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市販品メーカーへの道3・調達ルートの開拓

2024-03-10 11:20:52 | 888私の履歴書ー仕事編-

(よみうりランドジュエルミネーションより    2023年12月19日撮影)

 

 自動車メーカーへ納入する部品メーカー(純正部品メーカー)からの調達作戦がスタートしました。

 といっても、自動車メーカーでもないのに、いきなり純正部品メーカーに電話して、「部品売ってください。」というわけにはいきません。

 そこで調べてみると、純正部品メーカーの中でも、自社ブランドで市販品の販売を行っているメーカーが数社あることが分かりました。つまり、同じようなビジネスを行っている純正部品メーカーはほかにもあったのです。
 そういった部品メーカーは、自社と同じように品揃え苦労しているはずです。そこで、部品メーカー間の会合などの横のつながりを利用して、それらのメーカーに部品販売の可否を確認してみたのです。結果、2社からOKとの回答を得ることが出来ました。

 そこからは、話はとんとん拍子で進みました。まず2社それぞれと具体的な品目と価格の調整を行います。当然、相手からも購入要望の品目が提示されますから、そこから相互購買がスタートすることになりました。
 つまり、なんと、調達が可能になっただけでなく、新たな販売ルートの確保も出来ることになったのです。
 そして、その後、2社と相互に調整するよりは、3社で同時に集まって調整する方がより効率的ということで、「三社会」が作られることになりました。

 「三社会」では月1程度の定期会合を持ち、そこで情報公開を相互に行う会合としました。具体的には、相互購買する部品グループを決め、その対象部品が新規に出た時にそれを相互に紹介することにしたのです。価格は、最終売価(市場で売られる標準価格)に対する一定の割掛けとすることとしました。これにより、新車の発売と同時期に、新規品を市販部品メーカーより早期に調達が可能になったのです。

 さらに、「三社会」では、純正部品としても設定されていない新しい部品グループ、つまりは新商品の開発も進めました。
 もちろん新たに設計して製造するというわけではありません。自動車の部品でもすべての部品が補修用として売られているわけではありません。純正では設定されていない部品の中で、補修用設定のニーズがあるものを調査して、新商品として発売したのです。この新商品も商品構成を決めて、相互の購買対象としました。

 以上、「三社会」は順調に機能しました。内製化すべき部品も設計が順調に進んで、カバレッジ拡大策も順調に進んでいき、新規部品は開発の都度、問屋を通して部品商に案内されていきました。
 そこで、カバレッジ拡大とともに、強い要望が出されたのが、「部品カタログ」でした。

 すでにカタログも出来て配布されていたのですが、品揃えが増えることで、当然、古いカタログには記載されていない部品がどんどん増えていったのです。
 「カタログが使いない!」という話が部品商からどんどん上がってきたのです。

 ということで、カバレッジの拡大策とともに進められたのが、「カタログ作成」でした。

 次回はこのカタログ作成についてお話します。今日はここまでです。

 

(「カタログ作成」につづく)



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