魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

『臨湖亭奇譚』 倉橋由美子著②

2017年07月16日 | 読んだ本
『臨湖亭奇譚』 倉科由美子著① からの続き

「臨湖亭奇譚」に至っては、8世紀の後半から
9世紀の初め中唐の時代に現れた詩人、
白居易(はく きょい、772年~846年) 字は楽天。
号は酔吟先生・香山居士)が
かつての長安の名妓が落魄して琵琶を奏でるのを、
左遷された我が身になぞらえて歌った七言詩である「琵琶行」(816年作)との関連性がみられる。

「臨湖亭奇譚」と「琵琶行」の関連性について
考察すると、どちらの作品も「水面に浮かぶ船の
上で撥弦楽器を弾く女性が主人公に対し
酒宴を通じ影響を与えた物語を表現した作品」と
言えるのである。

この関連性は、猿真似的な「模造」ではなく、
新たな芸術作品を生み出す「創造」であり、
関連性の先にある、著者の芸術的に
創造された夢幻能的な表現について説明してゆく。

まずは、「水面に浮かぶ船の上に」についてだが、
「琵琶行」では、この船の浮かぶ場所を
「潯陽江頭夜送客」と記載されているように、
実在する潯陽江(長江)のほとりと場所の
説明をしているが、「臨湖亭奇譚」では、
瓢箪の形をした湖と形を特定し、
怪しい光が時々湖上に現れ、湖中には
古戦場であった島が有り、
その島の頂には、古いお寺が有ると説明している。


『臨湖亭奇譚』 倉橋由美子著③へ続く

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