「お、昨日帰ってこなかったイズミくんは、週末疲れで、早帰りか!」
と、月曜日の夜、僕が、華厳寮に帰ると、沢村イズミ(23)の姿がそこにはあった。
「会社だって、いつもは、9時を過ぎないと帰ってこないし・・・」
と、僕が言うと、
「まあ、図星だな。ちょっと週末の疲れが溜まって・・・早引けしてきたよ」
と、イズミはタバコを吸いながら、しれっと答える。
「まあ、でも、恋人同志、付き合い始めは、楽しいからね。そうなるのは、よくわかる」
と、僕も経験上、納得するものがある。
「まあ、お互い、いろいろ知りたいし、見るもの聞くものすべてが新鮮だし、楽しいし・・・笑顔が絶えないからな」
と、イズミはクールにしゃべる。
「エッチだって、新鮮だし・・・今が、一番楽しい時期かもしれないな」
と、イズミはいたってクールだ。
「まあ、そうだろうな・・・」
と、僕も自分の実体験から、頷いている。
「そのうち、お互いの欠点が見えるようになる・・・そうなった時だ・・・そうなった時に相手を受け入れられるか、どうかで、お互いの運命が決まる・・・」
と、イズミはクールにしゃべる。
「結局、おんなは、中身だ・・・その前に「外見」というパスポートが必要だけどね・・・「外見」は予備審査に参加する為のパスポートに過ぎない・・・そして、性格が審査される・・・」
と、イズミはクールにしゃべる。
「ということは、逆もまた真ということになるんじゃん?」
と、僕が言う。
「え?ああ、俺がイケメンだってことも、パスポートに過ぎないってことか?・・・まあ、そうだな。俺の欠点は中身だからな。それは俺自身知り抜いている」
と、イズミはクールにしゃべる。
「俺が、イケメンだってことだけで、満足して俺についてくる、そういう女性を、俺は探しているのさ。多少の性格の欠点はおおめに見てくれる。そんなおおらかな女性を、ね」
と、イズミは素直だ。
「自分の弱さを直そうとは、思わないの?」
と、僕が聞くと、
「男は弱いもんさ・・・違う?」
と、イズミは僕に言う。
「ま、そうだな・・・特に俺たちは、まだまだ、若い・・・強くなるのは、もう少し大人になってからだろうな・・・」
と、僕が素直に言うと、
「そういうことだ。今はこれで、いい・・・」
と、イズミは満足するように、煙を吐き出す。
「それよりさ・・・ちょっと相談に乗ってくれないか。俺、ある女性のことで、困っているんだよ」
と、僕が言うと、
「女性の思惑がわからない・・・そういう話か?」
と、イズミは鋭い。
「ああ、実は・・・」
僕は、アイリさんとの間にあった出来事、背景、彼女の性格、その他、話せる話を出来るだけイズミに話した。
「ふうん。そのアイリさんと出会った経緯は、どういうことなんだ?」
と、イズミは真面目に聞いてくれる。
「ああ・・・あれはまだ、俺が大学院生をしていた頃だ。俺は大学で医療用のサポートロボットの研究をしていた。まあ、介護ロボットの一種だな・・・」
と、僕は説明する。
「まあ、まだアクチュエーターの能力が不足していて・・・つまりモーターの能力がイマイチだったもんだから、寝たきりの女性をひとり持ち上げられるかどうかってところでね」
と、僕は話す。
「だから、腕は2本にこだわらず、4本の腕で支えることにして成功したんだ。まあ、他にもいくつか、介護関連について研究していてね・・・」
と、僕は話す。
「その研究が賞を取ったもんだから・・・彼女が取材に来たんだ・・・それが僕らの出会い」
と、僕は話す。
「僕は当時、母親を亡くした直後だった。そんな僕にアイリさんは、大学時代に亡くした弟の面影を見た・・・そのことが二人を強力に接近させた・・・そういうことだ」
と、僕は話す。
