2019,
昨年10月の下旬、私は海釣りに出掛けた。
その夜、アルコール依存症者である私は、3年半ぶりにアルコール(ビール)を口にした。
◆◆◆◆◆◆
海からの帰り道。
私はいてもたってもいられず、帰りの道中にあったコンビニへ車を停めた。
そして、(私の弟)次男へ電話をした。
弟:
「もしもし、なに?」
私:
「あ、あのさぁ。
オレ、今日、ってか昨日の夜から海釣りに来てるんだよね。」
弟:
「ふーん。
いいじゃん。
で?
なんか釣れたの?」
私:
「いや、
その、
実は昨夜、
呑んじゃったんだよね、ビール。」
暫しの沈黙…………………
弟:
「ふーん。
そうなんだ。
呑んじゃった………か。」
弟:
「ま、
いいんじゃね?」
私:
「魚、食いきれないからお前の所へあとで持ってくわ。」
弟:
「了解。
待ってるわ。」
電話を切った。
自分の中にあったモヤモヤした感情が、弟と会話をしたことにより、スーっと消えていった感覚を今でも覚えている。
………約2時間後、
弟の家に到着した私は、今回のことの経緯、今まで思っていたアルコール依存症者としての思いを弟に話した。
弟:
「ま、
今回呑んじゃったのは仕方がないし、別にオレは怒ってもいねーけれど、問題はこれからのアニキの行動次第ってことじゃねーかなぁ。」
私:
「だよな。」
…………その日…………
弟の家を後にしてから、暫く顔を出していなかった母が暮らす実家にも顔を出すことにした。
できるだけ、
早めに、
今までに酒で心配をかけてしまっていた人たちには、
今回私がスリップしてしまったことを伝えておきたかった。
母の暮らす実家は先程までお邪魔していた弟のウチから車で20分ほどの場所にある。、
母のウチに到着し、今朝釣ってきたばかりの鯵を調理した。
久しぶりの実家。
母と二人で食事をしながら、私は母にスリップしてしまったことを切り出した。
弟に話したことと同様の話を、一通り母に話すと、母は静かに一言、
母:
「いいんじゃない。
そりゃ、
たまにゃ飲みたいときもあるでしょう。
お母さんは、
未だにおまえがアルコール依存症だとは思ってはいない。
………ただ、
ギャンブル(パチンコ、スロット)だけには手を出してはほしくない。
そこで大きく負けたり、生活が成り立たないまでになってしまうと、
お前は酒の力に頼るしかなくなってしまう。
弱いからね、お前は。
お母さんはそう思っているから、酒は辞められるのであればやめればいいし、辞められないのであるなら今は無理してまで辞めなくてもいい。
パチンコ、スロットだけはダメ。
お前は、
アルコール依存症……ではなく、
ギャンブル依存症者だからね。
覚えておきなさい。」
そう一言だけ、母は私に告げた。
それは、
私にとって救いの一言だった。
だが、
本当に私はアルコール依存症者ではないのだろうか?
この答えは、
暫くしてから、
私が、
この身をもって、
知ることとなる…………………
④へつづく
昨年10月の下旬、私は海釣りに出掛けた。
その夜、アルコール依存症者である私は、3年半ぶりにアルコール(ビール)を口にした。
海からの帰り道。
私はいてもたってもいられず、帰りの道中にあったコンビニへ車を停めた。
そして、(私の弟)次男へ電話をした。
弟:
「もしもし、なに?」
私:
「あ、あのさぁ。
オレ、今日、ってか昨日の夜から海釣りに来てるんだよね。」
弟:
「ふーん。
いいじゃん。
で?
なんか釣れたの?」
私:
「いや、
その、
実は昨夜、
呑んじゃったんだよね、ビール。」
暫しの沈黙…………………
弟:
「ふーん。
そうなんだ。
呑んじゃった………か。」
弟:
「ま、
いいんじゃね?」
私:
「魚、食いきれないからお前の所へあとで持ってくわ。」
弟:
「了解。
待ってるわ。」
電話を切った。
自分の中にあったモヤモヤした感情が、弟と会話をしたことにより、スーっと消えていった感覚を今でも覚えている。
………約2時間後、
弟の家に到着した私は、今回のことの経緯、今まで思っていたアルコール依存症者としての思いを弟に話した。
弟:
「ま、
今回呑んじゃったのは仕方がないし、別にオレは怒ってもいねーけれど、問題はこれからのアニキの行動次第ってことじゃねーかなぁ。」
私:
「だよな。」
…………その日…………
弟の家を後にしてから、暫く顔を出していなかった母が暮らす実家にも顔を出すことにした。
できるだけ、
早めに、
今までに酒で心配をかけてしまっていた人たちには、
今回私がスリップしてしまったことを伝えておきたかった。
母の暮らす実家は先程までお邪魔していた弟のウチから車で20分ほどの場所にある。、
母のウチに到着し、今朝釣ってきたばかりの鯵を調理した。
久しぶりの実家。
母と二人で食事をしながら、私は母にスリップしてしまったことを切り出した。
弟に話したことと同様の話を、一通り母に話すと、母は静かに一言、
母:
「いいんじゃない。
そりゃ、
たまにゃ飲みたいときもあるでしょう。
お母さんは、
未だにおまえがアルコール依存症だとは思ってはいない。
………ただ、
ギャンブル(パチンコ、スロット)だけには手を出してはほしくない。
そこで大きく負けたり、生活が成り立たないまでになってしまうと、
お前は酒の力に頼るしかなくなってしまう。
弱いからね、お前は。
お母さんはそう思っているから、酒は辞められるのであればやめればいいし、辞められないのであるなら今は無理してまで辞めなくてもいい。
パチンコ、スロットだけはダメ。
お前は、
アルコール依存症……ではなく、
ギャンブル依存症者だからね。
覚えておきなさい。」
そう一言だけ、母は私に告げた。
それは、
私にとって救いの一言だった。
だが、
本当に私はアルコール依存症者ではないのだろうか?
この答えは、
暫くしてから、
私が、
この身をもって、
知ることとなる…………………
④へつづく