魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「40」

2017年12月31日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「40」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号040 
作者:平兼盛
author of waka:KANEMORI TAIRA(TAIRA NO KANEMORI)

原文
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
(しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで)

現代訳
人に知られまいと恋しい思いを隠していたけれど、、とうとう隠し切れずに顔色に出てしまったことだ。何か物思いをしているのではと、人が尋ねるほどまでに。

英訳
ALAS! the blush upon my cheek,
 Conceal it as I may,
Proclaims to all that I'm in love,
 Till people smile and say—
 'Where are thy thoughts to-day?'

This verse is said to have been composed in the year 949, at the request of the Emperor Daigo. The Taira family sprang from the Emperor Kwammu, attained great influence three hundred years later, but finally fell before the power of the Minamoto clan in the year 1185 (see note to verse No. 28).

解説
 平兼盛(たいらのかねもり・生年不明~永祚2年 /?~990年)は三十六歌仙のひとりとして藤原公任が挙げている優れた歌人で、「後撰和歌集」より以降の勅撰和歌集に90首程の和歌が伝えられています。

天元二年(979年)に駿河守に任ぜられていますが、天徳四年の内裏歌合のときに詠まれた、この和歌についてのエピソードはよく知られているものです。

 天徳四年(960年)、村上天皇の頃に歌合せが行われた時、兼盛はこの和歌で壬生忠見の和歌と競い合いました。
 いずれも優劣つけがたい名歌でしたが、天皇がこの歌を小さく口ずさんだので、この平兼盛の和歌が選ばれたと伝えられています。
 相手に直接恋心を訴えるでもないのに、強い思いがよく伝わってくる、巧みな和歌に仕上がっています。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

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