くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

劣等感

2017-02-03 22:56:58 | 日記
今日の夜、あるテレビ番組を観ていて思ったこと。
受験、学校、就職などに対する自分の思いを考えてみた。
これは私の主観であり、一般的な考えではない。






私が入院中だった昨年、スポンサーとステップ⑤の棚卸をしたことがあった。
その自分自身の棚卸しをしていく中で、いつまでも私の心に引っ掛かっている人がいたので、スポンサーにその人のことを話してみた。


私のスポンサーは大卒、大学院卒。海外留学。そして一流企業へ就職。
私から見たらものすごく羨ましくもあり、何に不満があって酒に執着するようになってしまったの?……などと思える人。

しかしスポンサーであるその人はアルコール依存症と鬱病を持っていて、そのことが原因となり、自ら会社を退職し、現在はAAの活動を中心に力を注いでいる。


……………そんな人である。


以前の記事で少し触れたけれど、本人の回復と学歴や知能指数には関連はない、と私は思っている。しかし人の話を聞き、理解し、答えをだしてくれる。そういうことに関してはやはり頭のキレる人の言葉には説得力がある。



私がスポンサーに話した内容は以下の通り。


私は高校中退。
そんな私が始めて就職した会社は、地元では名の知れた大手スーパーマーケット事業を展開している会社だった。

高校を中退してからはアルバイトとして、私はその会社にお世話になっていた。そして会社の上司から

『おい、◯◯。おまえ新入社員教育を受けて、正社員としてここで働けよ。』

と言っていただいたので、そのまま上司の言われるがままに、高校や大学の新卒の人たちと一緒に教育を受け、私はその企業に就職した。

それから約4年間………

私はそのスーパーマーケットの鮮魚部門に配属され働いていた。
毎日の仕入れ、魚の調理、陳列、接客……などをしていた。


そんな中4月になると、新たな新卒の人たちが新入社員として配属されてきた。私は先輩社員として、一人の新入社員に仕事を教える立場として任された。
その新卒の新入社員は4年生の大学を卒業し、この会社へ入社してきた人で、私とその彼はちょうど同じ年齢だった。確か22歳か23歳の頃だったと思う。

私は包丁の扱い方。そして切り方。接客の対応など、魚屋として一人前になるように一生懸命に指導した。新卒のその彼も一生懸命私の指導に答えてくれた。

そんなある日……
給料日になり、休憩時間にお茶をしながらもらった明細について同僚同士でなんとなく給料の話をしたときだった。
何気なく『◯◯くん、初任給っていくらぐらいなの?』
………と聞いてみた。
すると彼は給料明細を見せてくれた。(まぁ、あの頃は若かった💧)

目を疑った👀!!

大学卒業、新卒の彼の給料、初任給は約4年間そのスーパーに従事してきた私の給料をはるかに越えていた。

ショックだった。。。

その場ではなにもなかったような素振りを私はしていたけれど、やはり学歴社会を痛感した当時の出来事だった。

それから………

『オレみたいな高校中退じゃ、この会社でいくら働き続けてみても、だめなのかなぁ。』
……………などと考えることが多くなり、

その後私は、この会社を数ヶ月後に自主退職した。。。






……………そして

昨年の入院中、スポンサーと棚卸しをしていて、始めて自分で気づいたけれど、私は自分の高校中退ということに対しての劣等感、そして高学歴な人に対しての恨みがましい感情を自分でも知らず知らずの間にもっていたようだ。
そのことに気づかせてくれたのは、冒頭に紹介した私のスポンサーだった。

スポンサー:
『いいかい、◯◯ちゃん。』
(スポンサーはミーティング時以外では私を本名で呼んでいる)

『◯◯ちゃんがスーパーマーケットでアルバイトをしていたころから、◯◯ちゃんはその会社で働き、賃金を貰っていたはずだよねー。
だけどその大卒の彼は 、◯◯ちゃんがそうやって賃金を貰っていた期間にも、高校や大学という所に多額のお金を払いながら、学力というスキルを自分自身に与えてきているわけだよね。
そこだけ見てもすでに◯◯ちゃんの方が金銭的な面だけ見れば、その大卒の彼よりその時点ではお金はたくさん貰っていたはずだよねー。』


私:
『うーん。確かに。』

スポンサー:
『企業とすれぱ、そういう大学、または大学院などに、多額のお金を払ってまでスキルを手に入れてきたそうゆう人材を、毎月の賃金という形で買ったというように考えると分かりやすいかもしれないね。』

『当然、企業側としても、それだけの学校にお金を払ってまでスキルを身につけてきた人材のほうが、初任給としては差をつけなくてはならなくなるわけだよ。』

私:
『なるほど』


スポンサー:
『更にもうひとつ理由があるとすれば、◯◯ちゃんが社会へ出て働いている間に、その大卒の彼は◯◯ちゃんよりもたくさんの「受験」……という競争を今までに勝ち抜いてきた、ということも企業側にとってみたら評価の差となる要因でもあるよね。』


私:
『納得』


スポンサー:
『でもね、企業側だっていつまでも学歴だけで多くの給料を払っているわけではないと思うよ。
学歴だけで給料に差が出ているのは、まぁ、いいところ入社してから4年か、5年のうちではないかなぁ………
どっちにしても、そこから先は一人一人の実力次第だよ。』


スポンサー:
『オレだって大学、大学院、海外留学まで行かせてもらっておきながらも、今じゃアルコール依存症になんかになってるし…………
社会的には◯◯ちゃんと変わらないよ、なにも。』



…………………
…………………
…………………

………………とサラッと言ってしまえるスポンサーが、このときにはスゴくかっこよく見えた。



長々と私の劣等感について書いてきてしまったけれど、スポンサーからのこの説明を受けてからは まったくなくなったわけではないけれど、なんとなく府に落ちた。
私の中にあった学歴に対する劣等感、そして学歴社会に対する不満は薄れていった。



【追記】

過去に新入社員として魚の切り方などを私が教えた彼は、現在では数千人の従業員を抱えるスーパーマーケット事業を展開している企業の取締役をやっている。


私と、彼との違いはきっと学歴などではなく、やる気と努力の違いだったのだろうな………と改めて感じさせられた。



いつかの日にか機会があったら、埋め合わせ(ステップ⑨)に伺いたいと思っている。