今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

みかんの日

2007-12-03 | 記念日
何時も参考にさせてもらっている「今日は何の日~毎日が記念日」を見ると今日(12月3日)は「みかんの日」となっており、全国果実生産出荷安定協議会と農林水産省が制定。11月3日と12月3日の年2回実施とある。他にも、毎月第一日曜日も全国果実生産出荷安定協議会制定の「みかんの日」となっている。各地のみかん関係の業者がこの日にいろいろイベント等を行っているのかもしれないが私はそのようなイベントを余りみたことがないが・・・。
現代、私達が一般に「みかん」と呼んでいるものは、ミカン科柑橘(かんきつ)類のなかの「ウンシュウミカン」を言っていることが多い。漢字では「温州蜜柑」と書くが、これは、柑橘の名産地であった中国浙江省温州に因んで「ウンシュウミカン」と命名されたそうだが、日本原産種と推定されており、一般には鹿児島県の長島町(東町長島町)という所で、約300年以上前の温州みかんの古木が見つかっているそうで、そこが原産地とされているそうだ。江戸時代より前の代表的なみかんは温州みかんではなく、紀州有田の「キシュウミカン(紀州みかん)」だったそうで、約800年前に中国原産の小ミカンが熊本県経由で伝わったものが元だそうであり紀伊国屋文左衛門によって、寛永年間(1634年)に江戸に出荷され名が広まり、明治時代の中頃まではわが国を代表するみかんであったそうだが、明治以降温州みかんが全国的に栽培されるようになったようだ。300年も前から日本にあったにもかかわらず温州みかんが、現在のように広がらなかったのは、温州みかんが「種なしみかん」だったことから、子供ができなくなるなどの理由で、縁起が悪いと思われたことが理由の一つではないかと言われているそうだ。今ではみかんと言えば種なしが当たり前のようになっているが、そういえば、私等が子供の頃食べたみかんには種のあるものも多かったように思うが・・・。
現在、「ウンシュウミカン」の生産量は首位を争う和歌山県と愛媛県が特に多く、静岡県が続いている。主な産地の殆どが太平洋や瀬戸内海に面した沿岸地である。温暖な気候を好むが、柑橘の中では比較的寒さに強い。5月上~中旬頃に3cm程の白い5花弁の花を咲かせ、日本で一般的に使われているカラタチ台では2-4mの高さに成長する。
「からたちと茨刈り除け倉建てむ屎遠くまれ櫛造る刀自」 万葉集巻16ー3832 (作者:忌部首。忌部首は万葉歌人 忌部黒麻呂のことか?)
日本最古の歌集『万葉集』の中にも登場する歌だが、この歌の意味は「カラタチのいばらを刈って倉を建てようと思っているので、おかみさんたち、この辺りで用を足さないでよ~。」って感じなのだそうだが随分面白い歌を真面目に歌っていたんだね~。(以下参考に記載の「飛鳥レポート:国営飛鳥歴史公園」参照)
カラタチは、日本には古く中国から朝鮮を通って入ってきた樹木で、垣根やかんきつ類の接木のときの台木として利用されてきた。病気に強いことや、早く結実期に達することなどの利点があり、外国の台木は日本の橙であるサワーオレンジ(ダイダイ、学名Citrus aurantium)で、 トリステザウイルス(以下参考の「植物とウイルス」参照)の脅威にさらされる中、わが国はカラタチの台のおかげで柑橘産業を支えてこられたという。(以下参考に記載の「みかんとその仲間たち/(社)農林水産技術情報会」カラタチ参照。)
カラタチというと島倉千代子の歌「からたち日記」(作詞:西沢爽、作曲:遠藤実) や、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「からたちの花」等いい曲があるが、「みかん」と言えば「みかんの花咲く丘」(作詞:加藤省吾、作曲:海沼実)だろう。
みかんの花が 咲いている
  思い出の道 丘の道
  はるかに見える 青い海
  お船がとおく かすんでる♪
第2次世界大戦の終戦直後に生み出された名作の1つである。この歌は、1946(昭和21)年8月、NHKラジオで、東京のスタジオと伊豆半島・伊東市の小学校とを中継で結ぶ番組が企画され、その番組で「静岡にふさわしい童謡」を川田正子に歌わせたいということから海沼のところへ依頼がきたが、長野県出身の海沼にはイメージが湧かず、苦労したようだが、当初1回限りの放送用としてつくられたこの曲の反響はものすごく、聴取者からの要望に応えてレコード化され、童謡としては空前の大ヒットした曲となったものだ。この名作誕生の経緯などは二木紘三のうた物語「みかんの花咲く丘」で、名曲を聴きながら御覧あれ。また、川田正子のことは以前にこのブログで書いたのでそこで観てください。→1月22日「川田正子の忌日」
温州みかんは、極早生温州は9月から10月に掛けて、早生温州は、10月から12月に掛けて、中生温州は11~12月頃に収穫される。これらのみかんを生産農家では普通収穫後、12月頃まで、貯蔵舎で予措貯蔵されるものが多いらしい。目的は貯蔵性の向上と糖度の向上だそうで、日持ちも良くなり2月頃まで出荷できるのだという。(以下参考に記載の「出荷予措・貯蔵」参照)
近年はこのような保存技術の向上と共にビニールハウスや温室で栽培されたハウスみかんも多く流通し、ほぼ一年中目にすることが出来る。
みかんは、日本の代表的な果物であり、冬には炬燵の上にミカンという光景がよく見られる。のどの渇きが癒えるし、昔から「風邪の予防に良い」と言われるが、これはビタミンCやシネフリンといった風邪の予防に有効な成分が多く含まれているためだそうであり、寒い冬には良い食べ物である。
主要ブランドとして、「有田みかん」や、「愛媛みかん 」、静岡 の「三ケ日ミカン」等が有名であるが、そういえば、私が現役時代、転勤で愛知県に住んでいたことがあるが、その時、仕事仲間の実家が三ヶ日町で、みかん畑を持っていて、家族でみかん狩に招待してくれた。そして、木になっているみかんをとってまだ2歳くらいのに子供にやると「これは、みかんと違う」と言って食べなかったのを思い出した。みかんは好きなはずなのに木になっているのを見たことないからね~。それには、みんな大笑いだったよ。(^0^)
しかし、みかんは、果実数が多くなる年(表年)と少なくなる年(裏年)とが交互に発生する現象(隔年結果)が顕著であり、昨年度(平成18年)産は裏年であったというから、今年は、豊作なんだろうな~。(以下参考の平成18年産みかんの収穫量及び出荷量調査結果の概要 参照)
今年は、灯油も値上がりしているので、石油は使わず、みかんでも食べながら炬燵に入って過そ~っと・・・・。
(画像は、ウンシュウミカン。フリー百科事典Wikipediaより)
ウンシュウミカン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%83%B3
農林水産省HP
http://www.maff.go.jp/
みかんとその仲間たち/(社)農林水産技術情報会
http://www.afftis.or.jp/mikan/index.html
果物のある食生活推進全国協議会
http://www.kudamono200.or.jp/
飛鳥レポート:国営飛鳥歴史公園
http://www.asuka-park.go.jp/arekore/event_houkoku/00027.html
カラタチ
http://stewartia.net/engei/tree/Mikan/Poncirus.html
「植物とウイルス」
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/13/1313.htm
万葉集に親しむ
http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/manyou.htm
忌部首 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%8C%E9%83%A8%E9%A6%96
忌部黒麻呂 千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kuroma_i.html
からたちの花
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/karatachino_hana.htm
二木紘三のうた物語
http://duarbo.air-nifty.com/songs/
平成18年産みかんの収穫量及び出荷量調査結果の概要 (農林水産省HP)
http://www.maff.go.jp/www/info/point/mikan-syukaku2006_san/mikan-syukaku2006_san.htm
みかんのこといろいろ(杉本園HP)
http://www5c.biglobe.ne.jp/~sug/tisiki6.html
出荷予措・貯蔵
http://www.mikan.gr.jp/gijyutu/shishin/chozo.html
今日は何の日~毎日が記念日・12月3日
http://www.nnh.to/12/03.html
立松直樹のブログ「文化分解」
http://blog.arp-design.com/?cid=27005

