中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

新春の紬の装い

2017年01月05日 | 着姿・作品
初春のお喜びを申し上げます。
今年もよろしくお願い致します。

東京は天気に恵まれ穏やかなお正月三が日でした。
日常とは違うのんびりとした時間を過ごさせてもらいました。





さて、昨年末のブログでも触れましたが、今年は着物を着ることの精度を高めたいと思い、着物の寸法、着方、取り合わせもチェックしようと思います。
お正月の外出の際に早速自作の紬で出掛けました。

今まで自分の着ることに関しては二の次三の次のところがありましたが、残りの人生のことを考えますと、そろそろあわてなければ・・(^^ゞ
また、そのことがいろいろな意味で創作の上にも重要だと思うからです。

画像は桜染のすくい織り着物ですが、この紬は帯の取り合わせ次第でドレッシーな装いにもなります。紬といっても様々です。現代感覚に合う、いろいろな感じの紬をこれからも創っていきたいと思います。 画像詳細はこちらで。

何着かある紬の寸法も様々であったことを確認しました。
採寸からしてもらえば大丈夫とも言えなくて、仕立て屋さんや呉服屋さんの考え方も様々です。自分の中でどの寸法がベストなのかを自分で確認することが大事なのですね。

画像の着物は身丈が短めですが、案外おはしょりがすぐ決まり、着やすいです。
身長と身丈を同寸にする方が多いと思いますが、それよりも1寸短いです。
腰紐は腰骨のすぐ上で締めています。
もっと帯を下に締める場合は身丈ももう少しあったほうが良いかもしれませんが、着方と寸法はリンクするものですので、おまかせで仕立ててきた初心者の方は、着やすい寸法を着方とセットで考えて見直すのが良いと思います。

一般には今の時代はおまかせで仕立てますと大きめになりがちです。
身幅や抱幅も大きすぎると着にくかったり、着付けに余分な部分の処理などをしなければならず、時間もかかってしまいます。


この藍の着物の前後の抱幅は抱き詰め(裾巾より身八つ口にかけ狭くする)ではなくなぜか通しになっていて、胸のあたりのダブつきが大きいです。
ある仕立て屋さんは身体の寸法から割り出す場合は腰幅と胸囲の差をみて抱き巾を詰めるか通しにするかを決めますということでしたが、この辺も衿の合わせ方もありますし身体のサイズから判断するのも難しいところですね。

工房でも紬などの洒落着の着物、帯の仕立てを受けておりますので、お手持ちの寸法の細かなご相談事も承りますのでお問い合わせ下さい。

展示に関しましては今年は5月に「紬の会」を予定していますが、夏以降は展示会は控えめに、糸染めの仕事に特に力を入れ色糸の在庫を増やしたいと思っています。私はたくさんの糸の中からデザインを決めていくやり方ですので、染められた豊富な糸がなければ始まりません。展示会続きで染の時間がとれず、量的にも色数的にも少なくなってきました。
植物の時期を見ながら本当に紬の着物として深い好い色とは・・を見極めながらじっくり染めたいと思ってます。時間をかけ醸成させることも大事な仕事です。

今年も創ること、着ることを総合的に高めるとともに、未来へ伝えることもしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。





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