雄一郎の半生

こんな人生もあるのですね。ノンフィクションの半生記
全ては、書けませんが。。。

俺には、なぜ父がいない。

2020年12月04日 05時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

小学4年生になった。4年からは、

本校に行くようになる。子供の足で

歩いて30分ほどかかる。

4年になると、佐藤先生という男の

先生が担任になった。

ある、授業時、佐藤先生に指されて

返事が出来ずにただ、立っていた。

先生は、座っていいよ。と、

この時、当時の私は、「また、

この先生にもいじめられるのか?」

と思い、その後も元気がなかった。

ところが、昼食時に佐藤先生が、

余ったミルクをアルミのカップに

つぎ足してくれた。

「よく、がんばっているね。」と

私は、涙が出てしまった。

嬉しくて嬉しくて。そして、目の前が

急に明るくなった。それからは

佐藤先生が、大好きになった。

学校では、昼食後に校庭を

校内放送の掛かっている間に

走りることが、日課になっていた。

私は、誰も負けずに佐藤先生の後を

追いかけていた。

 

いじめは、と言うと、まだ、終わって

いなかった。でも、クラス替えで

その子たちとは一緒ではなかったが

ある、下校の途中に、、、、

この日は雨が降っていたが、下校時間には

止んでいて、たまたま、いじめられていた

同級生と帰りが一緒になってしまった。

その同級生は、傘を私に投げてきた。

私は思わずに、二、三歩下がったが、

間に合わずに、右の足に傘が刺さって

しまった。長靴を履いていたが、

突き通って出血していた。そこに

世話好きの同級生が、「大変だ、

保健室にみんなで運ぼう」と声をかけて

五、六人で運ばれた。その後に

佐藤先生が、車で病院に連れて行って

くれて、家の近くまで、送ってくれた。

車から家までは、背負うってくれた。

その背中の大きいこと。こんな感じは

父がいない私は経験したことがなく、

先生の肩に手をかけて、どうしていいか

分からなかったが、なんか、背中に

頬を付けていた。とても暖かい、

温もりがあり、先生が父親に

なってくれないかな。と

でも、直ぐに心の中では、

「そんな事は絶対に起きないな」と

打ち消した。ちょっと、悲しくなった。

 

次回につづく