(2023-01-18)
「・・・人間の叡智と感覚が共に視野から消えた時に初めて，最善の策，言わば「第一の航海」が可能となる．
それは「神を神自身から認識する」道である．フィロンはそれを説明して，太陽は太陽自身によって，一般に
光は光自身によって見られるのと同じ消息だと言う（『賞罰』§ 45）．そして「神を見る」のもそれと同じだと言う．
ただし人間に見ることができるのは「神が一体何であるか」ではなく，「神が存在するという事実だけ」に限られる．
フィロンはこのこともいろいろな箇所で繰り返し述べているが，ここでは二箇所に限って読んでみよう．
ところが，もしここに制作者を制作者自身から把握できる者たちがいるとしよう．すなわち彼らは，制作者を
見るのに，たとえば判断力というような他の補助物を用いないのである．そのような者たちこそ，真の意味で神を尊ぶ者，そして神の友と呼ばれてしかるべきである．
ヘブライ語で「イスラエル」と呼ばれる者はそのような者に属するのである．
ギリシア語ではそれは「神を見る者」と言われる．しかしそれは神がどのような方であるか（hoios estin ho theos）を見るのではなく―というのは，これは不可能だからである―，
ただ，神が存在するということ（hoti estin）だけを見るのである．
しかも，彼は何か別の物，すなわち地上のもの，天上のもの，可死的と不死的要素の混合物のいずれであれ，
何か他のものを通して見るのではない．むしろ，ただ一人神自身によってのみ見るのである．
なぜなら神自身が自らにそう呼びかけて，自分が存在すること（hyparchsis/ヒュパルクシス）を見たいと願う者に，
それを現すことを可としたからである．（『賞罰』§ 43–44，私訳）
人間の判断力（logismos）にとっては，神があらゆるものの原因者として存在する（hyparchei）ということを
知るに至れば，それで十分なのである．さらにそれを超えて進み，神の本質（ousia ・・・
フィロンと終末論1 大貫 隆 （東京大学名誉教授・自由学園前最高学部長）
生活大学研究 Vol. 5 （2020） ｐ１０
」 ja (jst.go.jp)
「アレクサンドリア フィロン 賞罰」の検索結果 - Yahoo!検索
・・もしここに創造者を創造者自身から把握できる者たちがいるとしよう．すなわち彼らは，創造者を
見るのに，たとえば判断力というような他の補助物を用いないのである．そのような者たちこそ，真の意味で神
を尊ぶ者，そして神の友と呼ばれてしかるべきである．ヘブライ語で「イスラエル」と呼ばれる者はそのような者
に属するのである・・
フィロンの語録を鑑みるに、神は、真の意味で神を尊び、御旨にかなう者として証明された者に、御自身を現わされるということなのでしょう。
そしてその人は神を見る者となり、神の友と呼ばれ、それがイスラエルの原義なのだと。
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「ヤコブはキリストの時代より数千年前に生きた偉大な預言者です。ヤコブが忠実であったため、主は「イスラエル」という特別な名前を授けられました。これは、「神とともに勝利を収める者」または「神に勝利を得させよ」という意味です（ Bible Dictionary, “ Israel ”の項、708 ）。・・・
2014年05月04日
」 「イスラエルの家の集合」 - 「愛する子供たちへ」－心の糧メッセージ (goo.ne.jp)
「神に勝利を ラッセル・M・ネルソン管長 末日聖徒イエス・キリスト教会 総大会2020年10月
」 神に勝利を (churchofjesuschrist.org)
おそらくネルソン管長は、このアレクサンドリアのフィロンによる″イスラエル″の語義の解釈・言説を知ってはいたでしょう。でも、”神に勝利を”の解釈を良しとし選んだのでしょう。
ブリガム・ヤングは、総大会説教等で、生涯、数度、まだ神にまみえていない、と語った模様。
数年前くらいに、ダリン・H・オークス副管長はアイダホ？での地区集会で、神に顔を合わせてまみえるということでの質問に答え、知る限り教会中央幹部で、そういった経験者はいないと答えた。
