処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

パヴァロッティ~太陽のテノール

2020-09-25 17:13:58 | 映画

コロナでお預けになっていたが、規制緩和の初日にやっと観ることが出来た。

テラスモール湘南の"109シネマ"のシアター8。

キャパは100名程度。入りは40名程度か。殆どが中高年のカップル。

 

 

オスカー監督のロン・ハワードによる115分のドキュメント。20世紀最高峰のテノール歌手の生涯を過不足なく伝える。歌われる楽曲は20曲。どれも斯界の "この一曲" と愛される有名な歌曲ばかり。

インタビューには、ドミンゴやカレーラスをはじめに指揮者のズービン・メータ、プロモーター、マネージャー、批評家、家族、&フレンズで競演したU2ボノなど23名が登場する。

中でも特に印象に残るシーンは四つ。1968年のメトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)デビュー。1990年カラカラ浴場での三大テノールの初共演。91年15万観客の雨中のハイドパーク公演。この時のダイアナ妃との交流のショットが素晴らしい。95年ボスニアの子供たちの救援のチャリティー・コンサート。&フレンズのボノへの誘いの経緯は、心温まる。

   

 世界を驚嘆させたハイCの歌唱を堪能できる贅沢に、コロナの憂さを暫し忘れる。

このドキュメントで三大テノールの競演に臨場出来た。それだけで満足満足。

歌われる歌曲は次の通り。

  • 冷たい手を〈プッチーニ「ラ・ボエーム」〉
  • 友よ、今日は楽しい日〈ドニゼッティ「連隊の娘」〉
  • あれかこれか〈ヴェルディ「リゴレット」〉
  • 女心の歌〈ヴェルディ「リゴレット」〉
  • 衣装をつけろ〈レオンカヴァッロ「道化師」〉
  • 見たこともない美人〈プッチーニ「マノン・レスコー」〉
  • オ・ソレ・ミオ〈ディ・カプア〉
  • 誰も寝てはならぬ〈プッチーニ「トゥーランドット」〉
  • 人知れぬ涙〈ドニゼッティ「愛の妙薬」〉
  • 星は光りぬ〈プッチーニ「トスカ」〉

                                                                           

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少年と犬

2020-09-19 19:10:39 | 

著者  馳 星周

出版社 文藝春秋

308頁 1760円

直木賞2020年上半期受賞作

 

”多聞”と名付けられた雑種犬とそれに縁する人間との関わり或いは暮らしを描いた短編六つの連作集。

"多聞"の仕草や想いは人間の側の語り口によって読者に伝わってくる。人の心をフィルターにして犬の賢さと愛情が表現されている。犬と暮らしている読者にはそれらの一つ一つのディーテイルがすべて肯定できることだろう。嬉しい本である。

ただ、"多聞"に関わる人達が皆ネガティブな人生なのが引っかかるが、大きなお世話か。まあ、哀切調の方が、読み物としては印象に残るのかな。

ウィキペディアによると、日本には動物文学というジャンルがあるそうで、57の作品が分類されている。誰もがよく知る『イソップ寓話』をはじめ、『フランダースの犬』『シートン動物気』『野生の呼び声』『昆虫記』など我々が幼少期に親しんだ作品も多い。どういう事情か、日本人によるものは数として少なく名として小さい。

漱石は一人称で猫を書き、星周は三人称で犬を書いた。ヒトとの共同生活の歴史はネコ6千年,イヌ1万5千年になるそうだ。ビッグな動物文学が登場した。世界中の愛犬家には日本を代表す新しい動物文学書を読んでもらいたいものである。

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Jazz time ( ジャズ・タイム )

2020-09-11 20:18:54 | ジャズ

 ジャズCD10枚セットのワン・ボックス。収録156曲。

サブタイトルは《 永遠のジャズ・ベスト・コレクション 》

往々にして、この種のコンピレーション企画は、これまでオリジナルの音源で構成されていることは殆どなかったと言っていい。近年ではそうでもないのかな。

案内チラシや広告で、そうは期待できないだろうと思いつつ、選曲が及第点だったので買ってみたのだが、結果的に当たった。大儲けをした感。

詳細を読んだら、制作がワーナー・ミュージック・ジャパン。やはり違うわいと納得。ちなみに販売はユー・キャン。

最近は、ユーチューブやアマゾンで聴くことが多くなっており、いちいちにCDを入れ替えて、サイドメンを確認して、リリースの年月日を頭に入れてと、遠い昔の青春時代に繰り返していた聴き方をしている。実に楽しい。

 

