東京で少し時間のゆとりがあったので、
特別名勝・特別史跡に指定されている
浜離宮恩賜庭園に脚を延ばした。
江戸城の出城で、
「江戸の潮風そよぐ浜御殿」と呼ばれるそうで、
入口の「中のご門」に近づくと潮の香りが漂ってきた。
園内に潮水を取り込んだ珍しい泉水庭園だ。
海辺リなので起伏らしいものはなく、
周りを取り囲んだ高層の建物が始終目に入ってくる。
借景と見れば、まさに今様の庭になってしまうが、
ここは評価の分かれるところであろう。
ただ、都立文化財ということで、
入園料は京都などと比べるとべらぼうに安く、
私の場合(65歳以上)なんと150円、音声ガイドも無料。
「何をいまさら」という声が聞こえてきそうだが、
この大名庭園を愉しむのは外国人ばかり、
日本の人ももっともっと日本庭園に興味を持ってもらいたい。
連休初日、奈良に向かった。
到着即案内所に駆け込み、お薦めの紅葉スポットを訪ねた。
そこで出た言葉が「今年はねえ・・」
暖かい日が続いているため、
葉が色づかないまま枯れて落ちてしまっているという。
次は西ノ京の唐招提寺に向かった。
南大門を入ると清浄な空気があふれている。
金堂の千手観音など3体の仏様は圧巻、
最古といわれる校倉の経堂等も圧巻。
建物と石塔にかかる紅葉は遠慮がちだが実に美しい。
きょう21日からは、御影堂が特別公開され、
国宝の鑑真和上坐像を拝することもできる。
東山魁夷画伯の障壁画も見応えがある。
もし時間がおありなら一度ご覧になってはいかが、
但し公開は23日まで。
この日、町田に住む長男夫婦と武相荘を訪ねた。
白洲二郎と白洲正子の旧邸である。
武蔵と相模の国境にあるので「武相荘」と命名したようだが、
“無愛想”の意も込めているようだ。
かれこれ10年ほど経つだろうか、
前回訪ねたときとはかなり雰囲気が違ったいた。
白洲夫妻の体臭とでも言えばいいのか、
当時を忍ばせる雰囲気が伝わってきたが、
今回はやや様子が変わり、お洒落な感じだった。
カフェ・レストランも洗練され、アイスクリームは絶品だった。
きっと世代を超えて
白洲夫妻の来し方を知ってほしいという願いからだろう。
私は正子氏の滋賀・奈良好きに共鳴、
『かくれ里』などに記された地をあちこち巡っている。
次郎氏は私の住む神戸北区とは隣り合わせの三田、
勝手に近しく思っている。