TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

北野町の珈琲店

2013-02-28 | グルメ

神戸の異人館街にある萩原珈琲の北野店、昼下がりに訪ねた。

小ぶりのお店で、恰好いい男性がひとりで店を仕切っていた。

ベトナムの珍コーヒーもあったが、初めてなのでブレンドにした。

大倉の金の薔薇模様の器で出てきたのには驚いた。

私の好みを見破られたようで、一気に距離感がなくなった。

コーヒーは味・香りとも長年馴染んできた萩原そのものだった。

キレのよさは流石だった。

店内の造りがどこか違う。ふと気付いたのは、カウンターが西向きで

外光を採り入れる仕掛けになっている。

夕暮れ時は、きっと向かいの外壁が赤っぽいスクリーンのようになり、

高価なカップがシルエットで浮かぶのではないか。必見!

 


冬咲きチューリップ

2013-02-27 | 散策

ふと通りがかった兵庫県公館の前庭、

通行の男性がカメラを向けていた。

今にも花を開きそうな艶やかなチューリップ。

オランダから取り寄せた球根を温度処理し、

秋を春と勘違いさせて咲かせたそうな。

ちょっと可哀想な気もするが、

一足早い春をもらいました。


『古都』の舞台 北山杉の里

2013-02-26 | 散策

川端康成の名作『古都』、久しぶりに目を通した。

古都の風趣をくっきりと描きあげた川端の美文、

彼を虜にした“なにか”に触れてみたいと思い、北山杉の里に向かった。

周山街道を走り、中川の里に近づくにつれ

手入れの行き届いた「美しく真直ぐな幹」の杉林が目に入る。

中川の集落は、北山杉を扱う材木店が軒を連ねていた。

長年かけて築き上げた技が秘められているのだろう。

軒先に並べられた北山杉の丸太の美しさに惚れ惚れした。

美しさ・気高さ・温もりを併せ持つ北山杉、

『古都』の魅力を凝縮しているようにも思った。

 

 

 


北野天満宮の梅花祭

2013-02-26 | 散策

梅の花はまだ早いと思ったが、日付は25日。

手持ちのガイド本によると、この日は北野天満宮の縁日、

しかも2月25日は、お祀りしている菅原道真公の命日であり、

梅花祭が華やかに催される。

早速車を走らせ、天満宮に向かった。

境内では早咲きの梅の周囲に人盛りができ

しきりにカメラのシャッターを切っていた。

上七軒の綺麗どころの奉仕で大茶会が開かれていた。

天満宮を取り囲むように店開きをしていた 

古着や骨董、様々な食べ物、植木などの露店も大賑わい、

私もドライフルーツや器に手を出した。

つい乗せられるような空気に包まれていたのだろう。

 

天満宮の境内には約50種、1500本の梅がある。

ことしは寒さのせいで開花が遅れているが、まもなく見ごろとなるだろう。

特に梅苑には珍種の梅があるそうだ。


神護寺の堂塔

2013-02-25 | 散策

 

唐から帰った弘法大師空海が14年も過ごしたという真言の名刹、

紅葉の名所として知られる高雄の神護寺。

周山街道を左に折れ、清滝川沿いから参道の急な石段を登った。

閑散期であり、途中の茶店はどこも入り口を閉ざしたまま。

キラキラ光る粒子状の雪が舞い散る中、這々体で楼門にたどり着いた。

まず、孫の元気な成長を願い、受付で買った“かわらけ”を放り投げた。

この日広い境内で参拝者を見かけたのはたったおひとり、

金堂の中はなぜか心が洗れる雰囲気で、

りりしいお姿の薬師如来立像に、己の健康保持を願った。

離れた位置からの拝観だったのでよくは分からなかったが、

間近で見た五木寛之氏は「全体的に豊かで官能的な体つきで

ふっくらとした顔の像である。インドの神仏を思わせる螺髪という

パンチパーマのような髪型だ」と記している。

また、毘沙門堂、金堂、多宝塔が階段状に並んだ伽藍配置は、

見るからに立体的で、荘厳ななか霊気に満ち溢れていた。

この季節枝葉が落ちているため、中段の金堂と最上段の多宝塔を

重ねるようにしてみることができたのは何よりだった。

ただ、6月には渓谷で蛍が乱舞、秋には紅葉の鮮やかな彩り、

ぜひ再訪したいと思っている。

 

 

 

 


鳥獣戯画の高山寺

2013-02-25 | 散策

予定がキャンセルになり時間が取れたので京都北部・三尾の里に車を走らせた。

ターゲットは、高雄の神護寺、槙尾の西明寺、栂尾の高山寺の三名刹と

川端康成の名作「古都」の舞台になった北山杉の里・中川地区。

まず、国宝・鳥獣人物戯画で知られる高山寺を訪ねた。

 山門を入った左側の岩場の斜面に張り付いた苔は、陽光に照らされたまばゆい。

国宝の石水院は、明恵上人が住まいとしていた所で、簡素な造りだが気高さが漂っていた。

後鳥羽院の勅額「日出先照高山之寺」の思いが読み取れたような気もする。

裏参道の細い医師団はご覧のように静寂な山里を象徴するかのような雰囲気だった。

 

 


平野神社の寒桜

2013-02-25 | 散策

 

衣笠山の東に位置する平野神社は桜の名所、

境内には400本の桜があり、特に夜桜が人気のようだ。

今は小さな花をつける寒桜が彩りを添えている。

本殿は比翼春日造りというそうだ。(写真の奥にある建物)

特異な形をしており、目をひきつけられた。


春の兆し!老梅

2013-02-24 | 散策

 

きょうはあさから9000歩の散策をした。

この時期花はほとんどないが、

ある住宅の庭で咲いているまっ黄色の花

「老梅」を見つけた。

去年は、岡山後楽園の梅林で見かけた。

きょうはかなり冷え込んでいるが

春がもうそこまで来ていることを教えてくれた。

 


醤油の里の“近代建築”

2013-02-22 | 近代化遺産

油煙に燻されたような真っ黒の瓦と白壁、

淡口醤油発祥の地として知られる龍野の町のあちこちに

醤油蔵が残っています。

“播磨の小京都”と呼ばれるこの町の風情が気に入ったこともあり、

は桜の季節など折にふれ足を運んでいます。

 

この町でやや異質な雰囲気を醸しているのが、「うすくち龍野醤油資料館」とその「別館」です。

資料館の名の通り、往年の醤油作りの流れがひと目で分かる展示や、

貴重な資料が集められていますが、建物はいずれもルネッサンス風の近代建築です。

醤油醸造が産業として近代化に踏み出した時期と符合するようにも思えます。

資料館はヒガシマル醤油の本社として、また別館は龍野醤油協同組合の本館として使われていたそうです。

資料館を訪ねて嬉しくなるのが入館料です。

 

大人・子どもいずれも10円、しかも別館(日曜日のみ開館)も可。

多くの人たちに見てもらいたいという意図が伝わってきます。

そして別館2階には、温泉地の有馬で生まれた日本画の山下摩起画伯の作品が常設展示されています。

平成元年、神戸市立博物館で、橋本関雪・村上華岳・東山魁夷らと並ぶ

“神戸ゆかりの巨匠”として紹介された人物で、今年没後40年の記念展も開かれました。

私は取材という形で別館の陳列に少し関わりましたが、

ヒガシマルの文化芸術を大切にする姿勢に感服しました。

“近代化遺産”の継承には、少なからず当事者のこだわりが必要である思い知らされました。