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ついに公選法で刑事告発された小池百合子候補「女帝の落日」 「定例会見」で選挙戦略を得々と解説、最多集票でも当選無効か 2024.7.7(日) 伊東 乾

2024年07月07日 12時42分23秒 | 選挙

ついに公選法で刑事告発された小池百合子候補「女帝の落日」

「定例会見」で選挙戦略を得々と解説、最多集票でも当選無効か
2024.7.7(日)伊東 乾
 

現職都知事が刑事告発受ける

 小池百合子東京都知事が、公職選挙法違反で選挙期間中に刑事告発を受けました。

 

 告発したのは郷原信郎弁護士と、神戸学院大学法学部教授の上脇博之さんのお2人。

 現職の知事が選挙に出る場合、通常なら選挙期間中は休職、副知事など地方自治法に基づく執行代理を立てるのに、小池都知事は「公務優先」を旗印に、それを立てませんでした。

 そして、候補者でありながら、露出のある公務には取り巻きの記者が取り囲み、候補者としてのPRを公務の中で行っていたのです。

これは、公職選挙法136条の2第1項1号に明確に違反しており、現職の都知事が刑事告発されました。

 私の見る限り、これを最初に指摘したのは、鳥取県知事、総務大臣を歴任した片山善博氏と思われます。自治省出身の公務員OB、こうした法務には精通しておられて当然です。

 これに着目した郷原弁護士が、公職選挙法136条の抵触を念頭に刑事告発に踏み切られた。お手盛りの質問を発し、それに答える形で選挙違反が行われたので、当初は記者も告発される可能性があったようです。

 以下の記事は、7月5日に郷原さんが刑事告発されると知る前に準備したものに加筆しました。

 かつて地上波放送を経験した私個人としても、「都知事」の定例会見で「候補者PR」の事実に驚嘆、原稿を準備し編集部に送った後、郷原さんの刑事告発や、新宿駅頭での小池百合子候補の街頭演説が、反対者の「帰れ」コールで止まった事実などを知りました。

 たまたま本稿のリリースは、東京都知事選の投票日当日になりましたが、以下、法源を明確にしながら、学術の観点で公職選挙法136条2に明らかに抵触する事例を客観的に解説する内容として記すもので、選挙運動でもなければ落選運動ですらありません。

 法理とケーススタディとして、また1回の選挙というより、我が国の代議制がまともに機能することを長期的な視点、国家百年の計に照らして、強く期待する次第です。

 小池さんは、現職都知事として本当に落選する可能性もありうると思い始めています。

 また、仮に最多得票数を集めても、公職選挙法に違反すれば当選無効ですので小池都政は8年でピリオド、都庁職員の皆さんも、ブラック就労から解放されるように思います。

学歴詐称、大手広告代理店や不動産デベロッパーとの不透明な癒着など、どれ一つとってもとんでもない、東京都知事選出馬の小池百合子「候補」ですが、ここにきて決定的な「公職選挙法違反」がネット上にあふれてしまいました。

 あろうことか、都知事としての公式な「定例記者会見」で、都知事候補としての自らの選挙PRを流してしまったのです。

 小池百合子氏が元来、高校・大学レベルの学生が学ぶ法的な公私のケジメが怪しい、弱いという指摘は長くなされてきたものと思います。

 

 ですが、ここまでひどいとは、私も想像していませんでした。

公職選挙法はどのように破られていったか?

 以下では、小池百合子知事が公選法違反で刑事告発された内容を(告発の事実を知る前に私がまとめた原稿が基になっていますが)具体的に紹介したいと思います。

 6月28日金曜の定例記者会見、テレビ朝日・島田直樹記者から「街宣車で昨日回られた、手ごたえがあった、ということですけれども、昨日ゲリラ的に回られて、どういった手ごたえ・・・」という質問が発せられ(てしまい)ました。

これが致命傷になった。

 この絶妙の愚問に対して、小池候補は「知事」として答えるべきところ、小池「候補」として応答してしまったのです。

「ゲリラじゃないですけど、オッホッホ、正当の選挙戦だと思います」

 これに島田記者は次のように質問を重ねました。

「どのような手ごたえがあったのか、どのような方が手を振り返してくれたのか、また知事の公約の部分、訴えかけて、どういったところ集中的に街宣車で訴えたいか、そういったところあれば、教えてください・・・」

