趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『微笑む人』 貫井 徳郎

2012年10月24日 | 
新聞広告を見て図書館に予約を入れたと思うのですが、
手元に来た時には、どんな内容なのか、何に興味を惹かれたのかすっかり忘れていました。

帯を見て、へぇ~ミステリーなんだと思いました。
ミステリーは久々です。



物語は、エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された
安治川事件から始まります。

その‘意外な理由’から、この事件に興味をもった小説家の「私」が、
ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材をする形で物語は進んでいきます。

取材を重ねる小説家に呼応するように、仁藤俊実という人物に興味をそそられます。
そして、共に謎に迫るかのような気持ちに駆り立てられて、
あっという間に読んでしまいます。

読みながら、強く思ったことは、「何だかコワイ」です。
表紙の微笑みが怖くて、常に本を伏せて置いていました。
オカルト的でも、ホラーでもないのに「コワイ」のです。
その怖さが何なのか、知りたくてまた本を手にとってしまうのです。

その、「知りたさ」というのは、まさに著者の意図かもしれません。
どんな事であっても、「よくわからない」は人を不安にさせますよね。
だからといって、解明されることはほんのわずかな部分でしょう。
多くはよく分からない、謎に包まれた危うさに満ちているもの・・・。

物語の終わりは、感想が分かれそうです。
私には、とても印象深く残りそうです。。


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