輝く日本の会
◇イシガメ保全チーム
【ニホンイシガメを絶滅から救う活動】
◎イシガメの分類
以前は和名が単に「イシガメ」とされていたが、ミナミイシガメやその亜種ヤエヤマイシガメが周知されるようになったこと・ヌマガメ科も含めてペット用に「○○イシガメ」という種が流通するようになったことから、区別のため「ニホンイシガメ」の和名が用いられるようになった。
核DNAおよびミトコンドリアDNA・短鎖散在反復配列(SINE法)による分子系統推定から、本種はイシガメ属の他種よりもクサガメやハナガメに近縁とする解析結果が得られている。そのためイシガメ属にクサガメ属Chinemysとハナガメ属Ocadiaを含める説や、本種をハナガメ属に含める説もある。
関東地方から種子島にかけての43地点238頭のミトコンドリアDNAのシトクロムb・制御領域の分子系統推定では、全部で34のハプロタイプに分かれそれらは大きく2つのグループに分かれるという解析結果が得られた。これらは一方は主に中部地方から近畿地方・四国に、もう一方は主に九州に分布し、中国地方(島根県・広島県)で隣接あるいは同所的に分布する。これらのうち主要あるいは祖先型と考えられるハプロタイプはそれぞれ近畿地方と九州で多く見られ、限られた地域でのみ隣接・同所的に分布することから最終氷河期に近畿地方・九州に取り残された個体群が氷河期の終結・温暖化に伴いそれぞれ分布を中国地方まで拡大したことが示唆されている。