将来のシオンの住民にふさわしくなるには、心の清さが問題で神を見れるような・・
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アレクサンドリアのフィロン“（（ラテン語：Philon Alexandrinus、ヘブライ語：יוסף בן פילון האלכסנדרוני、紀元前20/30年? - 紀元後40/45年?）は、ローマ帝国ユリウス＝クラウディウス朝時期にアレクサンドリアで活躍したユダヤ人哲学者。豊かなギリシア哲学の知識をユダヤ教思想の解釈に初めて適用した。ギリシア哲学を援用したフィロンの業績はユダヤ人には受け入れられず、むしろ初期キリスト教徒に受け入れられ、キリスト教思想のルーツの1つとなった。”（WIKI） によれば、イスラエルの意味は”神を顔を合わせて見る”と説いたらしい。
「フィロン アレクサンドリア 神 見る」の検索結果 - Yahoo!検索
「27 その人は彼に言った、「あなたの名はなんと言いますか」。彼は答えた、「ヤコブです」。
28 その人は言った、「あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです」。
29 ヤコブは尋ねて言った、「どうかわたしにあなたの名を知らせてください」。するとその人は、「なぜあなたはわたしの名をきくのですか」と言ったが、その所で彼を祝福した。
30 そこでヤコブはその所の名をペニエルと名づけて言った、「わたしは顔と顔をあわせて神を見たが、なお生きている」。
」 創世記32章
「9 さてヤコブがパダンアラムから帰ってきた時、神は再び彼に現れて彼を祝福された。
10 神は彼に言われた、「あなたの名はヤコブである。しかしあなたの名をもはやヤコブと呼んではならない。あなたの名をイスラエルとしなさい」。こうして彼をイスラエルと名づけられた。
」 創世記35章
「15 また、わたしの民が主の名によってわたしに一つの家を建て、それが汚されないように、何であろうと清くないものがそこに入るのを許さなければ、わたしの栄光はそのうえにとどまるであろう。
16 まことにまた、わたしはそこにいる。わたしはそこに来るからである。そして、そこに入って来る心の清い者は皆、神を見るであろう。
17 しかし、もしもそれが汚されるならば、わたしがそこに来ることはなく、わたしの栄光はそこにない。わたしは清くない神殿には来ないからである。
18 さて見よ、シオンがこれらのことを行うならば、シオンは栄え、自らを広げ、非常に栄光に満ちた、きわめて大いなる、そして甚だ恐ろしいものとなるであろう。
19 そして、地のもろもろの国民はシオンを尊び、言うであろう。「確かにシオンは我々の神の都であり、また、確かにシオンは倒れることも、その場所から移されることもあり得ない。神がそこにおられ、主の御手がそこにあるからである。
20 主はシオンの救いとなりシオンの高いやぐらになると、その強い力によって誓われた。」
21 それゆえ、主はこのように言う。まことに、シオンを喜ばせなさい。心の清い者、これこそシオンである。それゆえ、シオンを喜ばせなさい。一方、悪人は皆嘆き悲しむであろう。
22 見よ、見よ、報復は神を敬わない者のうえに旋風のように速やかに及ぶ。そして、だれがそれを免れるであろうか。
23 主の懲らしめは夜も昼も通り行き、その知らせはすべての人を悩ます。すなわち、主が来るまで、それはとどめられないであろう。
24 主の憤りは、彼らの忌まわしい行いとすべての邪悪な行いに向かって燃えているからである。
25 それでも、シオンがわたしの命じたすべてのことを努めて行うならば、シオンは免れるであろう。
26 しかし、もしシオンがわたしの命じたことを何であろうと努めて行うようにしなければ、わたしはシオンのすべての行いに応じて、ひどい苦難、疫病、悪疫、剣、報復、焼き尽くす火をシオンに見舞おう。
」 教義と聖約97
「5:8 心の清い人たちは、さいわいである、彼らは神を見るであろう。
」 マタイ
