黒仁庵 ポケットにバイクを忍ばせて。

五感で感じる情報を、どうしたら活字に出来るか、考えてみよう。
それが出来ると、五感が研ぎ澄まされるって不思議がわかる。

遠の朝廷(とおのみかど)博多

2017年08月21日 | バイク
南畑ダムに行った。
南畑ダムにはたまに行くが、その先、背振山まで足を延ばす。

いつの間にか天空の橋がかかっており、南畑ダムのほんのチョイ上に「五ヶ山ダム」を建設中で、建設中とは言っても ほぼ出来ていて周りの道路整備や貯水区域の「ならし」をまだやっている。

「ならし」とは何か。
ダム工事や付替道路建設に伴い、福岡県筑紫郡那珂川町大字五ヶ山字東小河内、網取、道十里、桑河内、大野(この5字を以て五ヶ山の地名の由来となっている)や佐賀県神埼郡吉野ヶ里町大字松隈字小川内、大野などに点在した集落の住民は、補償妥結の上で、下流の福岡県の那珂川町平野部や、佐賀県の佐賀平野部等に集団移転した。
この廃村となった地域を水溜めやすいように浚渫(しゅんせつ)してるのだ。

村落内には県の天然記念物の大杉があって、それも掘り起こし、移設した。

破壊の限りを税金でやっているってわけだが、ここのダム建設の目的は「福岡市の飲料水」のため。だというから、福岡市在住の僕は、何も言えない。
前にも書いたが、福岡市は僕が物心着いてから、致命的な「大渇水」を経験しているからだ。
一級河川のない福岡市は今、150万人の人口を抱えている。
万年水不足。
福岡市は発展し、企業の進出も増え、良い舞台や美術品や外人バンドまでやってきて、東京に行かないと見れない、世界の宝物も集まる。

発展してる町に「発展するな」なんて言えない。
「真の豊かさ」とは何か、と問うて見ても福岡の発展によって首をくくらなくてよい人々はたくさんいるのは確かだからだ。

これが今の福岡市。

美味しいものもたくさんあるよ。

みんなおいで福岡博多。

博多は「那珂川」という川沿いに発展してきた有史以来の都だ。
魏志倭人伝には「那国(なこく)」として日本史の最古文献に登場している。

その那珂川の源流部に二級河川にも関わらず、3つのダムを作ってしまった福岡市。

今、小川内の大杉は樹齢700も過ぎて、変な服着せられて、福岡市一高い千メートルを越す背振山の7合目から、この千年の都を静かに、見降ろし見つめている。



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2 コメント

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Unknown (カチャ)
2017-08-23 09:04:27
遠の朝廷(とおのみかど)ですか・・・
美しい響きの言葉・・・そんな言の葉が
どんどん消えていく中、人の暮らしは
消える事が無い。
ならば変化も仕方が無い。

美しい響きの言葉を使える人が居るって
だけで、良いのだと思いましたよ。
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カチャさん (黒仁庵)
2017-08-23 11:08:08
博多は古くから、大陸からの玄関口として発展してました。
歴史の経緯を当たり前に考えると、畿内の大和朝廷より先に発展を遂げてたと思います。
遠の朝廷 とは、日本書紀にも出てくる言葉で、機内が日本を統一したあとも「天皇家に準ずる」重要な都市だったのでしょう。
距離が程よく離れてるのでしょうね。
しかしカチャさんが おっしゃる通り、大和言葉の響っていいですね♬
「天皇家に準ずる大切な都市」と言うより「遠の朝廷」と言う方が僕らの心に飛び込んでくる……
ありがとうございますm(_ _)m
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