中央競馬の第53回宝塚記念(G1)はオルフェーヴルが優勝。よみがえったオルフェーヴルに、池添が優しく語りかけた。「頑張ったな」「強いね」。その声は涙で震えていた。
道中は馬群の中団少し後ろにいた。最大の課題だった折り合いはついていた。最後の直線。馬場状態の良い外へ行く他馬を尻目に、池添は内側を突いた。残り600メートルは出走馬中最速の34秒7。粘るマウントシャスタを差し切り、他馬の追随も許さない。荒れた馬場も関係なく、爆発的な末脚が復活した。
3冠に輝いた昨年から一転、今年は悪夢が続いた。3月の阪神大賞典はコーナーで曲がれずに逸走し2着。4月のG1天皇賞・春は自己ワーストの11着に沈んだ。現役最強の称号に傷がつき、池添は「本当にきつくて……。初めて騎手を辞めようかと思った」と振り返る。
この日も腰やでん部、後ろ脚付近の筋肉が絶好調時より物足りなかったという。池江調教師も「状態は7分ほど。半信半疑だった」。だが、馬の絶対能力や勝負根性、池添の騎乗判断でライバルをねじ伏せた。
今秋には世界最高峰レースの一つである仏・凱旋門賞へ向かうプランもある。「この馬、怪物だなと思った。疑ってごめんなさい」と笑いを誘った池江調教師。海外挑戦に向け、まずは3冠馬の威信を取り戻した。
2着ルーラシップ 3着ショウナンマイティと意外と堅く収まりましたね。
秋はいよいよ凱旋門賞目指し 頑張れオルフェーヴル!