処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

フラッシュダンス

2020-12-28 22:09:20 | 映画

青春の躍動がスクリーン一杯に広がる青春映画。

 

この作品でデビューしたジェニファー・ビールスの初々しい弾ける若さに圧倒される。

ピッツバーグの鉄工場で働く18歳の溶接工。アフロ・ヘアー、ブルゾンにジーンズ、クロスバイクで街角を走り抜ける姿の美しいこと。住むのは廃屋の倉庫で相棒は愛犬グラント。

貧しいけれど夢に向かってまっしぐら。実にカッコイイのだ。

ダンスシーンは勿論のことスクリーンにはリズム感溢れる音楽が流れ続ける。観ながら身体が気付かないうちに乗っている。快感ですらある。

 

圧巻はラスト。クラシック・バレエのオーディション・シーン。このためのジェニファーの起用であったのだ。

青春映画の名作として残って欲しい作品である。そのためには若い人たちにどんどん観て貰いたい。

追記:映画は、お金を払って、暗い映画館の広いスクリーンで一人で観るものと決めてきた。これを映画館で観たのは37~8歳の頃だろうか。若い女性たちやカップルが沢山の映画館で、中年のおじさんが一人で観ていたことになる。今になって「よくもまあ!」との思いとともに恥ずかしさで身が縮む。

しかし、あの時の感動は蘇った。だから映画は素晴らしい。

 

【1983年アメリカ作品 エイドリアン・ライン監督】

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風のかたみ

2020-12-24 10:35:05 | 

武家社会に生きる女たちの哀切極まりない生きざま。

名誉と主従に生きる男たちを支えつつも、運命に抗って生きる女たち。その凄まじいまでの覚悟が行間から伝わってくる。きぬの凛とした姿は、さもありなんと往時を思わずにはおれない。これが日本の国だったのだと矜持が湧く。

  

初の青色に沈んだ艶やかさは、物語の展開とともに違った側面を見せて来る。よくぞここまで心の襞を、それも女性の心の懊悩まで描き切れるものだと感心するしかない。

この女性群像、やがて紅涙を絞る動画になるかも知れない。で、遊びで配役を考えてみた。以下の通り。

・女医師伊都子 : 二階堂 ふみ

・上意討ちにあった佐野了禅の妻きぬ : 戸田 恵子

・佐野家の長男の妻芳江 : 指原 梨乃

・二男の妻初 : 川口 春奈

・目付方椎野吉左エ門  :福士 誠治

《 著者:葉室 麟、出版:朝日文庫、288頁 》

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大いなる西部

2020-12-22 16:10:50 | 映画

正統派西部劇。西部劇らしい西部劇。

広く荒々しく乾いた風景、時代は開拓初期。牛に与える水源をめぐっての二つの牧場一家の争い、その抗争をさせじと土地の権利を守る女先生、東部から結婚のために来た元船長の正義の奮闘、最後は大アメリカらしい大団円。

  

グレゴリー・ペックは、正義や自由や愛情を真っすぐ体現できる、いわば昔のアメリカの代表俳優といえるか。「アラバマ物語」「ローマの休日」では、知的な紳士の姿は大いにファン層を広げたことだろう。

  

新しい発見があった。牧童頭をチャールトン・ヘストンが演じていた。彼の雄姿は、『エル・シド』『ベン・ハー』『猿の惑星』で何度も観てきた。恥ずかしい限りだが、それ以外の彼を知らなかった。「ヘーエッ!出てたんだ!」と物珍しさが先に立った。大スペクタクルのヒーローしか観てこなかった。

それがどうでしょ、ここでは脇役。しかし、1m90㎝を越す二人が、倒れるまで殴り合いをするシーン。無口の荒くれがひたすら闘う。主演を泥にまみれさせる。これはもう彼しかいない。配役の妙によって、物語の流れが変わった。大事なキー・マンだった。

もう一つの発見。大昔、日本にテレビが各家庭に出回り始めたころ、アメリカの番組にくぎ付けになっていた時代。『ララミー牧場』「サンセット77』『サーフサイド6』その他沢山。

その中に『ライフルマン』もあり毎週観ていた。主演のチャック・コナーズがここに出ていたのだ。牧場主の出来の悪い息子役、最後に父親に撃たれて死ぬ哀れな長男の役。懐かしかったですね。

TV番組表を丹念に拾っていけば、昔の映画は殆ど見ることが出来る。有難い。時間があるけどカネのない我々OB世代には、BS・CS放送は格好の娯楽といえる。

【1978年アメリカ作品:ウイリアム・ワイラー監督】

 