「僕はアイリさんを母親・・・あるいは姉という存在として見ていた・・・そういう気持ちだったんだ。そして、アイリさんも「東京の姉」と自負していた・・・それが・・・」
と、僕が説明する。
「なるほど、その「東京の姉」に唇にキスをされ・・・彼女はうれしそうに、走り去った・・・なるほど・・・」
と、イズミは話に納得したようだ。
「で・・・アイリさんは、どうなっちゃったんだ?教えてくれ・・・」
と、僕が真顔で、イズミを見ると、
「「女性は、理由さえあれば、本能の赴くままに、行動する」・・・そういうことさ。一言で言えばね」
と、イズミはクールに話す。
「大学時代にパパに会ったアイリさんは、パパに会った瞬間、パパに恋してたんだよ。「あ、彼、好き・・・」そういう感情が彼女には最初から、あったんだよ」
と、イズミは話す。
「パパは、最初にアイリさんに会った時に、アイリさんにこう聞かれなかった?「恋人はいるの?」って・・・」
と、イズミは質問してくる。
「ああ・・・そう言えば・・・そんな質問されたっけ・・・当時はエイコと、もちろん、つきあっていたから・・・そういう話もした・・・」
と、僕は答える。
「やっぱりね・・・アイリさんは、最初からパパの彼女になりたかったんだよ。でも、パパには彼女がいる。しかも、パパは年下だ・・・」
と、イズミは話す。
「だから、アイリさんは、「東京の姉」ということで、関係性を作ったのさ」
と、イズミは話す。
「そのアイリさんの行動は、エイコさんに筒抜けだったんじゃないかな。だって同じおんなだろ。やることの真意は見えている・・・」
と、イズミは話す。
「となると・・・もしかして、パパにアイリさんに会うことを勧めたのは、エイコさんじゃないか?」
と、イズミは鋭く指摘してくる。
「うん、そうだよ・・・エイコに示唆されて・・・それでアイリさんに会うことになったんだ!」
と、僕が驚きながら話すと、
「なるほど・・・エイコさんはアイリさんの真意を知っていたんだ・・・だから、自分がパパを諦めた以上は、その席をアイリさんに譲ったんだよ」
と、イズミは話す。
「え?・・・そういうことなの?」
と、僕は思わずビックリしてしまう。
「そして、アイリさんは・・・多分、エイコさんがいなくなったパパを、落としに来たんだ・・・白いワンピース姿だったんだろ、そのアイリさんって女性・・・」
と、イズミは聞く。
「うん・・・美しい、白いワンピース姿だった・・・仕事用のスーツから、わざわざ着替えて来ていた・・・アイリさん・・・」
と、僕はつぶやく。
「やっぱりな・・・アイリさんは、パパの嗜好を知ってたんだよ。パパが背の高い女性を好んでいるのを、そのアイリさんという女性は知り抜いていた・・・」
と、イズミは話す。
「さらに、すらりと背の高い女性を美しく見せるのは、白いワンピース姿だ・・・彼女は最高の戦力で、落としに来たんだよ。パパを・・・」
と、イズミは話す。
「そして、パパも、オッケーだよって言うメッセージを出さなかった?例えば、エイコさんとは、もう終わった、次はアイリさんだ的な・・・」
と、イズミは指摘する。
「あ!・・・」
と、僕は当日の夜の行動を思い出し、青ざめる。
「「エイコと行きたかった店だったから、ぜひ、アイリさんと来たかったんです」って、その店を紹介しちゃった・・・」
と、僕は言う。
「さらに・・・誕生日プレゼントを・・・アイリさんに渡した・・・」
と、僕が言うと、
「だろ・・・つまり、それは彼女にとっては、「エイコさんとは別れました。今僕はフリーです。で、次はアイリさんにしたいです!」って言ってるようなもんだろ・・・」
と、イズミは少し呆れながら、解説してくれる。