 

登場するプレイヤーはルイ・アームストロングからウィントン・マルサリスなど96名、ただし、これはリーダーとしてクレジットされている数で、トリオやカルテットのユニットのパーソネルの数はカウントしていない。ボーカルにはリー・ワイリーやらブロッサム・ディアリーまでも居る。時代は1930年から80年代にわたる。いわゆるビバップからマイルス・デイビス前後のモダン・ジャズの黄金期がスッポリ入っている。

よく練られている選曲が素晴らしい。同じミュージシャンの同じ曲でも、最高の物を持ってきている。また、歴史上欠かせない一曲を取り上げるなど、編集の努力が垣間見える。注力に感謝したい。

これには、鑑賞ガイドの監修・執筆に当たった小川隆夫氏によるところが大きいと思われる。私の記憶では彼は、今は無きジャズ専門誌『スイング・ジャーナル』の編集長であった。勿論ジャズ評論家としても斯界を牽引してきた得難き人である。

 

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ジェニーのギフト・ショップ

2020-09-08 19:16:47 | 身辺雑記

コロナ禍で久しく外出を控えていたが、所用で高円寺に出向く。

ニュースが報じていたJR新宿駅のコンコースの東西自由通路の開通現場を、お上りさん宜しく歩いてみる。なかなかいい。

時間の都合で高円寺駅前をブラブラ。その時覗いて入ったのがこのショップ。

 

駅から細い路地を数分。小さな飲食店などが並ぶ角地に建つ白壁の明るい店。そこだけまるでパリ仕様。

子供たちが喜びそうなグッズが行儀よく並んでいる。

 

置物、壁掛け、ドライフラワー、リース、エトセトラ。ステーショナリーもある。ゲーム類もあったかな。

 

一つひとつ手に取ってみる。巣ごもり中の暗鬱な気分がほぐれてくる。

 

当方自慢じゃないが、ハンズでは一日居ても、あれもこれもとキリがない。楽しいから飽きない。疲れない。

同じ思いがするハッピーなひととき。

 

 

聞けば、カエルの人気が一番と。売りの目玉でもあるらしい。

そこで買い求めたのが、このカエル。身長24センチ。そうだコロナ記念にしよう。

 

翌日から我が家の玄関で、三彩駱駝と選手交代でお出迎えの任。

早速、宅配便のお兄さんが声を掛けていた。

 

《 ジェニーのギフト・ショップ 》

杉並区高円寺北2-10-8 📞03-5356-7806

営業時間 火~金曜日:10:00~18:00、土曜日・日曜日:12:00~18:00

 

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ミッドナイト・イン・パリ

2020-09-04 17:11:09 | 映画

冒頭、パリの街のカットが次から次へと現われる。バックの音楽はシドニー・ベシェーのソプラノ・サックス、それもソロ。もうたまらない。 

物語の中では、ジャンゴ・ラインハルトのギターがここぞのシーンで流れてくる。ノック・アウトである。 

  

アメリカ人の脚本家が婚約者の家族とともに観光するパリで、1920年代にタイム・スリップ。

午前零時に現れるプジョーのクラシック・カーに乗せられて、とあるパーティーに案内される。そこには”黄金時代”の芸術家や文化人たちが飲み・語り・酔う夢のような世界。

 

ジャン・コクトー、コール・ポーター、F・スコット・フィッツジェラルド夫妻、ジョセフィン・ベーカー、アーネスト・ヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、パブロ・ピカソとその愛人ゼルダ、サルバトール・ダリ、ルイス・ブニュエル、マン・レイ、ロートレックなどなど。

 

スコットとゼルダのフィッツジェラルド夫妻              ダリ 

 

 

アーネスト・ヘミングウェイ(中)ガートルード・スタイン(右)       ロートレック

分り易い筋立て、テンポのよい展開、粋でしゃれたディーテイル、知的な会話、オールド・ファッション、それにクラシック・ジャズ。ウディ・アレン全開の大人のおとぎ話。

この映画制作時のサルコジ・フランス大統領夫人のカルラ・ブルー二が美術館の案内人役で出演のサービスもある。 

  

アドリアーナ役のマリオン・コティアールがいい。あの『エディット・ピアフ~愛の賛歌』でアカデミー賞主演女優賞の4年後の作品になる。

ウディ・アレンが力を抜いて、好き勝手に自分の好きな世界を自由に描いた、その得意な姿が真っすぐ伝わってくる。

※8年前にもこのブログにアップしていました。とはいえ好きな作品なので敢えて再びアップします。

 

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