サンチョパンサの憂鬱

サンチョパンサの食卓 (4)

「一芸に秀でる者は多芸に通ず」という諺があります。 何か一つの道に秀でる者は他の道でも秀でるようになる、という意味。 ひとつの分野で突き抜けるまで修行を積むと、極めるためのコツのようなものを体得します。

このセオリーは確かに存在するし、現実に幾多のサンプルを見ることが出来るとお断りした上で書き進めたいと思う。

前編でこの国はアマチュアばかりになってしまった?と書いた。
アマチュアが数を頼りに大きな声でムーヴメントっぽい『騒ぎを起こす』のである。それが『凄いこと』の様にあっという間に様々な媒体がそれを喧伝する……。

『火元』は一芸に秀でたる者ではなく『著名人』、『小カネ持ち』、『お笑い芸人・タレント』等などが担当するのである。

霜降り明星の粗品何某が如何ほどの者かは知らないが弱り目に祟り目?的風情の宮迫を悪しざまにこき下ろす。ネットを巡るニュースとして、『改正・政治資金規正法』の何倍もの量がネットを席巻するという現象……。

ヘズマリュウと同根の様な悪趣味の『賑やかし手法』が世間から良し悪し度外視の『イイね』を瞬時に掻き集めるという運び……。その数はイコール『カネの出来高に直結する仕組み』である。

それじゃプロフェッショナルは落胆と諦観に流され、
敗北者となるのか?
と言えばそんな事はない。
何十万、何百万という数の本質が見えるからである。
プロフェッショナルは『黙殺にこれ努める』だけである。

プロの領域に辿り着いた人間は『努力が効くか否か?』を瞬時に嗅ぎ分ける能力を身に付けている。
数の論理に対しては黙殺こそが最良策と知っている。だからこそプロはブレないのである。
彼等は『分かる奴は分かること』を知っている。

『理解者に巡り会える迄の孤独』に耐えられない人間はプロフェッショナルにはなれないのである。
そんな人間は自己不信を隠しながら精一杯強がりの演技に走るだけである。

粗品の様に……自分が何者か?を検分もせずに、『弱い相手』を虐めて騒ぐしかない。何よりカネになるしね?……。これ、目先のカネって言います。

様々のSNSを覗くと『そんなのが蠢いている』事がよく分かる。
プロフェッショナルは『初志・目標』からブレることなく前を見て歩き続ける人間なのである。

フォロワーの数はどんなのだって数だぜ?ってな論理でそれをカネに換算してはほくそ笑んでる。
多様化?なぁ~んて言葉で世の中を細分化に次ぐ細分化して小さなトンネルの中に籠もり枝葉末節の問題を針小棒大に騒いで見せている。

そんな中で際立ちたかったら粗品みたいに『エゲツナサ』を突出させるのが手っ取り早い。

株のセオリーについて米長邦雄さんが勝つコツを聞かれて『女子供が騒いで売りに走ったら買う、買いに走ったら売る』と応えたことがある。

時代が随分前のことゆえ、『女子供』という表現は今では問題となるけれど、どうか言葉狩りをしないでね?それはプロフェッショナルの対極にいる『多数派の素人達』といった文意ですのでね。

一杯数百円のうどんにも名品・名店はある。

そのうどんは刹那の金額と量ばかりをコスパと騒ぐ『食べ物の素人達』の目に触れる事はない。
『そんなのが』来たらうどんのプロフェッショナルは
気配を消して不器用で無愛想な食堂のオヤジに徹するからである。

ブレずに生きるプロフェッショナルは『どれだけの数の人間が騒ぐ』か?より『どんな質の人間に認められる』か?にだけ重きを置いて生きている。

数量と質、素人とプロフェッショナル、ものの見事に『重視する価値観』は正反対となる。

散々世の中のことどもを細切れにして過ごし来た長い時間が過ぎた。
予感として感じるのは……やっと『質を因数に』してそのゴミ籠の中みたいに散らかった世の中を因数分解して『整理する時代』が来るような気がする。

使用する因数は『品性』、『静謐な価値』、『人格』、『教養』、『職の本分』などなど……。
鹿児島県警の上層部の不祥事なぁ~んて見てると彼等は最早警察官の素人に成り下がってしまった。

職の本分、品性だけで、政界、教育界、経済界、検察などなどが凄く分かりやすくなるのである。
素人は責任を取らない。『……っぱなし』だけが得意技なのである。

余りにも……『モノゴトを見る視力』が落ちた事に気付きたいよね?
カネの大きさとか数量だけをみてたら……安心とか安寧、自己愛とか矜持、本来追求すべき生きる意味なぁ~んて『人間の質』を半永久的に手放す事になっちゃうかもよ……?

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