「だから、彼女はそのパパからのメッセージをしっかり理解し、「もう大丈夫だわ。わたし、本能に従って恋に落ちていいんだわ」って決意させちゃったんだよ」
と、イズミは解説してくれる。
「だから、彼女は酔ったふりをして、パパの唇を奪った。しあわせな気持ちだったから、笑顔になった・・・それだけのことだよ」
と、イズミは解説してくれる。
「パパがオッケーを出したから、アイリさんは本能に従って行動し、しあわせな気持ちになった・・・まさに男と女の行動だよ・・・」
と、イズミはしっかりと解説してくれる。
「そうか・・・俺がオッケーを出しちゃったんだ・・・」
と、知らず知らずの自分の行動の意味に、驚く僕。
「まあ、もう少し言うと、アイリさんという女性が、本当に酔っていたのか、酔ったふりをしていたのか、で、状況は変わってくるけどね」
と、イズミは解説してくれる。
「もし、アイリさんが酔っていたのなら、たまたま、理性が飛んで、本能的に動いてしまった、ということになるけどね」
と、イズミは言う。
「酔っていたふりをしていたなら・・・アイリさんは、今後、パパと付き合う方向で絶対に動いてくる。絶対にね・・・それが女性というものさ」
と、イズミは言う。
「つまり、どちらにしろ、次はパパの番だ。パパが今後、アイリさんと、どう付き合いたいかを決めるんだ。それが男の役割ってもんだ」
と、イズミは言う。
「決断の時だよ、パパ」
と、イズミは最高裁判所の長官のように、冷静な目で僕を見つめる。
「俺、どうしたら、いいんだろ・・・」
僕は自分の手を見ながら、自分のしてしまったことの意味をひたすら考えていた。
「俺、アイリさんと、どうなりたいんだろ・・・」
僕は言葉もなく、ただただ、自分の手を見つめているだけだった。
鎌倉の夜は、静かに更けていった。
(つづく)
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と、月曜日の夜、僕が、華厳寮に帰ると、沢村イズミ(23)の姿がそこにはあった。
「会社だって、いつもは、9時を過ぎないと帰ってこないし・・・」
と、僕が言うと、
「まあ、図星だな。ちょっと週末の疲れが溜まって・・・早引けしてきたよ」
と、イズミはタバコを吸いながら、しれっと答える。
「まあ、でも、恋人同志、付き合い始めは、楽しいからね。そうなるのは、よくわかる」
と、僕も経験上、納得するものがある。
「まあ、お互い、いろいろ知りたいし、見るもの聞くものすべてが新鮮だし、楽しいし・・・笑顔が絶えないからな」
と、イズミはクールにしゃべる。
「エッチだって、新鮮だし・・・今が、一番楽しい時期かもしれないな」
と、イズミはいたってクールだ。
「まあ、そうだろうな・・・」
と、僕も自分の実体験から、頷いている。
「そのうち、お互いの欠点が見えるようになる・・・そうなった時だ・・・そうなった時に相手を受け入れられるか、どうかで、お互いの運命が決まる・・・」
と、イズミはクールにしゃべる。
「結局、おんなは、中身だ・・・その前に「外見」というパスポートが必要だけどね・・・「外見」は予備審査に参加する為のパスポートに過ぎない・・・そして、性格が審査される・・・」
と、イズミはクールにしゃべる。
「ということは、逆もまた真ということになるんじゃん?」
と、僕が言う。
「え?ああ、俺がイケメンだってことも、パスポートに過ぎないってことか?・・・まあ、そうだな。俺の欠点は中身だからな。それは俺自身知り抜いている」
と、イズミはクールにしゃべる。
「俺が、イケメンだってことだけで、満足して俺についてくる、そういう女性を、俺は探しているのさ。多少の性格の欠点はおおめに見てくれる。そんなおおらかな女性を、ね」
と、イズミは素直だ。