 このテレ朝・島田という人物は、たぶんヨイショしたかったのだと思います。この場を通じてPRになれば、というサービスが念頭にあった可能性が考えられる。

 しかし、現職の都知事に「候補としてどういったところを集中的に有権者に訴えたいか」と尋ねるのは、処刑台への階段に案内しているのと同じことになってしまう。

 ここで、知事と候補者の法的なケジメがついている分別のある大人なら、こう答えるべきでした。

「そのご質問は都知事候補としての私に発せられたものでしょう。ここでは公職としてお話ししていますので、別途お答えしたいと思います・・・」

 ところが、この大学学部1年レベルの分別が、小池百合子氏には全く存在しなかった。

知事定例記者会見で述べた「選挙活動報告」

小池この間ですね、昨日で申し上げると各地、区部を回らせていただきました。いや、とても反応は良かったことを実感いたしました。

 新橋の仕事を終えたビジネスマンに向かって訴えても「クールビズなどはまさに楽で、実感していただいているのかな」と言ったら「そうだーという声が返ってきたり・・・。

 これは完全に選挙活動のPRです。

 候補者として有権者に特定の案件を訴えたら「そうだー」という声が返ってきた・・・って、これを「東京都知事の定例記者会見」で言ってしまえる公私の区別のゆるさ加減。

 

 この東京都の公式動画の23分ちょうどあたりに隠れなく記録され、不特定多数に公開されてしまったので、もうなかったことにはできません。

 さらに、この小池という人が本当に、遵法性の感覚が全くないと驚いたのは、以下のくだりでした。

 都知事候補としての自分の選挙活動法を、知事の定例会見で縷々説明し始めてしまったのです。

小池:私の場合、その、街頭演説等も、場所とかですね、車の位置づけ等等、何かとこの、安倍(晋三)さん(が選挙応援中、狙撃されて死亡したケース)とか、前回のつばさ(の党)とかですね、正直、具体的に言ってしまいましたけれども、いろいろ制約が出てきて、非常に限られてくるわけでございますけれども・・・。

 正確にチェックしておきましょう。

「制約」が出るのは「選挙に出馬している候補者としての小池百合子」であって、東京都知事としての公務には一切、何の制約もかけられることはありません。

その内容を話すべき都知事の定例記者会見で、何と選挙演説の詳細をブチ始めてしまった。

 きちんとした法律のリテラシーをもっていたら、こんなことにはならずに済んだはずです。

小池:・・・街頭演説も行いますが・・・(候補者として)様々な街の反応も実感して、より、これからも、そういった形で(候補者として)都民の皆さんの中にはいっていこうというふうに考えております。

完全な致命傷:選対の戦略方針まで披歴

 こうした致命傷が出てくるのは、ちょっと賢慮の足りない、ゴマをするのには熱心な取り巻きが引導を渡してしまうところにも原因があります。

 

 ご主人に媚びへつらうつもりだったのでしょうが、少し知恵が足りませんでした。

 続いてNHKの中村という記者が追い打ちをかけてしまいました。

中村:知事選の関連なんですけれども、あの、前半戦が終わりまして、いま手ごたえ感じているということでしたけれど、後半戦に入っていくなかで、戦略みたいなものはございますか?

「後半戦の戦略」って、都知事候補としての「選挙戦戦略」ですよね?

 これは、都知事の公式定例記者会見で、決して発言してはならない、分かりやすい「候補者としての発言」になってしまう。

 心臓に達する一撃にも等しい。

そんな猛毒質問を、ご主人によかれと思ってのことなのか、無邪気に発してしまった「中村記者」も記者ですが、答える方も答える方です。

小池:まーあの戦略はあまりべらべらしゃべると戦略でなくなるということもございますが(笑)。

中村:SNSをですね、見ていますと、昨日は「赤いきつね」と「ミドリのタヌキ」のご質問が、陣営の方からされていたり・・・。

 陣営というのは選挙陣営、つまり「知事」としての公務ではなく、「小池選対」の内輪の話に、この記者は「東京都知事定例記者会見」で言及し、それに現職の都知事が応じて、しっかり答えてしまっている。

 糊塗のしようがありません。

中村:ちょっと砕けた内容の(都知事候補としての)発信もあると思うんですけれど(選挙陣営として)どういう狙いがあるのかとか、(小池候補自身から)教えてください。

 この完全アウトの質問に、小池「都知事」は、「小池選対」の戦略を

小池:そうですね・・・インスタとか縦型の発信と、それからツイッターなど横型の発信と、縦横無尽に(選挙情宣を)やっていきたいと(都知事候補としての私は)考えています。

 このようにしっかり答えてしまいました。解説までしちゃっています。

小池:どちらかというと、身近なテーマが「縦」そして横の場合は実績をAIゆりこが伝えたり。

「AIゆりこ」は都のプロジェクトではなく、完全に外部のシステム、現在は露骨な選挙ツールにほかなりません。

小池:これから追加の政策などリアルゆりこが伝えたりと。

 リアルゆりこ「候補」が、選挙公約たるべき「政策」をAIゆりこと交互にPRしていくという「小池百合子候補選対」のツールとして、

小池:政策の背景や(候補者としての)思いを(有権者都民に)お伝えするという意味でSNSを有効に活用していきたい。

中村:若い世代の方ですとか、そういう(都民有権者の)人を、こう、(候補者としての小池氏への)支持を浸透させようという狙いもあるんでしょうか?

