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日ごとの思いを書きとめたいのです

蛇の喉から

2012-06-10 13:36:24 | 日記
昨日、新聞を開いて、目に入った見出し。

「蛇の喉から光を奪え」
?何のこと?と思って、記事を読みました。
6月9日、読売新聞、「五郎ワールド」という、特別編集委員の橋本五郎さんが書かれている囲みの連載です。

免疫学の世界的権威、多田富雄さんについて書かれています。
脳梗塞に倒れられ、死を考える日々が続いたのち、
わずかに動く指でキーボードを叩き、活動されました。

私は、以前テレビの画面の中でお見かけした事があります。
この写真のとおり、終始おだやかな笑みを浮かべていられました。
どうして、この境遇でこんな風に柔和にほほ笑んでいられるのだろうと思いました。

この「蛇の喉から光を奪え」という言葉。
『多田さんは生きる希望を、若い頃読んだハンス・カロッサの言葉に見いだした。
「蛇の喉から光を奪え」。一点の光も見えない蛇の喉のような絶望の淵からも、
一筋の希望の光を見つけて生きよという意味だという。』
と文中にありました。

『蛇の喉から光を奪え』
私の胸の中に、この言葉が入ってきて、重く沈みました。
いつか、闇に閉ざされたと思ったその時に、この言葉を思い出したいのです。

弱虫で泣き虫で、すぐにペシャッてつぶれてしまう私だけれど、
この言葉を思い出したい。
『奪え』と言っている。
“何処かから光がさしてくるよ”とは言っていない、
自ら『奪え』と言っている、この言葉を覚えておきたい。

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