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2 コメント

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沖の白帆 (Linda)
2007-12-04 10:01:09
よーさん、お早うさんです。
子供の頃、みかんの木箱の横に「沖」「の」「白」「帆」と書いてあったことを思い出します。紀州のみかんで等級を表していると八百屋の太ったおっちゃんに教えてもらいました。
細菌のみかんはあまり美味しいと感じません。他に食べるものが沢山あるからか、栽培法が違っているのか・・・。
落語でみかんが出てくる噺と言えば「千両みかん」「みかん屋」程度しか知りません。
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沖の白帆は・・・ (よーさん)
2007-12-04 12:31:52
Lindaさんは色々良くご存知ですね。
和歌山のみかんは小粒のものが多いが等級は、今では、MとかS、2S、3Sなどとアルファベットで表示されているが、昭和30年代頃までは、みかん箱に「沖」「乃」「白」「帆」のスタンプがおされていた。今ののM=沖、S=乃、2S=白、3S=帆といったところのようだ。
紀伊国屋文左衛門が紀州のみかんを江戸へ船で運んでたどり着いた時の様子が「沖の暗いのに白帆が見ゆる、あれは紀ノ国ミカン船」と唄われたが、この歌に副ったものかどうか・・・。
文左衛門は「紀文大尽」ともいわれたというが、生没年もはっきりしないなど、人物伝には不明な点が多く、半ば伝説上の人物である。「架空の人物である」とする説もある。(もっとも実在したとする説が主流のようであるが・・)
司馬遼太郎の「菜の花の沖」と高田屋嘉兵衛にも、江戸時代「沖の白帆は高田屋船」といわれ繁盛した江戸時代最高の人だと言っているように、高田屋嘉兵衛の伝説と一緒になっえいるのではないだろうか。
淡路生まれで兵庫の津で廻船問屋を営み北前船での航路を開拓、さらに、江戸幕府による蝦夷地の経営に協力しつつ、事業を拡大していった。江戸で使用する資材や物品は米や酒を始め色んなものを、大坂から船に乗せて運び込んだ。兵庫を地元とするものの強引な手前味噌な仮説だが・・・。(^0^)
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