ハイエナ。
色々な意味が含まれていると思いますが、当ブログではこの"ハイエナ"を、
「弱そうなヤツからは、すべてを奪い尽くす。弱っているからこそ、そいつからすべてを奪う。骨までしゃぶる。」
そのような意味合いで使っています。
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つづきから……
オフクロとセツ叔母さんは和菓子屋が売却され、その家から沢山の物が運び出されている現場を目の当たりにした。
そこは二人にとっての実家。
そこに暮らしていた主、ノリちゃんは行方が分からない。
しかし、携帯電話は生きていた。
連絡を取ったのはマート叔父さんだった。
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運送業の仕事を辞め、スロ屋通いだったノリちゃん。
前の記事で「何度かスロ屋でノリちゃんの姿を見た。」と書きましたが、私はその時に、ノリちゃんと行動を共にしていたチンピラ風な男。薄暗いスロ屋で私はその男をノリちゃんに紹介されていた。Yシャツにネクタイ、しかし両手首に入った花柄のタトゥー。
ノリちゃん:
「この人と最近はずっと一緒にいるんだよ。」
嫌な雰囲気だったが、私は適当に挨拶をした。
その頃、ノリちゃんにはヒロ叔父さんに掛けてあった多額の死亡保険金も振り込まれていた頃だった。
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マート叔父さんがノリちゃんに連絡を取ってみると、どうやらノリちゃんは街にあるキャバクラの店長をやっているようだった。
気が弱く、華奢。でも保険金も沢山入っていたノリちゃん。
チンピラたちの格好の餌食。
チンピラ連中にどう説得されたのかまで私は知らないけれど、取りあえず「名前だけの店長」、「何かあった時の捨駒の店長」をやっていた。
マート叔父さんは、そのキャバクラヘ行き、ノリちゃんをなんとか説得しようと試みたが、結果はダメだった。。。
言葉巧みに外野に阻まれ撤退。
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暫くしてから…………
そのキャバクラは「風営法違反」違法営業の疑いで、警察によるガサが行われた。
だが、そこにはノリちゃんの姿は既に無かった。
県外逃亡。
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そんなことがあってから、
私はノリちゃんには会っていない。
ノリちゃんが消息を絶ってから、およそ20年が経過しました。
その間には、
婆ちゃん、
セツ叔母さん、
マート叔父さん、
ノリちゃんの事を親身になって心配していた人たちが亡くなった。
葬式がある度に姉であるノブちゃんと顔を合わせる機会があったけれど、依然としてノリちゃんの消息は解らないままだったた。
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ここで、
ふりだしに戻ると、
最近になってから、ノブちゃんからメールが頻繁にあった。
そのメールにはこう書かれていた。
ノブちゃん:
「ノリが生きているの。今まで確信が持てなかったから言えなかったけれど。」
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私は……
ノブちゃんにこう返信を打った。
「良かったね。
でもさ、
もう、オレには関係ない。
すべてが、今更………なんだよね。」
ノリちゃん(完)