岸田再選支持、6%の衝撃 募る政権交代待望論◆時事世論調査【解説委員室から】
2024年05月17日12時30分 jiji.com
時事通信社の5月世論調査によると、岸田文雄首相に自民党総裁任期が切れる9月以降も続けてほしいとの回答はわずか6.0%だった。政権の枠組みに関しても、「政権交代」が「自民党中心の政権継続」を上回った。岸田首相が今国会中(会期末は6月23日)に衆院を解散しようがしまいが、総裁再選が困難なことを調査結果が示している。(時事通信解説委員長 高橋正光)
【目次】
◇自民支持層でも2割届かず
◇二つのシナリオ、既に破綻
◇野党の選挙協力、45%が支持
自民支持層でも2割届かず
調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で10~13日に実施。有効回収率は62.9%。それによると、内閣支持率は18.7%(前月比2.1ポイント増)、不支持率は55.6%(同3.8ポイント減)。自民党の支持率は15.7%(同0.4ポイント増)。内閣、自民党ともわずかに増え、極めて低水準ながら支持率は底を打った感じだ。とはいえ、自民党安倍派などの裏金事件とその後の政権の対応に、有権者が怒りを募らせていることが、他の調査項目からうかがえる。
政治資金規正法改正などをめぐる岸田首相の対応に関する設問では「評価する」8.7%、「評価しない」72.9%、「どちらともいえない・わからない」18.4%。自民支持層でも「評価しない」(54.5%)が「評価する」(22.2%)を大きく上回った。事件の実態解明、裏金議員ら関係者の処分、政治資金の透明化や再発防止への取り組みなどについて、自民党支持者ですら半数以上が納得していないことが分かる。
裏金事件やその後の対応への怒りもあり、有権者の大多数が岸田政権を見限ったことも数字から読み取れる。岸田首相に「いつまで続けてほしいか」との質問に対し、「すぐ交代」27.4%、今国会の閉会予定の「6月」15.7%、党総裁任期が満了する「9月」38.2%。8割強が、総裁任期が切れる9月までの「政権の店じまい」を求めており、総裁再選支持を意味する「9月以降も」は6.0%だった(このほか「わからない」12.7%)。