「自分の弱さを直そうとは、思わないの?」
と、僕が聞くと、
「男は弱いもんさ・・・違う?」
と、イズミは僕に言う。
「ま、そうだな・・・特に俺たちは、まだまだ、若い・・・強くなるのは、もう少し大人になってからだろうな・・・」
と、僕が素直に言うと、
「そういうことだ。今はこれで、いい・・・」
と、イズミは満足するように、煙を吐き出す。
「それよりさ・・・ちょっと相談に乗ってくれないか。俺、ある女性のことで、困っているんだよ」
と、僕が言うと、
「女性の思惑がわからない・・・そういう話か?」
と、イズミは鋭い。
「ああ、実は・・・」
僕は、アイリさんとの間にあった出来事、背景、彼女の性格、その他、話せる話を出来るだけイズミに話した。
「ふうん。そのアイリさんと出会った経緯は、どういうことなんだ?」
と、イズミは真面目に聞いてくれる。
「ああ・・・あれはまだ、俺が大学院生をしていた頃だ。俺は大学で医療用のサポートロボットの研究をしていた。まあ、介護ロボットの一種だな・・・」
と、僕は説明する。
「まあ、まだアクチュエーターの能力が不足していて・・・つまりモーターの能力がイマイチだったもんだから、寝たきりの女性をひとり持ち上げられるかどうかってところでね」
と、僕は話す。
「だから、腕は2本にこだわらず、4本の腕で支えることにして成功したんだ。まあ、他にもいくつか、介護関連について研究していてね・・・」
と、僕は話す。
「その研究が賞を取ったもんだから・・・彼女が取材に来たんだ・・・それが僕らの出会い」
と、僕は話す。
「僕は当時、母親を亡くした直後だった。そんな僕にアイリさんは、大学時代に亡くした弟の面影を見た・・・そのことが二人を強力に接近させた・・・そういうことだ」
と、僕は話す。
「僕はアイリさんを母親・・・あるいは姉という存在として見ていた・・・そういう気持ちだったんだ。そして、アイリさんも「東京の姉」と自負していた・・・それが・・・」
と、僕が説明する。
「なるほど、その「東京の姉」に唇にキスをされ・・・彼女はうれしそうに、走り去った・・・なるほど・・・」
と、イズミは話に納得したようだ。
「で・・・アイリさんは、どうなっちゃったんだ?教えてくれ・・・」
と、僕が真顔で、イズミを見ると、
「「女性は、理由さえあれば、本能の赴くままに、行動する」・・・そういうことさ。一言で言えばね」
と、イズミはクールに話す。
「大学時代にパパに会ったアイリさんは、パパに会った瞬間、パパに恋してたんだよ。「あ、彼、好き・・・」そういう感情が彼女には最初から、あったんだよ」
と、イズミは話す。
「パパは、最初にアイリさんに会った時に、アイリさんにこう聞かれなかった?「恋人はいるの?」って・・・」
と、イズミは質問してくる。
「ああ・・・そう言えば・・・そんな質問されたっけ・・・当時はエイコと、もちろん、つきあっていたから・・・そういう話もした・・・」
と、僕は答える。
「やっぱりね・・・アイリさんは、最初からパパの彼女になりたかったんだよ。でも、パパには彼女がいる。しかも、パパは年下だ・・・」
と、イズミは話す。
「だから、アイリさんは、「東京の姉」ということで、関係性を作ったのさ」
と、イズミは話す。
「そのアイリさんの行動は、エイコさんに筒抜けだったんじゃないかな。だって同じおんなだろ。やることの真意は見えている・・・」
と、イズミは話す。
「となると・・・もしかして、パパにアイリさんに会うことを勧めたのは、エイコさんじゃないか?」
と、イズミは鋭く指摘してくる。
「うん、そうだよ・・・エイコに示唆されて・・・それでアイリさんに会うことになったんだ!」
と、僕が驚きながら話すと、
