まりぶろぐ

舞台や映画、本の感想などを綴ります。

『ネクスト・トゥ・ノーマル』②

2013-10-14 18:20:05 | 舞台芸術

精神を病んだ母親ダイアナにとうこさん(安蘭けい)。

ハイになったり、鬱になったりとすごく難しい役どころ。

歌もロック調からポップス、バラード系までいろいろ。

不安定な状態で歌ったりするので、難しかったと思います。

でも見事歌いこなされていました。夫であり父親であるダンに

岸祐二さん。レ・ミゼのアンジョルラスとかされていますが、

ちゃんと歌を聞いたのは初めてでした。ダンも難しい歌が多いのですが

声量もあるし、包容力のあるところがよく出ていたと思います。

ダイアナにしか見えない死んだ息子(推定18歳)、ゲイブに辛源くん。

ミュージカル「MITSUKO」でもとうこさんの息子役でした。

甘い歌声が魅力です。線が細い感じが、今回のキャラに合っていたと

思います。娘のナタリーに村川絵梨ちゃん。初めて生で観ましたが、

よく通る声で、優等生なんだけど悩める役どころをしっかり演じてました。

ドクター・マッデンに新納慎也くん。コミカルな演技もあり、キャリアを積み、

ダンスだけでなく、歌や演技も進化しているなと思わせてくれました。

今回のミュージカルはほとんどが歌で進んでいき、本当にその音楽も

難しいのですが、出演者のレベルが高かったと思います。

「ネクスト・トゥ・ノーマル」というのは、娘のナタリーが母のダイアナに

ノーマルでなくていい、そのとなりでいい、と歌う歌詞からきています。

何が正常で、何が異常なのか。以外に普通な生活の中に幸せも崩壊も

潜んでいるんだなと感じさせてくれるミュージカルでした。

演出家がRENTの方で、演出も音楽も斬新な感じでした。


『ネクスト・トゥ・ノーマル』①

2013-10-08 19:42:57 | 舞台芸術

先日、ミュージカル「ネクスト・トゥ・ノーマル」観てきました。

静な住宅街に建てられた立派な白い家、優秀な建築士として

認められている夫と縁の下で支える妻、そして、娘は学校の優等生である。

誰もが羨ましがるこの中流階級の家庭は壊れかけている。

妻であり母でもあるダイエナは16年もの間、躁うつ病に悩んでおり、

夫と娘は平凡な家庭のふりをするために、ダイエナが病んでいることを

隠している。いつも広い心で家族を包む夫、デンの顔には疲労の色が濃くなり、

娘のナタリーは栄養ドリンクを一気飲みして夜中に徹夜で教科書を読破し、

さらにピアノの演奏まで完璧にやりこなそうとする。

表には現われない病気なので、ダイエナは明るくて元気なように見えるが、

彼女の心は16年前の4月のある日のままだった。

愛する息子・ゲイブが生後8か月で亡くなった日・・・。

人々が義務だけで生きる暮らしに落ちる暗い影は表現されず、

喚き立てるだけだ。


映画『そして父になる』②

2013-10-05 15:38:39 | 映画

ここからはネタばれを含みますので、これからご覧になる方は

ご注意を。

エリート意識が高く、子供とも距離を置いて接してしまう主人公に

福ちゃん合ってました。家は決して裕福ではないけど、

フレンドリーで、子供と温かく接する父、リリー・フランキーさんとの

対比がうまく描かれていました。

尾野真千子さんと真木よう子さんは好演。

お互いに抱き合って、慰め合うシーンは感動的でした。

それぞれに子供への愛が伝わってきました。

そして、最後の、福ちゃんの子供が知らないうちに父や母の

写真をたくさん撮っていたことを知り、福ちゃんが涙を流す

シーンが胸を打ちました。最後はハッピーエンドにつながるような

終わり方で、良かったです。


映画『そして父になる』①

2013-10-02 08:58:19 | 映画

ブログ、放置していて、すみません。ちょっとずつアップして

いきたいと思います。先日、映画「そして父になる」を観てきました。

是枝裕和監督が福山雅治を主演に迎え、息子が出生時に病院で

取り違えられた別の子どもだったことを知らされた父親が抱く

苦悩や葛藤を描いたドラマ。大手建設会社に勤務し、都心の

高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多は、人生の

勝ち組で誰もがうらやむエリート街道を歩んできた。

そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が

出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。

妻のみどりや取り違えの起こった相手方の斎木夫妻は、

それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しむが、

どうせなら早い方がいいという良多の意見で、

互いの子どもを“交換”することになるが・・・。

2013年・第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、

審査員を受賞した。良多を演じる福山は自身初の父親役。

妻みどりに尾野真千子、斎木夫妻にリリー・フランキー、真木よう子が扮する。