にゃんころりんのすっとんとん

天に星 地に花 人に猫

秋の夜長は中原中也

2006-09-13 16:02:32 | そのた

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 サーカス   中原中也

幾時代かがありまして
   茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
   冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
   今夜此処(ここ)での一と殷盛り(ひとさかり)
      今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁(はり)
   そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒(さか)さに手を垂れて
   汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆあゆよん

それの近くの白い灯が
   安値(やす)いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
   咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やがい)は真ッ闇(くら) 闇(くら)の闇(くら)
夜は劫々(こうこう)と更けまする
落下傘奴のノスタルヂアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん





先日、高校時代の友人と母校の文化祭に行ってきました。
懐かしい校舎に懐かしい制服・・・しっかし、なぜこんなにも超ミニスカートに~

それでっていうわけでもないのだけれど、偶然見つけた素敵なイラストが、
高校時代、大好きだった中原中也の詩になんだかぴったりだったので、
思わずピックアップしてみました。(^ー^* )♪

それにしても、大切にしていた「中原中也詩集」
ある人に貸したまま、返ってきませんでした・・・
あれからン十年、だって貸した人の連絡先ももうわからなくなっちゃったし、
もう永遠に返ってこないのでしょう。
それも運命、それでいいのかも。
だからこそ、今でも本のページが心にずーっと、残っているのだから。
持っていたら、今頃、あまりに黄ばんで捨ててしまっていたのかもしれないし。
(でも、多分・・・捨てないな)

中也の詩、もうひとつ。




 幻 影   中原中也

私の頭の中には、いつの頃からか、
薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、
それは、紗の服なんかを着込んで、
そして、月光を浴びてゐるのでした。

ともすると、弱々しげな手付をして、
しきりと 手真似をするのでしたが、
その意味が、つひぞ通じたためしはなく、
あわれげな 思ひをさせるばつかりでした。

手真似につれては、唇も動かしてゐるのでしたが、
古い影絵でも見てゐるやう――
音はちつともしないのですし、
何を云つてるのかは 分りませんでした。

しろじろと身に月光を浴び、
あやしくもあかるい霧の中で、
かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、
眼付ばかりはどこまでも、やさしさうなのでした。



 


すてきなイラストは「ふわふわ。り」さんより 
参考サイト 中原中也記念館




  



★おまけ★
ところで学生時代を遠くはなれると、
芸術の秋を凌駕する、食欲の秋だったりして。えへへ。
クリックすると大きくなるよ 
 抹茶白玉パフェ 
パフェといっても、「抹茶クリームあんみつ」と中身はいっしょだった
黒蜜もついてるし、中には寒天も入ってました。
入れ物が変わればパフェになるにょか



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4 コメント

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 (noba)
2006-09-14 21:09:27
こんばんは!

ふわふ。わりさんのコメントを書く時、にゃんころて目に入り、おじゃましました。猫ちゃんの話かな?っと思ったら、ステキな詩が・・・絵もステキに挿入されてていい感じですね

私もふわふわりさんの絵が大好きです。

我が家には猫が二匹います
返信する
秋です。 (のぞみ)
2006-09-14 22:16:47
こんにちは。にゃんころりんさんが中原中也が好きだったなんて初耳です。秋になり涼しくなってくると、何かセンチメンタル…。
返信する
nobaさん (にゃんころりん)
2006-09-15 12:27:21


「ふわふわ。り」さん経由で、お越しいただけたんですね!ありがとうございました!

いつもは記事に合わせたイラストを探すんですが、今回は、素敵なイラストを使いたくて、記事を書きました。

また、にゃんころりんは、普段は猫だらけなんですけど、最近、ちょっと虫づいてますね。(笑)

こちらの記事も「ふわふわ。り」さんのイラスト使ってます。

 ↓

http://blog.goo.ne.jp/1121kon/e/a122a036f9a237cabfb86d1e55e1c47d
返信する
のぞみさん (にゃんころりん)
2006-09-15 12:45:59
初耳でしたか・・・

そういえば誰にも言ってなかったにょだ!

高校時代は、私の人生のなかで1番感受性が強かったというか、敏感だったのか、中原中也と、クレーの絵と、井上陽水の「氷の世界」が、琴線にびしばし響いていました。

今は当時の感性は・・・

見る影もありませんにゃ・・  
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