今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

国際人種差別撤廃デー

2005-03-21 | 記念日
今日(3月21日)は「国際人種差別撤廃デー(International Day for the Elimination of Racial Discrimination)」
1966(昭和41)年の国連総会で制定。国際デーの一つ。
1960年のこの日、南アフリカのシャープビルで、人種隔離政策(アパルトヘイト)に反対するデモ行進に対して警官隊が発砲し、69人が死亡した。この事件が、国連が人種差別に取り組む契機となったことから、人種差別撤廃のための記念日とされた。この日は、世界中で人種差別の撤廃を求める運動が展開される。(Wikipedia - 国際人種差別撤廃デー より)
南アのアパルトヘイト政策はその初期から国際的な非難を浴びていたが、1980年代後半には国内で非常事態宣言が出され、国連からも集中的に批判されるようになった。1987年に製作された、リチャード・アッテンボローの『遠い夜明け』という映画は、アパルトへイトの黒人指導者スティヴ・ビコと、新聞社の白人リベラル編集長ドナルド・ウッズの交友を元にした、完全なドキュメンタリーとして仕上げた作品である。ビコと黒人居住区に出入りするようになったウッズは、アパルトヘイトの裏側を知り、体制批判を強めていく。この映画は製作の過程から、命の危険を感じるほどの脅迫や妨害を受けたともいう。しかし、アッテンボローの熱意に突き動かされて、一流の映画人が結集して作成され、非常に見ごたえのある映画となった。特に、ビゴ役を演じたデンゼル・ワシントンの熱演は見ごたえがあった。 映画は、ウッズが1976年6月16日の「ソウェト蜂起」を回想する場面で終わる。この蜂起に参加した高校生はビコが1968年に黒人大学生の全国組織を結成、その下部組織に参加していたものたちだった。ビコは翌1977年8月に拘束され、9月12日に治安警察による暴行が原因で獄死した。その後、1994年、ネルソン・マンデラによる、黒人政権誕生で、アパルトヘイトは終焉したが、現在もソウェト(旧黒人居住区)の状況は余り変らないという。
南アフリカとは遠い国の日本の反アパルトヘイト運動は積極的なものではなく、南アとのスポーツ・文化交流の禁止、対ローデシア貿易制裁、対南ア武器禁輸など、国連総会や安保理の決議にもとづき、日本政府も企業もそれに従うべきだ」といった程度のものであった。
アパルトヘイト政策とは関係ないが、人種差別問題の話が出ると、『ちび黒サンボ』の絵本や、カルピスの黒人をモチーフにしたマークや「だっこちゃん」、また、サンリオの夏向け商品のキャラクター「サンボ&ハンナ」などが黒人差別として批判れ、消えていったことを思い出す。
人種差別の問題ではないが、日本人には昔から、よく「子供の癖に・・・」「女の癖に・・・」年寄りの癖に・・・」とかいう言葉が使われており、このような言葉を使う意識の中には、無意識の中で、何か普通と違うものを差別したがる意識が働いているようには思う。そのような潜在意識があるからこそ、黒人を引き合いに「不用意」な発言をする政治家などが出てきて、外国から非難を浴びたりした。
私個人は、カルピスなどのキャラクターが黒人を差別して生み出されたものとは到底思えないが、当時の過剰なまでの黒人差別批判のある時に馬鹿かと思える政治家の不用意な発言などがあると、企業も泣く泣く中止せざるを得なかったのであろう。
ハーバード大学で10年以上にわたって貧困・失業問題などを教えた社会政策のエキスパートである黒人社会学者・ウィリアム・ジュリアス・ウィルソンは、ある報告書の中で、「黒人コミュニティは二つに分裂しつつある。すなわち、着実に経済力をつけて、ますます豊かになっていく安定した中産階級と、ばらばらにされて、ますます不利な立場に置かれていく下層階級に分裂しつつある」と分析した。その中で、今やアメリカでは、人種による差別が問題なのではなく貧富の差が拡大していることが問題といった趣旨のことを言っている。
私は仕事でアメリカ西海岸の商業施設を見に行ったが、その際、住民の居住区が区別されている。アメリカ人が郊外へ住むのは、日本の様に都市部より郊外の方が地価が安く住居を手に入れ易いからではない。あちらの人がわざわざ都市部から遠い郊外へ住むのは、ロスの街のようにダウンタウンには、貧しい人間が多いため、中間層以上が、貧しい人間と一緒に住むことを嫌って郊外へ逃避しているのである。無論、ダウンタウンに住む貧しい人の数は黒人などが多いが、白人も居るのである。
日本でも、全国的に有名な関西の芦屋のように高所得者が多く住んでいる地域はあるが、そこに貧乏人が住んで居ないわけではない。又、日本人以外の外国人が居ないわけでもない。
黒人問題だけではないが、何に対しても、余りのこだわりは、かえって、別の差別を生むようになることは他にも事例がある。
黒人のキャラクターにしてもそれが黒人をモデルにしているから差別とするのはおかしい。本当は、差別的に黒人を扱っているか居ないかが問題なのではないか。よく、今の若い人、特に女の子などが、年寄りを捕まえて「クサ!」とか、中年の男性をつかまえて「ダサ!」とか言っているが、人間年をとれば誰でも体臭は臭うようになり、又、生活に疲れている中年男性が、自分のことだけに金を使っている独身貴族よりはダサイく見えるは当たり前である。このような言葉を平気で使っている人たちは、自分たちが世代による差別をしていることに気づいていないのだろうか。
(画像は、映画「遠い夜明け」のチラシ)
参考:
アパルトヘイトについて考えよう
http://www.h3.dion.ne.jp/~win-tom/sogo4.htm
アパルトヘイトの終焉
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/kak2/1212292.htm
絶版の経過について
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ssbc/zeppannokeika.html
特別措置法後の解放運動―アメリカ黒人運動の苦境に学ぶ―
http://www.asahi-net.or.jp/~qm8m-ndmt/memento/m_7/yomimono.html

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2 コメント

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各々の潜在意識にあるものが (けぃみ)
2005-03-21 17:36:15
・・・・・・・・・知らず知らずのうちに

人を差別しましたり侮辱をしてしまっていること

ございますのよね

ではどうしましたらよろしいのかしら

それはたぶん 上辺のことではなく心から生きとし生ける者として尊重し合う この大前提がございませんとなかなか上手にまいりませんわよね

そしてこれもまた子供と共に育んでいかなければならない大切な人間としましての道徳と思いますわ

やはり底辺がしっかりできておりませんと・・・・諸問題に繋がりますものね



なぁんて蘊蓄言えました義理ではございませんが

この歳になりまして振り返ってみますと・・・

思うこと多ございますわ(笑)
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心の問題 (よーさん)
2005-03-22 07:03:13
よく差別、差別と声高に言っている人たちが、自分では築かないままに差別的な発言などをしている人たちも多い。けいみさんの仰るとおり、結局は、その人の心の問題です。心を洗わないと、自分の心の中にある潜在意識が何かの時に出るものです。特に、それは、偽善家の政治家などによく見られます。
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