ONE OF A KIND

唯一無二

くずきり 京都 鍵善良房(かぎぜんよしふさ)

2018-01-29 08:00:00 | 食 Cuisine


享保年間(1716-1736)創業
「何か新しい甘味を作ってくれへんか」と祇園の旦那衆に頼まれ、昭和の初めに誕生したのが、名物のくずきりです。他のお菓子同様配達だけでしたが、この味が評判になり「ちょっと食べさせて」とお店の横で供されるようになり、戦後、喫茶室をつくりました。配達しやすいようにと考えられた容器は、配達の習慣がなくなった現在も当時のままです。十二代主人は木工芸の人間国宝・黒田辰秋と懇意にしていて、黒田に制作を依頼した豪華な螺鈿のくずきり用器も使っていました。
くずきりは吉野本葛粉と水だけで作ります。黒蜜は沖縄の波照間産の黒糖を原料にしています。もちっとコシのあるくずきりがコクのある黒蜜に絡み、つるつると入ってきます。後口のさっぱりした蜜は飲み干す人も多いとか。「宿酔(二日酔い)の朝に良い」と言ったのは作家の水上勉。他にも多くの文人墨客に愛されてきました。くずきりは手打ち蕎麦同様すぐに食べないと白くなりコシもなくなります。お店では注文が入ってから葛粉と水を合わせて作りますが、出来立ては透明でまさに清流のよう。目にも口にも涼やかです。
(14代目ご主人 今西善也さん)

小さい頃から、京都での三時のおやつは鍵善のくずきりが定番となっている。菊の花を型どった創業当時からの名物「菊寿糖」という落雁(らくがん)も美味。阿波(徳島)特産の和三盆糖の甘みは繊細で、口どけなめらか 後口がすっきり。軽くて日持ちがするので、日本茶とセットにして、海外の友人への手土産に添えることが多い。

くずきり 京都 鍵善良房


フロランタン 小川軒

2018-01-15 08:00:00 | 食 Cuisine


フロランタンを求めて、工房のある小川軒目黒店へ。数種類の花の蜂蜜、アーモンド、クルミを混ぜたキャラメルをサブレ生地にのせて、両サイドは、クーベルチュールチョコレートでコーティング。

明治38年(1905年)に初代小川鉄五郎が、新橋(汐留)に洋食屋「小川軒」を創業。昭和中期には、二代目小川順と斌が、レイズン・ウイッチの原型を完成させ、洋菓子店巴裡小川軒が創業。定番焼菓子のほか、ケーキも美味。一口食べれば、その圧倒的な素材の良さに気づくだろう。中でも秋限定 和栗のモンブランは秀逸。奇をてらわず、真っ向勝負のミニマリズム的洋菓子である。「材料8割、腕2割」 ー 如何に良い腕を持っていても、 
食べ物の良し悪しの8割は材料の
良し悪しで決まるため、
食材の選定は極めて重要である。(先代小川順)

巴裡 小川軒