一部 近松門左衛門最後の世話物『心中宵庚申』

この日は千穐楽で、第二部では「豊竹咲甫太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露口上」もあり、いつもよりロビーが華やぎ目出たい雰囲気。あぜくら会の会員特典で、最前列ど真ん中の一席を押さえることが出来、高鳴る胸を抑えつつ幕が上がるのを待った。

八百屋半兵衛 : 吉田玉男
女房お千代 : 桐竹勘十郎

人形遣い、太夫 、三味線 、全ての息がぴったり合い、野球で言えば、一軍スター勢揃いといったところ。
いつもは、双眼鏡で細かな動きをチェックするが、この席からは肉眼で十分楽しめる。
お千代の肩の震え、伏し目がちな目元、指先の動き、八百屋半兵衛の表情 キメ 間。

近松門左衛門の作品は、全て、 "愛" がテーマ。
「道行思ひの短夜」一蓮托生を願い、命を絶つ最後のシーンの美しさは忘れられない。
二人で何処か遠くへ逃げ果せ、現世で幸せに暮らせぬものか...。
同じ演目を扱っても、歌舞伎(人間)では表現し得ぬ "品の良さ"と"古典藝能の技の極み"が、文楽(人形)にはある。


<あらすじ>
八百屋半兵衛(はんべえ)と女房のお千代(ちよ)という夫婦が心中した事件を題材にした世話物です。近松門左衛門は封建社会における家族制度が事件の遠因とし、現代の家族関係にも通じる内容に書き上げています。「上田村」は若き日の八代目竹本綱太夫により伝承されました。
八百屋半兵衛は女房お千代の実家で、お千代が半兵衛の留守中に姑去りにあったことを知ります。病床の舅・平右衛門(へいえもん)や姉のおかるの訴えに、半兵衛は死んでも別れないと誓い、お千代を連れ帰ります。養母はお千代が気に入らず、半兵衛にお千代と別れるように迫ります。孝心厚い半兵衛はやむなくお千代を人前で離縁してしまうのでした。深夜、夫婦は揃って家を去り、半兵衛は大仏の勧進所で、身重のお千代を刀で貫き、同じ刀で腹を切るのでした。(国立劇場文楽サイトより)


心中宵庚申ビデオ
吉田玉男インタビュー



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