趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「切羽へ」井上荒野  

2009年01月09日 | 
今年初読書は、井上荒野さんの「切羽へ」。
井上さんの作品は初めてです。

とてもとても良かったです。
読み始めてすぐに思いました。
あっ、好きな作家だと。

久しぶりに‘手馴れた作家’の
作品を読んだという感じがしました。

‘切羽’という言葉を知りませんでした。
最初‘せっぱ’と間違えていました。
‘それ以上前に進めない先’という解説に
なるほど。

表現の仕方なのか
言葉の選び方なのか
情景が匂い立つように感じました。
季節の漂う空気や湿気や体温が
そのまますっと運び込まれてくる感覚。

一つ違和感を持ったのは
主人公の年齢です。
若く感じないのです。
同年齢の感じ、作者と近い年齢に
どうしても感じてしまい
そのあたりの設定に戸惑いを覚えました。
ただ単に、自分が若くないというだけなのかもしれませんが。

「妻って人種はきっとみんな妖怪なのね」P-198
この台詞に、笑ってしまいました~
そして、井上さんは結婚されているのかしら、
と思いました。
でも、私も妖怪かも、と思ってしまったのも事実です。

オススメのコメントありがとうございました。
近いうちに、この著者の別な作品も読んでみたいです。。





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4 コメント

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こんにちは (ソルト)
2009-01-11 15:47:40
井上さん、結婚しているらしいですよ。
この本の具体的な物語の構想ができあがったのは結婚したころで、大切な人と暮らす幸福感の一方で、「もしも、互いに別に愛する人が現れたら・・・」と考えたとき、恐怖感に包まれた、と書いた記事を目にしたことがあります。
ずいぶん前ですが、新聞の読書欄の相談コーナーで井上さんの回答を読み、すっかり好きになりました。(新聞の切り抜きをとってあったので、長くなりますが紹介させてね)
ママ友達が苦手な主婦の相談に・・・
付き合うのが苦手ならば付き合わなければいいのです。私は、あなたというよりは、この種のことで悩んでいる世の中のすべてのママたちに向かって、仁王立ちになってそう言いたいです。私の母は、幼い私を公園で遊ばせながら、傍らのベンチでいつもひとり本を読んでいました。「公園デビューの極意」「ママ友達の中で浮かないお洋服マニュアル」云々の雑誌の見出しを見るたびに「どうかしてる」と思います。
ママ友達と仲良くしないと、子供がいじめられてしまうという意見もありますね。しかしこの世が、マニュアル通りに行動しないと排斥される場所なのだとしたら、従う努力ではなくて闘う努力をするべきです。
・・・と、みょうにテンションがあがっているのは、長嶋有『猛スピードで母は』を読んだせいです。
(悩みを解決するには、どんな本を読んだらいいかという相談コーナーなので、『猛スピード~』の本の解説が続きますが、省略しますね)
このような母のようになれとは言いません。すばらしく孤独で、圧倒的にたくましいこの母を、あなたはこっそり心の中に飼うのです。そうして、何食わぬ顔をして、ママ友たちとお茶を飲めばいいのです。

長々と失礼しました。
今は日曜版の書評を担当していて、今日は角田光代の新刊『森に眠る魚』でした。
お父様も作家でしたが、お母様もさすがですね。
ステキな大人 (Poke)
2009-01-12 10:36:57
ソルトさん、こんにちは。
井上さん情報をありがとうございました。切り抜きのご紹介、感激しました。ステキな方ですね~
私自身もママ友付き合いに距離を置きたい方でしたので、こんな回答はほっとします。
悩みの多い若い人を励ますようなステキな大人が増えるといいな、と心から思います。自分自身そうなれるよう精進の心意気だけは満々なのですが(^_^;)

好きな作家の本は、早く先が読みたい気持ちと、ページを繰るのがもったいなくて丁寧にゆっくり読みたい気持ちが交錯して楽しいです。この「切羽へ」を読み始めてすぐにその気持ちにとらわれて、本を読む幸せに浸れました。
早速昨日図書館で井上さんの著書をたくさん仕入れてきました。楽しみです!!
切羽へ (オカダ)
2009-01-14 18:07:12
Pokeさん、こんばんは。
Pokeさんも気に入ったんですね。僕もすごくいい小説だと思いました。

主人公の年齢、Pokeさんから見ると違いがはっきりわかるのですね。男からするとそのへんは想像してみるしかないのですが。

早速他の本も借りてきたとは、素速いですね。また紹介してもらえるのを楽しみにしています。
オカダさんへ (Poke)
2009-01-15 17:56:41
オカダさん、こんばんは。
『切羽へ』、おススメいただいてありがとうございました。とても良かったです。

>主人公の年齢、Pokeさんから見ると違いがはっきりわかるのですね。

いえいえ勝手な印象です。井上さんの感覚がとても身近に自然に感じられたので、そのように勘違いしたのだと思います。そのことを確認したい気持ちもあって、別な著作も読んでみようと思いました。

子どもの頃から、読んで気に入るとその作家の本を飽きるまで読みつくす、という読書スタイルは変わりません。井上さんは久しぶりにそのように感じた作家です。ただ、最近はとみに読むスピードが落ちて、もどかしく、まさに牛歩という感じです(^_^:)

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