復路:2月22日(日) →関西空港 :関空快速 関西空港 →天王寺 :関空快速 天王寺 →大阪 :大阪環状線(外回り) 大阪 →横浜 :サンライズ瀬戸(S) 横浜 →東神奈川 :京浜東北線 東神奈川 →八O子 :横浜線 運賃:¥780+¥19.740
【ブルーな日曜日(4)ANA150便キャンセル サンライズ瀬戸・出雲で帰京】からの続き....
天王寺到着。
駅中にあるHeart-inで食料と睡眠薬を調達しようと立ち寄ったが、既に閉店していた。
喫煙コーナーでニコチンを補給し、出発案内を凝視する。ここから、環状線で大阪へ向かう訳だが、外回り内回りどちらに乗ろうかと少し思案する。
が、結局、空いている外回りに乗車。ガラガラの車内では、酔っぱらいが眠りこけていた。
大阪到着は、24時08分。
本来なら、立川駅のホームで、間もなくやって来る中央線快速を待っている時刻である。
階段を下りて、東海道線の連絡通路をトボトボと歩く。
既に、24時を廻っているが、大阪駅内にあるHeart-inは営業しており、ここで、明日の朝食と今夜の睡眠薬を購入しておく。空いていて良かった。
この時間帯になると、あちらこちらのホームから、終電の案内が聞こえてくる。旅立ちの駅とはほど遠い雰囲気である。どちらかと言うと、早く店じまいしたいのだが、厄介者が居るので、なかなか店じまいできない。といった感じが強い。
今や、大阪駅を24時34分に出発する、サンライズ瀬戸・出雲という列車は非常に特殊な存在なのだろう。
長距離列車用の9番10番ホームの階段を登る。
そして24時32分、定刻に列車がやってきた。静寂を破り入線案内と接近音がホームに鳴り響く。
今宵の宿は、図らずも、サンライズ瀬戸・出雲東京行きである。
スルスルと扉が開いて、少しだけ、ワクワクしながら、列車に乗り込む。
小生の部屋は**番、階下室である。既に就寝中の乗客が殆どだろうから、物音を立てず、ゆっくりと自分の部屋を探す。
空き部屋の扉は開放されているので、部屋を探すのは難しくない。
荷物を降ろす前に、折角の機会なので、先ず部屋の様子を記録しておく。
一畳余りのスペースに、ベッドが備わっている。眠るだけなら充分な広さである。ソロに比べて¥1,000高いだけあって、ベッドの幅は広く、荷物を置くのにも苦労しないし、扉付近にはくず物入れもある。濡れた傘を付近に置いた。
カーテンを開けると、ホームが目前にあってちょっとびっくりしたと同時に、嫌な出来事を思い出してしまったのだった。今宵、宛わわれたのは9号車、忘れもしない2006年7月3日の朝、今、自分の居る場所の下で”処理”が行われたはずである。
列車は間もなく、大阪を出発する。バージョンアップされたサンライズ瀬戸出雲のパンフレットを手にとってしげしげと眺める。
サンライズ瀬戸出雲は、深夜の東海道線を快走する。
高槻を通過したあたりで、扉をノックする音が聞こえた。
扉を開けると、
”大変、遅くなり申し訳ございません。切符を拝見させていただきます”と、
慇懃丁寧な挨拶で車掌さんが検札する。この辺の丁寧さは流石である。横暴な東海道新幹線とは比べ物にはならない。
これで漸く、睡眠体制に入れる。
アイマスクと耳栓、そして、マスクで武装し消灯する。と、部屋はほぼ完全な暗室となって、カーテン越しに漏れてくる街明かりだけが、時折部屋を照らし出す。
列車は、京都駅構内に入った様で、徐行しながら複雑なジョイントの上を走行する。
階下室だけあって、明かりは遮断できても、音は耳栓越しに大きく響く。空いていたかどうかは分からないが、同じシングルなら2階を指定しておくべきだったと、今更ながらに後悔した。
部屋が極めて乾燥しているのは経験済みだったので、敢えて、濡れた傘を室内に放置したのだが、それでも、喉の乾きは尋常では無い。
ペットボトルのお茶を飲む、変な夢を何度も見ながら、浅い眠りに就いた。
恐らく、米原付近だろうか?
本当に、喉が乾いて目が覚めてしまい、鞄の中のペットボトルのお茶を飲み干した。すると間の悪いことに目が覚めてしまい、そこから暫く、悶々とベッドの上で過ごす。階下室で聞く線路のジョイント音は半端では無い。それでも、名古屋通過の記憶は無いので、暫くは、眠っていたようである。
しかし、浜松あるいは静岡だろうか、停車の際に目が覚めてしまい、そこから暫くは眠れない。そして、眠っていたのか眠っていないのか分からない位の浅い睡眠でずーっと過ごし、暫くすると、3点チャイムが聞こえてきた。
”皆様おはようございます。本日は2月23日月曜日。列車は時刻通りに運行し、あと10分ほどで横浜に到着します、...”
結局、熟睡は叶わなかった。
一度、東京宅に戻るため、横浜で下車する。眠れなかったサンライズ瀬戸・出雲を京浜東北線ホームから見送って、やってきた電車に乗り込み、東神奈川で下車。横浜線に乗り換える。
始発駅から乗車したので、座席は確保できたものの、何故か眠れない。眠ろうとして眠れないまま、終点八O子まで過ごす。
一度、東京宅へ寄って、シャワーを浴びて着替えてから出社。唯でさえ冴えない雨の月曜日、辛い一日を過ごす羽目になってしまった。
大枚叩いて眠れぬ夜を過ごす位なら、羽田で夜明かしした方が余程良かったかも知れない。つい数年前まで、夜行列車で熟睡できていた自分が別人のように思えてならない。