何時も行っている歯科の待合所に昔よく見た電話器があった。皆んな携帯を持っているからなくてもいいのでは、と思ったがよく考えてみるとこの電話器は実用品ではなくて、お宝予備品になっているのかも、、、ダイヤル式を使っていた80才こえからするとまだ新しいのだけれど、、今の人には骨董品の域に入っているだろう、通信の進歩は驚かされる。
82才の老夫婦は少しボケ始めているけれど2人で楽しい老後を過ごしている。奥さんが作ってくれる食事が待ち遠しい生活だ。自作のウッドデッキで食事したり、弁当作って海岸へ、偶には友と外食へ行く。2人して度々口にするのは「食べられなくなれば終わりだね」という事だ。
昨日瀬戸内海に面した松山市北条の道の駅 風和里 へ行った。広い砂浜の海では若者が泳いだりスタンディングサーフボードに興じていた。直ぐ前に鹿が住む 鹿島 と言う小さな島もある。売店で買った蕗と近所でもらったタケノコと朝トレのコイカの煮物は絶品だった。高級料亭で出されるご馳走よりも数段旨かった。今日は心電図、エコー、レントゲンの検査日だったが81才の体に合格点を貰った。奥さんの野菜中心の手作り料理のおかげだ！
毎日自転車で4km走って埠頭の突堤の先端まで行っている。正面にしまなみ海道の来島海峡大橋が見える。今日は10人ほど釣り人がいた。大きなタマを引き上げている若者がいたので近付いて覗くと、大きなこぶ鯛を釣り上げていた。大きいね、と声を掛けた、ところが釣り上げたこぶ鯛に喜んでる様子もなかったので、不思議に思って、持ち帰って食べるの、と言うと、先日は食べましたがリリースしますと言って、サッと掴み上げると放り投げた。海面を見ると、こぶ鯛は海面に当たったショックで一瞬動かなかったが、あっという間に見えなくなった。
英語のミステリーで限られた老人の時間を崩している。もっと有意義な時間の使い途があるのでは、と思ったりもするけれど80を越えてしまった老人が目指すものなどない。毎日の5〜10ページの英文を読んでいる時が至福の時間だ。後どれほど読めるかわからないけれど読書できる間は続けたい。長編推理小説の最初の作家と言われているウイルキーコリンズを読みたくなってAmazonへ注文すると在庫なしで、ペーパーバックでなく高価なハードカバーになってイギリスから直送で2週間待ってヤット届いた。明日からまた楽しみが増えた！
200m歩くと川があって両岸は桜が満開になった。手作り弁当に携帯椅子を高齢者用のカートに積んで曳きずって行く道沿いの墓地に“軍人墓“沢山ある。数えてみると20基ほどあった。ここは１つの部落の墓だから驚く数だ。終戦間際の戦死者の墓もあって戦争の悲惨さが胸をうつ。真珠湾攻撃の前年に生まれた自分は現在のウクライナの凄惨な様子をみると虚しさを覚える。プーチンと言う1人の人の思いが引き起こしている無慈悲な戦争を国連も誰も止められないことへ歯痒さが募る。ロシアに原爆が無ければ世界を相手に戦争は出来ないのだが、、、原爆は恐ろしい！
毎日本を読むけれど遅読の上に少しすると目のピントがずれて二重になって乱視状態になる。やっと読み終えたミステリーの”The Word is Murder“は400頁もあったので3ヶ月も楽しませてもらった。その対価が1800円だった。後期高齢者の趣味としては超安価だ！そして肝心のミステリーは最高に面白かった。Daily ExpressとGuardianの書評の通りです。
そして図書館の新刊コーナーで見つけた“戦争の文化“上下も読み終わった。丁度ロシアがウクライナへ侵攻したタイミングだったので戦争を引き起こすのはリーダーとブレーンの資質、選民意識、情報収集力不足、解析能力不足、殺人への不感症、、などなど、、真珠湾攻撃、、原爆投下、無差別爆撃、イラク侵攻、、みんなに読んで欲しい本だった。
