今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ペンの日

2005-11-26 | 記念日
今日(11月26日)は「ペンの日」。日本ペンクラブが制定。
1935(昭和10)年、日本ペンクラブが創立された。ペンクラブは、文学を通じて諸国民の相互理解を深め、表現の自由を擁護するための国際的な文学者の団体である。ペン(PEN)は、文字を書く道具としてのペンをあらわすとともに、Pは詩人(Poets)と劇作家(Playwrights)を、Eは随筆・評論家(Essaists)と編集者(Editors)を、Nは小説家(Novelists)をそれぞれ表すとのこと。
「ペン」と言えば、「ペンは剣よりも強し」という、格言を思い出す。言論が人の心に訴える力は武力よりも強いという意味であるが、この原典は、19世紀のイギリス人のブルワー・リットン(1803年-1873年)による戯曲『リシュリュー』の中の科白(俳優の台詞)と言われている。この台詞には、本当は、「まこと偉大な指導者が統治しているもとでは」との前置きが入る。老宰相(枢機卿)リシュリューは、謀反の動きに、「私がもっと若ければ、首謀者を切って捨てることができるのに」と悔しがる、それに対して、側の者が「いまの枢機卿様には剣よりももっと強い別の武器があるではございませんか」といわれ、「そうだな、まこと偉大なる指導者が統治しているもとでは、ペンの方が剣よりも強いのだ」と語りだす。ペンは、第一義的には法律や為政者への影響力ということになるのであり、そのあと「国を救うのに剣などいらぬのだ」という台詞が続く。
このリットンという人物は、1932(昭和7)年、国際連盟によって日華紛争の調査を命ぜられたリットン調査団団長リットン卿の祖父で、およそ200年前、ロンドンの北郊50キロの丘陵地にある屋敷「ネブワース」で生まれ、ケンブリッジ大学卒業後、ジャーナリストとして活躍し、政界入りしてから植民地担当大臣などもつとめ、その功績で男爵に叙せられている。一方で、小説を余技としており、日本でも明治時代から『ポンペイ最後の日』等の作品で知られていた。
しかし、「ペンは・・・」の格言の生みの親の子孫が、剣の力がペンの力を圧倒しようとしていた当時のわが国に対し、警鐘を鳴らしていたとはね~。
ところで、この戯曲に出てくるリシュリューの名前を聞いて何か思い当たらないかな・・・?そう、あの有名なフランス文学の名作、アレクサンドル・デュマの小説「三銃士」に出てたよね。田舎出のダルタニャンがパリにでて、アトス、ポルトス、アラミスの三銃士と親しくなる。やがて4人はアンヌ女王の名誉を守るため、イギリスはバッキンガム公に与えたダイヤを取り戻しにゆくが、宰相リシュリュー郷の邪魔が入り・・・・といった感じで、ダルタニャンの敵役として登場するため、狡猾な抜け目のない悪人と思われがちだが、実際のリシュリューは、ブルボン朝の発展と繁栄のために大きく尽力し、近代フランスの礎を築いた大政治家で、冷徹なマキャヴェリストであった反面、まれにみる無私の人でもあり為政者としての広い度量をかねそなえてもいたそうだ。そして、彼の信念は「王権の拡大」と「盛大への意思」、それは、「フランスはあらゆる他国を押さえて強大にならねばならない」との確信であり、この彼の信条に従わない者に対しては全てこれを「国家の敵」とみなして徹底的に撲滅をはかった。そのリシュリューが死ぬとき告解僧が「汝は汝の敵を愛しますか」と問うと彼は「私には国家の敵より他に敵はなかった」と答えたという。
日本では何かと悪く言われている小泉首相だが、彼の冷徹さの中には、一種のマキャヴェリズムが伺える。ただし、その才能、信条などにおいて、どれだけリシュリューなどと比較できるかは別の問題であるが・・・。又、平和な時代においては、「ペンは剣よりも強し」も、下手をすると「ペンの暴力」にも繋がりかねない。余り、具体的に採りあげると、色々支障があるので、明言は避けるが、最近の新聞記事などマスコミ報道には、「ペンの暴力」に近いものが見られないわけではない。特に、心配されるのは、近年のインターネットの発達は、このようなブログやホームページなどを利用しての避難、中傷が見られる点である。戯曲『リシュリュー』の「ペンは・・・」の前置き「まこと偉大な指導者が統治しているもとでは・・・」の台詞に重みを感じる。
(画像は、リシュリュ枢機卿。Wikipediaより)
参考:
日本ペンクラブ
http://www.japanpen.or.jp/
エドワード・ジョージ・ブルワー・リットン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%B3
ダルタニャン物語
http://www.dict-keyword.com/201/160217.html

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