魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「39」

2017年12月30日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「39」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号039 
作者:参議等
author of waka:THE PRIVY COUNCILLOR HITOSHI(SANGI HITOSHI)

原文
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
(あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき)

現代訳
浅茅の生えた寂しく忍ぶ小野の篠原ではありませんが、あなたへの思いを忍んではいますが、もう忍びきることは出来ません。どうしてこのようにあなたが恋しいのでしょうか。

英訳
TIS easier to hide the reeds
 Upon the moor that grow,
Than try to hide the ardent love
 That sets my cheeks aglow
 For somebody I know.

Little is known of this poet, except that he lived some time in the tenth century.

Note the word shinowara, meaning 'a bamboo moor', contrasted with shinohuredo in the next line, which means 'though I might manage to conceal'.

The picture shows Hitoshi on the wild moor, with the reeds growing all around him.

解説
 参議等(さんぎひとし・元慶4年~天暦5年 / 880~951年)は源等のことで、中納言・源希の次子、嵯峨天皇のひ孫にあたる人物です。
 参河、丹波、山城守などの官職を歴任した後、従四位大宰大弐から慶九年(946年)に参議、天暦五年に正四位下参議となりました。
 歌人としての詳細はよく分かっていませんが、参議等の和歌は、「後撰和歌集」に4首が伝えられています。

 この和歌は、古今集にある「あさぢふの をのの篠原 しのぶとも 人知るらやめ いうひとなしに」の和歌を真似て、参議等が思いを寄せる女性のためにつくったと言われています。
 上の句では、丈の低い茅(かや)が広がる野原を詠んでいますが、この情景を、恋心を抑えている様子と重ねているようにも感じられます。
 そして、下の句では、おさめきれない恋心を一気に詠み表していて、起伏ある歌に仕上げています。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

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