「写し絵?なーんだ簡単!すぐできちゃうよ」
と思って教室にやってきた子供たちを、ずらりと壁一面に飾った日本画の名作(印刷物)でお迎えしました。
今日これを写すの!?と驚く表情は好奇心でいっぱいです。
どの絵を写すか選ぶ時も、あれもこれもやってみたいと迷う姿が見られました。
日本画の名作は、大人だけではなく、子供たちにとってもかっこいい絵なんだと改めて認識しました。
小さな子供たちに人気があったのは葛飾北斎の富士山です。
この明快な力強い構図はとても印象的ですし、「富士山」という親しみのある題材も好評だったようです。
また、伊藤若冲の生き物の絵はどれもとても人気がありました。
鶏の生き生きとした表情、羽毛の柔らかい表現を子供たちは素直に感じ取っていました。
「この鶏、触ってみたいな」と言っていたのが印象的です。
描いていくにあたっては、
主役を大事にしよう!という指導をしましたが、子供たちによって、自分がとても気に入っている部分を
特に熱心に描き込んでくれるので、
絵を見ると、その絵のどのようなところが気に入って選んでくれたのかがよくわかりました。
また、そっくり描くことに飽き足らず、自分でアレンジを加えて、巨匠とのコラボレーションを繰り広げた作品もあり、写し絵とはいっても、それぞれに楽しみを見つけて取り組んでくれました。
印刷した作品でもとても興味をもったので、もっともっと素敵な本物を見せてあげたいなあと思いました。
小さい頃から美術館に親しんで、人生の楽しみを一つ増やせたら素晴らしいですね。
(やえのまりえ)