小池:最近はSNSを活用される方はかなり幅広いと聞いております。時間帯によってご覧になるかたも変わってくるでしょうし、SNSの発達というのは選挙戦も大いに変えてきているというのは実感をしております。

 最後のこれは、完全に地雷を真上から踏んでいます。

「選挙戦も大いに変えてきている」と実感するのは、決して東京都知事ではない。候補者としての実感で、これを都知事の定例記者会見として、記録が残る形でアップロード、ご丁寧に字幕まで入っている。

完全に公職選挙法136条の2第1項1号

 

1「次の各号のいずれかに該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。一 国若しくは地方公共団体の公務員又は行政執行法人もしくは特定地方独立行政法人の役員及び職員、沖縄振興開発金融公庫の役員及び職員は、職務上の影響力または便益を用いて第三者に働きかけるといったその地位を利用して選挙運動をすることができない」

 に違反しており、当選しても無効になる水準の重篤な法令違反が隠れなく残ってしまいました

(朱字は管理人)

小池:昔はこれ、カミで切手貼って、封筒に入れてとか考えると本当にすさまじい変化だと思います。

 もっと古い話をすると、私もう30年くらい選挙やっていますので、昔は携帯電話も通信兵みたいにデカい携帯で1本何百円通話がしますというのでかえって使いにくくなったり、ポケベルの時代があったりして・・・。

 産業史と選挙史、選挙の歴史というのは重なるところがあって、研究しても面白い分野かなと思ったりしますけれども・・・。

 SNSというのは、フェイクの、どれが本当なのか分かりにくくなったりする、AIでよりディープフェイクになっていくなどなど・・・。

 完全に知事公務無関係、いまやドヤ顔で候補者が選挙PR術を知事定例会見で語り倒している。さらに完全終了のやりとりもありました。

ある記者:今回は自民党や公明党などからも自主的支援を受けています。それぞれの政党の支援状況をどのようにご覧になっているでしょうか?

 完全に知事公務ではなく、一都知事候補としての小池氏への質問です。

小池:それぞれ得意な分野もお持ちと思います。党もさることながら皆さん基本的に保守の方々だと思います・・・ワンチームでこれからの戦いも進めていきたいと思います。

東京都公式ユーチューブチャネルより

 この「戦い」とは、間違いなく「選挙の戦い」です。つまり候補としての発言です。

 選挙戦の「戦い」について、候補者が都知事の公式会見で得々と語り、その動画がルビ付きで不特定多数公開のまま残ってしまいました。

 完全な公職選挙法136条の2第1項1号違反。

 最多の得票数を得ても、当選無効となるレベルの選挙違反ぶりを、どうか読者の皆さんも、ご自身で確かめていただければと思います。

飼い犬の悲哀で「女帝の落日」

 さて、こうした致命傷的なやりとりは、それが飼い主である権力者の歓心を買う、と愚かにも考え付いた飼い犬的とりまきが発して、記録が完全に残ってしまったものなので、「ポチ」の忠誠にも悲しい原因があると指摘せねばなりません。

 先ほど最初に挙げたケース、テレビ朝日「島田直樹」という“とりまき”は、6月12日の記者会見で小池百合子氏にとって極めて都合の悪い「朝堂院大覚」という固有名詞が発せられたとき、とっさに「どうして勝負服の緑ではないのですか?」という、どうでもよい妨害質問で小池氏をレスキューした人物として、ネットで有名になっていました。

 番記者というより番犬に近い、忠誠心の強い下僕役として知られ、「ポチ」と呼ばれたり、会見後に吊るし上げられたりしている様子のウエブサイトもありました。

 小池氏には大変覚えがよいことと察せられますが、どうやら島田記者は法理の基礎には弱かったらしい。

 そもそも、公私の別も法理も関係ない、どこの国でも4年制大学を通して学んだ経験がないと思われる人物が、昨今の空洞化した教育のためか、公職の義務も法理もわきまえない“とりまき”のメディア関係者とフェイクを強弁してきた。

 ところが調子に乗ったのか、油断したのか、こんなものが東京都の公式動画に堂々と残ってしまいました。

 

 飼い犬のいらない無分別が、ご主人の命とり発言をこれでもかとてんこ盛り引き出して、しっかり記録が残っている。

 これでは、仮に選挙の得票数が蓮舫候補だ石丸伸二候補だと割れて、小池候補が最多得票数を獲得しても、公職選挙法違反があまりにも明らかで、当選無効の裁判所決定が高い確率で予想される仕儀とあいなった。

 証拠も万人に明らかなので、司直がまともであるなら、小池都政はここで終わりとなるでしょう。

 少なくとも英国のボリス・ジョンソン元首相は、同レベルのポカで政権を追われている。

 分別ある国家と世間であれば、ここまででも完全終了です。

 フェイクと印象操作の果てに、このような馬脚が顕れてしまった。因果応報といえばそれまでのことだったのかもしれません。

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これって報道?権力と馴れ合い「広報係」に徹する記者クラブの“作法”が政治の劣化と暴走を助長する
(参考)
小池都知事定例記者会見(令和6年6月28日)
 
 

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