精神を病んだ母親ダイアナにとうこさん(安蘭けい)。
ハイになったり、鬱になったりとすごく難しい役どころ。
歌もロック調からポップス、バラード系までいろいろ。
不安定な状態で歌ったりするので、難しかったと思います。
でも見事歌いこなされていました。夫であり父親であるダンに
岸祐二さん。レ・ミゼのアンジョルラスとかされていますが、
ちゃんと歌を聞いたのは初めてでした。ダンも難しい歌が多いのですが
声量もあるし、包容力のあるところがよく出ていたと思います。
ダイアナにしか見えない死んだ息子(推定18歳)、ゲイブに辛源くん。
ミュージカル「MITSUKO」でもとうこさんの息子役でした。
甘い歌声が魅力です。線が細い感じが、今回のキャラに合っていたと
思います。娘のナタリーに村川絵梨ちゃん。初めて生で観ましたが、
よく通る声で、優等生なんだけど悩める役どころをしっかり演じてました。
ドクター・マッデンに新納慎也くん。コミカルな演技もあり、キャリアを積み、
ダンスだけでなく、歌や演技も進化しているなと思わせてくれました。
今回のミュージカルはほとんどが歌で進んでいき、本当にその音楽も
難しいのですが、出演者のレベルが高かったと思います。
「ネクスト・トゥ・ノーマル」というのは、娘のナタリーが母のダイアナに
ノーマルでなくていい、そのとなりでいい、と歌う歌詞からきています。
何が正常で、何が異常なのか。以外に普通な生活の中に幸せも崩壊も
潜んでいるんだなと感じさせてくれるミュージカルでした。
演出家がRENTの方で、演出も音楽も斬新な感じでした。