「なるほど・・・エイコさんはアイリさんの真意を知っていたんだ・・・だから、自分がパパを諦めた以上は、その席をアイリさんに譲ったんだよ」
と、イズミは話す。
「え?・・・そういうことなの?」
と、僕は思わずビックリしてしまう。
「そして、アイリさんは・・・多分、エイコさんがいなくなったパパを、落としに来たんだ・・・白いワンピース姿だったんだろ、そのアイリさんって女性・・・」
と、イズミは聞く。
「うん・・・美しい、白いワンピース姿だった・・・仕事用のスーツから、わざわざ着替えて来ていた・・・アイリさん・・・」
と、僕はつぶやく。
「やっぱりな・・・アイリさんは、パパの嗜好を知ってたんだよ。パパが背の高い女性を好んでいるのを、そのアイリさんという女性は知り抜いていた・・・」
と、イズミは話す。
「さらに、すらりと背の高い女性を美しく見せるのは、白いワンピース姿だ・・・彼女は最高の戦力で、落としに来たんだよ。パパを・・・」
と、イズミは話す。
「そして、パパも、オッケーだよって言うメッセージを出さなかった?例えば、エイコさんとは、もう終わった、次はアイリさんだ的な・・・」
と、イズミは指摘する。
「あ!・・・」
と、僕は当日の夜の行動を思い出し、青ざめる。
「「エイコと行きたかった店だったから、ぜひ、アイリさんと来たかったんです」って、その店を紹介しちゃった・・・」
と、僕は言う。
「さらに・・・誕生日プレゼントを・・・アイリさんに渡した・・・」
と、僕が言うと、
「だろ・・・つまり、それは彼女にとっては、「エイコさんとは別れました。今僕はフリーです。で、次はアイリさんにしたいです!」って言ってるようなもんだろ・・・」
と、イズミは少し呆れながら、解説してくれる。
「だから、彼女はそのパパからのメッセージをしっかり理解し、「もう大丈夫だわ。わたし、本能に従って恋に落ちていいんだわ」って決意させちゃったんだよ」
と、イズミは解説してくれる。
「だから、彼女は酔ったふりをして、パパの唇を奪った。しあわせな気持ちだったから、笑顔になった・・・それだけのことだよ」
と、イズミは解説してくれる。
「パパがオッケーを出したから、アイリさんは本能に従って行動し、しあわせな気持ちになった・・・まさに男と女の行動だよ・・・」
と、イズミはしっかりと解説してくれる。
「そうか・・・俺がオッケーを出しちゃったんだ・・・」
と、知らず知らずの自分の行動の意味に、驚く僕。
「まあ、もう少し言うと、アイリさんという女性が、本当に酔っていたのか、酔ったふりをしていたのか、で、状況は変わってくるけどね」
と、イズミは解説してくれる。
「もし、アイリさんが酔っていたのなら、たまたま、理性が飛んで、本能的に動いてしまった、ということになるけどね」
と、イズミは言う。
「酔っていたふりをしていたなら・・・アイリさんは、今後、パパと付き合う方向で絶対に動いてくる。絶対にね・・・それが女性というものさ」
と、イズミは言う。
「つまり、どちらにしろ、次はパパの番だ。パパが今後、アイリさんと、どう付き合いたいかを決めるんだ。それが男の役割ってもんだ」
と、イズミは言う。
「決断の時だよ、パパ」
と、イズミは最高裁判所の長官のように、冷静な目で僕を見つめる。
「俺、どうしたら、いいんだろ・・・」
僕は自分の手を見ながら、自分のしてしまったことの意味をひたすら考えていた。
「俺、アイリさんと、どうなりたいんだろ・・・」
僕は言葉もなく、ただただ、自分の手を見つめているだけだった。
鎌倉の夜は、静かに更けていった。
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