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ディア・ハンター

2020-12-16 16:29:56 | 映画

コロナ禍で在宅時間が多くなったこともあり、TVにハード・ディスクを外付けして、見損なった映画を録画・鑑賞することにした。働き盛りの30~50歳の時代を中心に昔の作品が多い。あの感動を再びとリピート鑑賞も少なくない。

        

ベトナム戦争に赴く若者たちが育ち働く町は、ペンシルベニア州ピッツバーグの郊外のクレアトン。映画の冒頭は、彼らが働く製鉄所の溶鉱炉のシーン。トランプ大統領を生んだ原動力となったラスト・ベルト。その最盛期が背景になっていた。40数年後の今、アメリカの変わりようを思わずにはいられない。

スタンリー役のジョン・カザールは撮影前に癌が判明、映画会社が降板を言い渡したが、マイケル・チミノ監督やロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープなどがバック・アップして最後まで出演を果たしたが、映画の完成を見ずに亡くなった。彼が生涯で出演した作品は5本。すべてがアカデミー賞にノミネート、うち3本が同作品賞を受賞したとウィキペディアの記事。『ゴッド・ファーザー』が映画初出演。同じく初出演のアル・パチーノとともに一挙にスターダムにのし上がったのだった。

初めて見たのは35歳ころだったか。アメリカという国のローカルに生きる青春、ベトナム戦争、そして何よりロシアン・ルーレットなるものに仰天した。果たしてベトナムの現地で実際に行われていたのだろうか。いずれにしてもこの殺人ゲームはこの作品で人口に膾炙したことは間違いなかろう。

【1978年アメリカ作品】

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ポーラ美術館

2020-12-13 17:43:44 | 美術・絵

『コネクションズー海を越える憧れ、日本とフランスの150年』と題された美術展に出かけた。

   

終息が見えないコロナ禍だが、その恩恵を受けてGoTo利用の我が家の第2弾。併せて、今年最後の温泉に浸かって来ようというちょっと贅沢な一泊二日。

ホテルも美術館も予想外の人出の多さで、自分たちのことは棚に上げて、感染への嘆き節。

展覧会は、同館所蔵の80点を軸に計130が展示、どれも超有名な作品群。相当力が入っていたし、観る側にそれが伝わってくる気がしたのは私だけかしら。

  

一番の驚きは、写真撮影がOKなこと。場内はスマホのシャッター音が絶えない。ルーブルは、今はどうなのか、かつては自由だった。当時、此彼の芸術のあり様の違いに愕然とし大いに落胆したものだった。

  

ただ、裸婦の数枚には禁止のイラストが脇に貼られていた。これは、ビジネスへの利用を意図する輩への牽制と見受けた。

 

  

  

  

    

40年ほど前、東京の富士美術館でモディリアーニの「赤い帽子の女」がいたく気に入り、複製品を売店で買いたかったが、とても高価で手が出ない。爾来、叶わずにいた。で今回も叶わなかった。

今回、調べて勘違いしていたことが分かった。「赤い帽子の女」という名の作品はモディリアーニにはない。フェルメールに同じ名前の作品があった。モディリアー二の方は「大きな帽子のジャンヌ・エビュテルヌ」という作品のようだ。それにしても、しっかり刻印しているモディリアーニの画は、同様な顔、顔、顔の作品群には無かった、あの赤の。

  

「紅葉や如何に」と帰路はターン・パイクを下ったが、樹々の種類が異なるのか、特別の興趣はなかった。一方、大観山での富士山はなかなかの景色だった。雪を被っていない富士山。先ほどまで雲に隠れていたのにいつの間にか姿を現していた。

  

敢えて芦ノ湖部分はカットしたのがよかったか。

ポーラ美術館HP

 

 

 

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句集

2020-12-03 13:29:00 | 

長年の友人から句集を戴いた。詠み始めたのは定年後から。七年間の作句のうち編まれているのは百十一句。

大学も社会人の仕事も工学部系だった筈。著者「あとがき」によれば、退職後、大学の通教で経営学を3年、大学院で社会経営科学を6年間学んだという。その傍らで句作を学びこの偉業。見事という他ない。

妻、母親、学友、旅行、自然など身近を対象にして心のままに詠む、その在りようが素直に伝わってくる。どれも温かい。

私の周りには、退職後の俳人が十人とは下らなく居る。国際友好をきっかけに中国人と詠み合う先輩、写真俳句で日々高得点の同期、ツイッターに句と背景をアップするベテラン・ジャーナリスト、自らのボランティアを詠む元会社社長、ひたすら川柳で楽しく生きる元無頼漢、エトセトラ。皆さんお人柄が大変宜しい。

で、私も「ボケ防止にでもやってみようか」と思わないではないが、生来が短気。イライラが生じてどうも向かないようだ。残念ながら。

この句集は”第一句集”。次作を楽しみに待つことにしよう。

 

 

 

 

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