魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

「アマテラス」は女性神か?男性神か?『古事記』を通じて考える。①

2017年07月04日 | 民俗学探究
恐れ多くも「アマテラス」と神名を書きましたが言うまでもなく、
この神は皇祖神といわれ伊勢神宮の主祭神でもあり、太陽神的性質を持ち、
一般的に「アマテラス」は女性神とされています。

しかしながら「アマテラス」の実体は男性神であるとする資料や情報が
散見していますので『古事記』において「アマテラス」は女性神であるか、
男性神あるかを検証した上で、男性神とされる資料や情報について
検証して行きたいと思います。


『古事記』において、「アマテラス」は、「天照大御神」として
漢字表記されていますが、性別を特定できる漢字表現ではないので、
性別を特定することができません。

そこで、『古事記』を読み解き天照大神が語る言葉、仕草、居場所にて、
性別を表現している文章を確認してみます。


天照大神が語る言葉として「天照大神と須佐之男尊」「須佐之男尊の昇天」にある、
【原文】
 爾天照大御神、聞驚而詔「我那勢命之上來由者、必不善心。欲奪我國耳。」

【読み下し文】
 爾に天照大御神聞き詔りたまひしく、「我が那勢の命の上り来る由は、
 必ず善き心ならじ。我が国を奪はむと欲うにこそあれ。」

にて、天照大神が語っている言葉の「那勢命(なせのみこと)」という古語は、
女性から男性に対して親しみ深い異性に対して使用する言葉
(対する言葉は「那邇妹命(なにものみこと)」)なので、この言葉を使用している
天照大御神は女性神と言えます。(ちなみに、日本書紀では吾弟と表記されています)


仕草としては、須佐之男命が高天原に天照大御神を訪ねる段にて、
天照大御神が髪を解いて美豆羅(みずら)に結うという記事があり、
これは男の髪である角髪に束ねるとの意味ですので男装をしている事なります。

男性が男装を行う事をわざわざ表現することは考えにくいので、
天照大御神は女性神であると判断できます。


居場所については、素戔嗚尊が天に天照大御神を訪ねた記述で、
天照大御神が神衣を織るため機殿にいたという記述があり、
当時機織りは女性がつかさどる仕事なので、神衣を織るため機殿に居たと言う事は、
女性であった事を表現していると判断できます。

このように古事記では、アマテラスは女性神として表現されています。



では、他の資料において、アマテラスの性別はどのように表現されているか
確認していきたいと思います。

「アマテラス」は女性神か?男性神か?『古事記』を通じて考える。②へつづく


おすすめ書籍
画像をクリックいただければAmazonへ飛びます。
ぼおるぺん古事記 (一)天の巻
こうの 史代(著)
平凡社

ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻
こうの 史代(著)
平凡社

ぼおるぺん古事記(三): 海の巻
こうの 史代(著)
平凡社


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『オメラスから歩み去る人々... | トップ | 「アマテラス」は女性神か?... »

コメントを投稿

民俗学探究」カテゴリの最新記事