アメリカのジョー・バイデン次期大統領は4日、新型コロナウイルスのワクチンが国内で使えるようになっても、接種を義務化するつもりはないと述べた。
4日にはマイク・ペンス副大統領がジョージア州アトランタにある疾病対策センター(CDC)本部を訪れ、ワクチン承認は「1週間半」先になるかもしれないと述べた。
アメリカでは4日、新型ウイルスによる1日の死者が2500人以上、新規感染者が22万5000人近く確認された。
アメリカで確認された感染者の累計は1430万人、死者は27万8000人以上に達している。
CDCは同日、自宅にいるとき以外は屋内でもマスクを常時つけるよう、初めて呼びかけた。CDCは、冬になり人が屋内で過ごす時間が増えた現在、国内でのウイルス感染リスクが「高いレベル」に達したと警告している。
CDCは、新規感染の約半数は無症状の人からの感染によるものだとして、屋内でもマスクを着け、お互いの距離を保ち、屋内施設の不要不急の使用を避け、屋外でも混雑した場は避けるよう呼びかけている。
バイデン氏はワクチンについて
地元デラウェア州ウィルミントンでバイデン氏は、ワクチン接種を義務付ける代わりに、「大統領としてできる限りのことをして、国民に正しい行動をとるよう促すつもりだ」と述べた。
来年1月20日に就任する予定のバイデン氏は、感染対策のために就任式は小規模なものになると述べた。大統領就任式は通常、連邦議事堂前に大きな壇を整え、その前の国立公園の敷地や沿道に観衆が並ぶ大規模な式典が慣例となっている。
「なんらかの形で壇を使った式にはなるだろうが、実際にどうなるのかまだ分かっていない」とバイデン氏は話した。
大統領選の結果については4日夜、カリフォルニア州のアレックス・パディリャ州務長官がバイデン氏勝利の選挙結果を認定した。AP通信によると、これを受けて選挙人538人のうちバイデン氏が過半数の279人以上の票を獲得することが確実になった。11月3日の選挙結果に沿って、12月14日の選挙人団の投票でバイデン氏が正式に当選することがこれで確定したという。
米ピュー研究所の調査によると、現時点で新型ウイルス・ワクチンの接種を受ける用意があると答えたアメリカ人は60%。9月の51%からは増えている。
バイデン氏は3日は米CNNのインタビューで、安全性に対する世間の不安を和らげるため、「喜んで」公の場で接種を受けると述べた。かつてトランプ政権下で開発されたワクチンに疑念を示して批判されたことのあるカマラ・ハリス次期副大統領も、同じ番組で、FDAが安全性を確認し、自分の番が来れば「もちろん」接種を受けると述べた。
ほかに、バラク・オバマ氏、ジョージ・W・ブッシュ氏、ビル・クリントン氏の大統領経験者3人もまた、ワクチンの安全性を示すために公の場で接種を受ける用意があると表明している。
米製薬ファイザーは、自分たちが開発したワクチンは臨床試験で95%有効だったと発表。同モデルナは、94%の有効性を発表している。両者とも米食品医薬品局(FDA)にアメリカ国内の使用承認を申請済み。
イギリスは2日、ファイザーのワクチンの緊急使用を世界で初めて承認した。
バイデン氏はさらに、「自分が大統領に就任した初日、皆さんに100日間のマスク着用を求めるつもりだ。100日間だけだ。永遠ではなく。100日間だ」と述べている。