今日のことあれこれと・・・

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リメンバー・チェルノブイリ・デー

2007-04-26 | 記念日
今日(4月26日)は、「リメンバー・チェルノブイリ・デー」
1986(昭和61)年の今日(4月26日)、ウクライナ(旧ソビエト連邦ウクライナ共和国) の首都キエフの北方100キロ余りに位置するチェルノブイリ近郊にあった原子力発電所4号炉で、出力暴走事故が発生した。この炉は、旧ソ連に特有のRBMK-1000と呼ばれる黒鉛減速軽水冷却沸騰水型原子炉である。(世界中で運転されている黒鉛減速炉は危険ではないのか参照)。
急激な出力上昇とそれにともなう爆発により、原子炉およびその建屋が一瞬に破壊された。野外の目撃者によると、花火のような火柱が夜空に立ち上がったという。原子炉構造材である2000トンの黒鉛が燃え始め、以降10日以上に渡って大量の放射能放出をともない火災が続いた。原発の安全性とは、炉心に蓄積されている膨大な量の放射能をいかにうまく閉じ込めておけるかにかかっている。チェルノブイリ事故は、放射能が直接放射されるという、原発史上最悪の事態となった。(朝日クロニクル「週刊20世紀」)
最初の爆発にともなって放射された放射能は、1000メートルから2000メートルもの上空に吹き上げられ、遠くの国々まで運ばれた。当初、ソビエト連邦はこの事故を公表しなかったが、翌4月27日、スウェーデンでこの事故が原因の放射性物質が検出され、4月28日、ソビエトも事故の公表に踏み切った。日本でも、5月3日に雨水中から放射性物質が確認され大騒ぎとなった。このチェルノブイリ事故で、放出された放射能は結局北半球のほぼ全域に達し、一旦原発事故が起こると、地球全体が被爆することを示したことになった。
事故から4ヶ月後の1986年8月、ソ連政府はIAEA(国際原子力機関)で開かれた専門会議に事故報告を提出した。その報告書などに基づくと、事故の原因は、運転者の規則違反、事故当時の大量被爆にともない消防士と原発職員300人余りが病院に収容され31人が死亡、事故炉をコンクリートで密閉する「石棺」を建設中で、事故の後始末もほぼ終了というものであった。事故の根本的な原因は、原子炉の設計欠陥とそれを承知しながら対策を怠った責任が当局にあったことが後に明らかにされるが、原発反対運動のいっそうの広がりを危惧したこともあって、専門家会議では、十分な報告もなくソ連の事故報告が受け入れられた。
この事故が発生したのは、ゴルバチョフがソ連共産党書記長として華々しく登場してから1年余りの出来事であった。事故当時、すでに、「ペレストロイカ」(「建て直し」再建」を意味する改革)や「グラスノスチ」(情報公開)ををスローガンに本格的なソビエト体制の改革に着手していたが、事故や汚染に関する情報は機密扱いとされ、国外はもちろん住民にも隠されていた。
チェルノブイリ事故で深刻な放射能汚染の存在が明るみに出始めるのは事故から3年経ったベルリンの壁が崩壊した年・1989年の春のことであった。このベルリンの壁崩壊(1989年11月9日)の前、ソ連国内でも既に変化が起きつつあった。ウクライナベラルーシでは、民主化・独立を求める運動と汚染地住民の運動が合流し、一緒になって当局に放射能汚染の対策を求め始めていたのである。原発から、3000キロも離れたところに飛び地のように高レベルの汚染が広がっており、もっともたくさんの放射能はすぐとなりのベラルーシの方に流れ放射能に汚染された地域は、ベラルーシでは国土の30パーセントに達していたとう。因みに、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの被災3カ国を合わせた被災地域の合計面積は、14万5000平方キロメートルにもなり、これは、日本の本州の約60%にもなるという。
放射線被曝は、数年、あるいは数十年もたってからもガンなどを発生させ病気に対する抵抗力を弱め、、さまざまな病気にかかる人が増えていく。とくに深刻なのが子どもの被害であるという。なかでも、事故前にはほとんどみられなかった甲状腺ガンの増加だといわれている。
日本にも稼動している原子力発電所が17ヶ所あり(日本の原子力発電所の一覧参照)、稼動していない発電所が10ヶ所(日本の稼動していない発電所 参照)を含めると27ヶ所もある。しかし、これら原子力発電所における過去の運営・管理状況の不備が次々と明るみに出ているが、ソ連のチェルノブイリ事故のような大きな放射能事故が幸い発生していないとはいえ、事故事実を隠蔽しているなど、情報公開に非常に問題がある。2004年現在、原子力発電所は、日本における発電電力量の約30%、発電設備容量の約20%を担っており、それだけ、重要なものであるだけに、確りと管理してもらわなければならないが、一番怖い事は、原発反対運動の広がりを危惧してのものかそれとも管理側の体質によるものか知らないが、事実を隠蔽することである。危険なものであればあるほどに、重要事実の隠蔽は、下手をすると国を潰す事にもなりかねないであろう。単に責任者が頭を下げて済むものではない。国としての十分なチェック体制の確立と管理をしてもらいたいものである。
(画像は、チェルノブイリ原発4号炉の爆発で、屋根が吹き飛ばされた建屋。朝日クロニクル「週刊20世紀」より)
チェルノブイリ原子力発電所 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
資源エネルギー庁・原子力広報ページ『e-原子力』サイトマップ
http://www.enecho.meti.go.jp/e-ene/sitemap.html
国際原子力機関 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E9%96%A2
チェルノブイリ原発事故
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/Henc.html
チェルノブイリ医療支援ネット・チェルノブイリ原発事故とは
http://www.cher9.to/jiko.html
原子力防災基礎用語集・財団法人 原子力安全技術センター
http://www.bousai.ne.jp/visual/bousai_kensyu/glossary/index.html
日本の原子力・電気事業連合会
http://www.fepc-atomic.jp/index.html
日本 原子力発電所 事故のニュース検索結果
http://news.google.co.jp/news?q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%80%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%80%80%E4%BA%8B%E6%95%85&hl=ja&lr=&um=1&sa=X&oi=news&ct=title


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